投稿者: 田中安良里

  • ポニョの宗介の船がほしい!ポンポン蒸気船を作って、湖で走らせる

    ポニョの宗介の船がほしい!ポンポン蒸気船を作って、湖で走らせる

    今回の庭ノートは、ポンポン蒸気船を作って、湖で走らせたお話です。

    宮崎駿監督の映画「崖の上のポニョ」に出てきた「宗介のポンポン船」がほしいと思っていたのですが、そのうち購入しようと放置していたところ、プレミアがついて、どんどん値が上がり、とんでもない金額になってしまいました(2017年5月の時点で45,000円~180,436円)。思ったときに買っておけばよかったと後悔しました。

    ポンポン船は、蒸気の力で「ポンポン」と音を立てながら水面を進む船です。

    ブリキのおもちゃや科学実験キットとして販売もされていますが、同じ原理の船を自分で作ってみることにしました。

    どうやって作ろうかと考えていたところ、父が「ポンポン蒸気船の作り方」の切り抜きを持っていることが判明。科学雑誌『Newton』の表紙裏に、日本ガイシの「家庭でできる科学実験シリーズ」というのが掲載されていますが、2002年9月号のテーマが「ポンポン蒸気船をつくろう!」だったのです。

    15年前の切り抜きです!まさか使う日が来るとは!そして切り抜いたことを覚えていたとは!

    この切り抜きを参考に、少しカスタマイズしてポンポン蒸気船を作りました。

    ちなみに、『Newton』の表紙裏に乗っている「家庭でできる科学実験シリーズ」は、日本ガイシのホームページでも紹介されています。ポンポン蒸気船の作り方も詳しく載っています。

    日本ガイシ 家庭でできる科学実験シリーズ ポンポン蒸気船をつくろう!

    このポンポン蒸気船は、ボイラーと、ボイラーから伸びる2本のパイプでできていて、水を入れたボイラーを加熱すると、船が動くという仕組みです。

    ボイラーの水が加熱されて蒸気になると、体積は約1700倍に膨張するそうです。急激に体積がふくらんだボイラーの蒸気は、パイプの中の水を勢いよく外へ押し出し、これが船の推進力になります。水を押し出して圧力が下がると、外の水がパイプからボイラーへ吸い込まれ、その水が加熱されて再び蒸気になって進みます。

    ポンポン蒸気船を作るのに必要なものは、バルサ材、銅パイプ、アルミ缶、木片、竹ぐし、鍋料理用固形燃料、単1乾電池、はさみ、定規、カッターナイフ、のこぎり、彫刻刀、コンパス、木工用接着剤、紙やすり、輪ゴム、マッチ、スポイト、軍手です。

    バルサ材を船の形に加工し、丸い穴をあけてアルミ缶をはめ込み、銅パイプを曲げてボイラー部分を作り、舵を取りつけたらできあがりです。

    ポンポン蒸気船の写真
    ポンポン蒸気船

    いよいよ進水式です!

    固形燃料をアルミ缶の中に入れ、銅パイプにスポイトで水を入れます。船を水に浮かべて固形燃料に火をつけます。しばらくすると、ボイラー部分の水が沸騰し、船が動き出します。

    シンクに水を張って実験しましたが、狭くてすぐに追突してしまいました。

    シンクに浮かぶポンポン蒸気船の写真
    シンクに浮かぶポンポン蒸気船

    もっと広い場所で実験をと思い、側溝に水をためて水路にしました!

    側溝に浮かぶポンポン蒸気船
    側溝に浮かぶポンポン蒸気船

    船の大きさにぴったりの水路でした。

    しかし、もっと壮大な場所で実験したいと思い、船を持って湖に行くことにしました!

    早速実験です。

    湖に浮かぶポンポン蒸気船の写真
    湖に浮かぶポンポン蒸気船

    火力が少し弱かったのか、大自然を前に推進力が足りず、残念ながらなかなか思うように進みませんでした。しかし、こちらの動画を見ていただけば、パイプの先からボコッボコッと蒸気が吹き出て、それによって船が推進していることがわかると思います。

    湖を進むポンポン蒸気船の動画 (15秒、6MB)

    快走ではありませんでしたが、蒸気機関とはこういうものなのかと体感することができ、大満足でした!

    ついでに作ったソーラー船も湖に浮かべてみました。

    バルサ材の上にソーラーパネルをとりつけ、太陽光でプロペラを回して進みます。

    ソーラー船の写真
    ソーラー船

    こちらはなかなかの推進力でした!曇っているのに、太陽光とはすごいものです。

    湖を進むソーラー船の写真
    湖を進むソーラー船

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  • 吹流しを設置。新緑の間を吹き抜ける初夏の風、薫風を楽しむ

    吹流しを設置。新緑の間を吹き抜ける初夏の風、薫風を楽しむ

    今回の庭ノートは、若葉の間を吹き抜けて初夏の香りを運ぶ南風、「薫風(くんぷう)」のお話です。

    私は年間4つ、心待ちにしている風があります。春一番薫風二百十日の風、そして木枯らしです。

    春一番は立春から春分の間にその年に初めて吹く南寄りの強い風、薫風は新緑の間を吹きぬける初夏のさわやかな風、二百十日の風は立春から数えて210日目の台風がよく来る厄日の風、木枯らしは太平洋側地域で晩秋から初冬の間に吹く北よりの強く冷たい風、です。

    庭に吹く春一番については、2017年3月5日の記事で紹介しました。

    精悍な北風とチャラい南風。春一番と寒の戻りの風

    5月に入り、今度は待ちに待った薫風が吹きました。

    「薫風自南來 殿閣生微涼(くんぷうみなみよりきたり、でんかくびりょうをしょうず)」という禅語があります。

    南から薫風が吹き、殿閣を涼しい空間にする、という意味ですが、この句を禅の世界で考えると、煩悩妄想を消し、分別執着の汚れを洗い流した、清涼そのもの=悟りの境地、を表現したものになるということです。

    「薫風」の語源はこのように漢語ですが、訓読みして和語化して「風薫る」と言ったりもします。

    「薫風自南來」の言葉のとおり、薫風は本当に南から来ます。

    私は五色の吹流しを揚げて薫風を楽しんでいます。端午の節句とは関係なく、薫風を楽しむために揚げています。長さ1メートルの小さな吹流しで、薫風が当たるベランダのコーナーの手すりにつけています。吹流しを気持ちよく泳がせることができるのは、薫風だけのような気がします。

    吹流しの写真

    もう一つの楽しみ方は、お気に入りの木の北側に立って薫風を楽しむというものです。どの木を通ってくるかで、薫風の印象が少し違います。

    私が一番気に入っているのは、モミジを吹き抜ける薫風と、ケヤキを吹き抜ける薫風です。

    モミジを吹き抜ける薫風の写真
    モミジを吹き抜ける薫風
    ケヤキを吹き抜ける薫風の写真
    ケヤキを吹き抜ける薫風

    写真では全然分からないですよね。

    動画を撮ったのですが、風の温度や湿度や雰囲気が伝わらなく、薫風の良さが全く出ていなかったので、写真だけにしました。

    とても爽やかで、南から、さーっとやって来て、ふわっと上に抜ける感じです。モミジを吹き抜ける薫風のほうが、ケヤキを吹き抜ける薫風より、やや繊細な感じです。

    同じ南風でも、春一番のような荒々しさや湿っぽさ、チャラい感じがありません。秋や冬の風のようなストイックさや切なさもありません。チャラすぎずストイックすぎず、年間で吹く風の中で、一番健全な感じがします。極めて個人的な印象になりますが、キャラとしては、外連味のない静岡県民みたいな感じです。

     

    おすすめの本・グッズ

    高橋順子(2002)『風の名前』小学館.

    四季折々の美しい風の名前が載っています。風の作用やイメージを写した静止画なのに、どの写真からも風そのものを感じます。

    平田精耕(1988)『禅語事典』PHP.

    250の禅語の有名なことばが載っています。それぞれに解説と寸話がついています。Kindle版も出ています。

    こいのぼり 五色吹流し 単品 1M 【徳永こいのぼり】

    こいのぼりや五色の吹流しが一匹単位で手に入ります。長さもいろいろあります。

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  • ついに来た!七色の美しい鳴き声を持つ、セミの鳴きまねもできるガビチョウ(画眉鳥)

    ついに来た!七色の美しい鳴き声を持つ、セミの鳴きまねもできるガビチョウ(画眉鳥)

    今回の庭ノートは、「ガビチョウ(画眉鳥)」が、ついに私の庭にも来たお話です!

    まずは、この鳴き声をお聞きください。

    ガビチョウ(画眉鳥)の鳴き声

    5月に入ってから、毎朝5時にこの声で起こされています。

    非常に美しい声なのですが、ほかの鳥と違ってかなりよく通る大きな声で、一度鳴き始めたら休憩することなく何分間も延々と鳴き続けます。

    鳥のさえずりで目覚めるなんて幸せなことですが、ガビチョウの場合、「何!?何が起きたの!?」という感じで、若干起こされた感があります。

    初めて聞く鳴き声だったので最初は何の鳥かわからず、「いったい何者なんだ!?」と思っていました。飛び立つ姿が見えたので野鳥図鑑で調べてみましたが、なかなか特定できません。鳴き声から特定しようと思いましたが、多彩すぎて調べようがありません。ついに顔を目撃して、ガビチョウと判明した次第です。

    ガビチョウの写真

    ガビチョウは、スズメ目チメドリ科に分類される、体長22~25センチくらいの鳥です。色は茶褐色でくちばしが黄色、目の周りとその後方に眉状に伸びた白い模様があるのが特徴です。京劇メイクのアイラインみたいです。

    ガビチョウは中国南部から東南アジア北部にかけて生息していますが、日本ではペットとして輸入された個体が、かご脱けにより定着したそうです。特定外来生物に指定されているため、日本の野鳥図鑑には載っていないことが多いです。

    七色と形容されるその美しい鳴き声から、中国では非常にポピュラーな飼い鳥で、日本でも古くから輸入されていたそうですが、人気がなくなってペットショップの店頭から姿を消したそうです。

    日本では関東地方から分布を広げてきたようで、静岡県富士宮市にもいるという話は聞いていたのですが、私の家の周辺で見かけることはありませんでした。なので、ついに我が家に来た!という感じです。

    ガビチョウの写真

    ガビチョウは声がいいだけではなく、ほかの鳥の鳴きまねも上手で、ウグイス、キビタキ、オオルリ、サンコウチョウ、シジュウカラといった鳥のさえずりをまねるそうです。

    ガビチョウ

    私が目撃した時には、コジュケイのまねもしていました。

    コジュケイのまねをしていると思われるガビチョウの動画(movファイル)

    さらに、セミのツクツクボウシのまねもしていました!

    ツクツクボウシのまねをしていると思われるガビチョウの動画(movファイル)

    なんでセミ!?と思いますが、自分の歌のレパートリーを増やすためという説があるようです。

    オスは鳴き声の優劣を競ってメスにアピールしますが、自分の歌のレパートリーが豊富ということは、それを維持できるだけの余裕があることの証明になり、そのため、ほかの生き物の鳴き声などを積極的に取り入れようとする傾向があるそうです。

    あるいは、仲間とより良い関係を構築するためにレパートリーを増やしているのかもしれません。

    ツクツクボウシだけでなく、ぜひ、ヒグラシのまねも習得してほしいです。

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  • ありえない質感!美しすぎる白い花、私の庭の四大美女

    ありえない質感!美しすぎる白い花、私の庭の四大美女

    今回の庭ノートは、庭に咲く、美しすぎる白い花についてです。

    私の庭には、ツツジ、シャクナゲ、コデマリ、オルレア、シャクヤク、カサブランカなど、美しい白い花がたくさん咲きます。

    カサブランカの写真
    カサブランカ

    ほかの色の花もそれぞれ素敵ですが、白い花は特別美人が多いような気がします。

    その中でも、二度見するほど美しい、私にとって特別な花があり、中国四大美女にならって、私の庭の四大美女と呼んでいます。

    ちなみに、中国四大美女とは、西施王昭君貂蝉楊貴妃の四人です。

    西施(春秋時代):彼女が川で洗濯をする姿に見とれて魚たちは泳ぐのを忘れてしまったと言われる沈魚美人

    王昭君(漢):琵琶をかき鳴らす彼女の姿と悲しい調べに魅入られて雁が次々に落ちてきたと言われる落雁美人

    貂蝉(後漢):天下を憂いて物思いに耽る姿のあまりの美しさに、月が恥じて雲に隠れてしまったと言われる閉月美人

    楊貴妃(唐):彼女が後宮を散歩すると庭の花が妃の美貌と体から発する芳香に気圧されてしぼんでしまったと言われる羞花美人

    「虞や虞や 汝を奈何せん」の虞美人(秦末)が入っていない!?と思いますが、三国志で有名な貂蝉を抜いて虞美人を入れることもあるそうです。

    魚が泳ぐのを忘れたり、雁が落ちてきたリ、月が隠れたり、花がしぼんだり、って、すごすぎです。

    でも、私の庭に咲く白い花も負けていません!この世のものとは思えない美貌です。

    ありえない質感なのですが、私の写真技術ではそれがお伝えできないのが残念です。本物を見れば、絶対触りたくなります!

    クチナシ

    クチナシの写真
    クチナシ

    この人、どうしたらいいんでしょう!ため息しか出ないです。花びらが外側にカールした感じが絶妙です。初夏の嵐の前のちょっと薄暗い不安な日がよく似合います。

    フヨウ

    フヨウの写真
    フヨウ

    何なんですか、この透け感!花の中央のほんのり黄緑がかった色合いも絶妙です。花びらと花びらの重なり方も計算しつくされていて、回転してそのまま吸い込まれる感じです。

    シュウメイギク

    シュウメイギクの写真
    シュウメイギク

    可憐すぎます!肉厚な花びらと、あえて花びらの形が一枚一枚違うところが絶妙です。計算ずくの不揃い!?よく見るとパールが入っていてキラキラ光っています。

    ツバキ

    ツバキの写真
    ツバキ

    このなめらかさ、何なんでしょう!品種がわからないのですが、ほかのツバキにはない質感です。一枚一枚の花びらが繊細でしっとりしているにもかかわらず、ありえない枚数重なっていて、贅沢仕様です。

    ご紹介した私の庭の四大美女の写真、ベストショットではないので、もっといい写真が撮れたら、随時差し替えようと思います。

  • 極上の味!八十八夜に庭のチャの木で茶摘みをして煎茶を作って飲む

    極上の味!八十八夜に庭のチャの木で茶摘みをして煎茶を作って飲む

    今回の庭ノートは、八十八夜に庭のチャの木で茶摘みをして、電子レンジとホットプレートで蒸し製煎茶を作ったら、とてつもなくおいしかったというお話です。

    静岡県は、全国の茶園面積、収穫量の40%を占める、日本一の茶どころです。同じ静岡県内でも、富士・沼津、清水、本山、牧之原、川根、掛川、天竜と、地区によって製法や味にそれぞれ違いがあり、さまざまな高品質の日本茶を楽しむことができます。

    富士山と茶畑の写真

    私は静岡県に住んでいるため、身近にすばらしいお茶屋さんがたくさんあり、プロが作った最高においしいお茶を毎日飲んでいます。

    しかし、庭にチャの木が2本あり、いったいどんな味がするのだろうと気になったので、八十八夜に自分で茶摘みをし、自家製のお茶(蒸し製煎茶)を作って飲んでみることにしました。

    八十八夜は立春から数えて88日目ということです。2017年の八十八夜は5月2日です。このころは、新茶の摘みとりの時期で、八十八夜に摘んだ新茶を飲むと長生きをすると言われています。

    庭のチャの木は垣根を兼ねた庭木として植えられているため、茶園でおなじみのかまぼこ型ではありません。樹高1メートルくらいの普通の木です。

    一芯二葉(新芽の真ん中の芽と葉2枚)を手で摘みます。

    一芯二葉の写真

    生葉100gを摘みました。

    チャの生葉の写真

    緑茶、ウーロン茶、紅茶は、同じチャの木の葉から作られます。違いは、チャの葉を発酵させるかどうかです。全く発酵させないと緑茶、50%程度発酵させるとウーロン茶、100%発酵させると紅茶になります。

    チャの生葉には酵素が含まれていて、そのままにしておくとどんどん酸化して茶色くなります。緑茶の場合、摘んだらできるだけ早く熱を加えて、酸化を止めます。これを殺青といいます。

    殺青には蒸す方法と炒る方法があります。日本のほとんどのお茶は、蒸し製煎茶です。蒸気で茶葉の酵素を殺青し、もみながら乾燥して、最終的に細くもんで針状のお茶に仕上げます。これに対して、中国式の製法である釜炒り茶は表面温度300℃くらいの釜で炒って殺青します。

    今回は蒸し製煎茶を作ってみることにしました。

    作り方は下記の本を参考にしました。

    増澤武雄(編集)、山福朱実(イラスト)(2007)『茶の絵本』農文協.

    緑茶の製造工程は、大きく、殺青→揉捻→乾燥に分けられます。さらに細かい製造工程に分けられ、手揉みには非常に高度な技術が必要ですが、家庭で楽しむには、とりあえず蒸して揉んで乾燥すればいいということになります。

    ①殺青

    チャの生葉にラップをかけて、1分30秒くらい電子レンジにかけて蒸します。

    チャの生葉を電子レンジで蒸す写真

    敷物の上で冷まします。

    蒸した生葉の写真

    120℃のホットプレートで、よく混ぜながら蒸し露と茶葉の水分の一部を飛ばします。

    揉捻の写真

    ②揉捻

    敷物の上で茶葉を揉んでは100℃~120℃のホットプレートで水分を飛ばす、を繰り返します。

    軽く揉みながら乾燥

    揉捻の写真

    強く揉みながら乾燥

    揉捻の写真

    形を整えて揉みきり

    揉捻の写真

    ③乾燥

    100℃~120℃に調節したホットプレートでに和紙を敷き、茶葉を薄く広げて乾かします。

    茶葉の乾燥の写真

    出来上がり

    揉みきりが難しく、針のようなまっすぐな形には仕上がりませんでしたので、蒸し製玉緑茶みたいな感じになりました。

    茶摘みから完成まで、2時間半くらいでした。100gの生葉から25gのお茶ができました。

    さっそく試飲です。

    茶葉1人3g、よく沸騰させて70℃に冷ましたお湯1人60mlで、浸出時間は2分にしました。

    一煎目の写真
    一煎目

    普通にお茶です!というより、その辺のおいしくないお茶よりおいしいというか、その辺のおいしいお茶よりおいしいです!

    もっと草っぽい野性味あふれる味だと思っていたので驚きでした。自家製のお茶というものは、いい意味で「田舎のお茶」という味がしますが、田舎っぽさもなく、スノッブさもなく、何ともバランスがとれたお茶でした。

    香りもよく、生臭くも焦げ臭くもありません。色もしっかり出ていますが濁りがなく美しいです。味は、まろやかであまく、玉露のようなヌメリが若干あり、ほんの少し渋みがあって、にもかかわらず爽やかです。味がしっかり出ているのにしつこくないです。新茶ならではのやさしさもあります。何より、雑味がなく、生粋のお茶という感じです。

    一煎目は新茶のまろやかさが、二煎目は新茶のさわやかさが際立ちました。

    二煎目の写真
    二煎目

    なんかすごい自画自賛になってしまいました。

    技術がないのにおいしくできた秘訣は、機械ではなく手摘み手揉みでやったこと、短時間で茶摘みから飲むところまでを一気にやったこと、八十八夜にやったこと、一人で雑念なしでやったこと、庭のチャの木に対してリスペクトの心があったこと、かなと思っています。

    おすすめの本

    増澤武雄(編集)、山福朱実(イラスト)(2007)『茶の絵本』農文協.

    農文協のつくってあそぼうシリーズはすばらしいです。茶の起源や歴史、種類などが、わかりやすくまとめられています。蒸し製煎茶のほかにも、釜炒り茶、包種茶、紅茶の作り方も載っています。

    天から香水をまいたような高貴な香り!柑橘の花の香りをモイストポプリで閉じ込める

  • マジメかつシュール。「ふじのくに地球環境史ミュージアム」の常設展

    マジメかつシュール。「ふじのくに地球環境史ミュージアム」の常設展

    今回の庭ノートは、静岡市駿河区にある「ふじのくに地球環境史ミュージアム(Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka)」についてです。地球環境史(人と自然の関係の歴史)から未来の豊かさとは何かを考えるミュージアムです。

    ふじのくに地球環境史ミュージアム

    2017年3月5日の庭ノートの記事で、企画展「静岡のチョウ 世界のチョウ」を紹介しましたが、このミュージアムは常設展もとても興味深いです。

    最近静岡県で増えているチョウについて。企画展「静岡のチョウ 世界のチョウ」

    展示物のボリュームはそんなに多くありませんが、どれもはっとさせられる切り口です。解説文やラベルは控えめになっていて、標本や資料をじっくり見て、考えることを楽しむミュージアムになっています。

    私が気に入ったのは「骨の教室」です。脊椎動物たちの教室なのですが、この座席表、すごい生徒です。

    骨の教室の座席表の写真
    骨の教室の座席表

    着席している様子がシュールすぎます。ヒトも動物であることを思い知らされます。

    骨の教室の生徒たちの写真
    骨の教室の生徒たち

    廃校になった県立高校をリノベーションした博物館なので、外観は学校そのまま、内観も学校風味です。

    静岡県の海を紹介している展示室には、チリメンモンスターの標本もあります。

    ちりめんじゃこに混入した海洋生物の写真
    ちりめんじゃこに混入した海洋生物

    チリメンモンスターとは、イワシの稚魚の加工物である「しらす干し」や「ちりめんじゃこ」の中に混入した海洋生物のことです。混入した海洋生物を探す活動は昔から行われていましたが、「きしわだ自然友の会のメンバー」がこれを「チリメンモンスター(チリモン)」と命名したそうです。ポケモンみたいに熱狂的なファンがいます。

    疲れたら、図鑑カフェで休憩できます。自然史や地球環境史にまつわる図鑑があり、お茶を飲みながら図鑑を読むことができます。

    図鑑カフェの写真
    図鑑カフェ

    展示の最後には、環境リスクを知り、そのうえで、豊かな暮らしとは何かを考えるコーナーがあります。

    その中に、こんな問題提起がありました。

    どこに住めば豊かに暮らせる?
    どこに住めば豊かに暮らせる?

    「どこに住めば豊かに暮らせる?」

    「細長い国土を持つ日本は、地域ごとに特色ある地形と四季が育む豊かな自然があります。一方、人口が集中する都会は、豊富な情報や整備された環境があります。豊かに暮らすにはどちらに住むのが良いのでしょうか?」

    田舎と都会、どちらにもそれぞれのよさがあり、私はどちらの恩恵も享受したいです。個人的には、田舎と都会の間に住めば豊かに暮らせるのではないかと思っています。私のこのホームページのテーマも、「富士山麓の静岡県富士宮市を拠点に、田舎と都会の間で自然との接点をさがす」です。

    静岡県は、標高3000メートルを超える日本一高い山・富士山と、水深2400メートル以上の日本一深い湾・駿河湾を有しています。この高低差が多種多様な自然環境を生み出しています。自然資源が豊富で、四季の移り変わりを肌で感じることができ、環境と調和のとれた生活をすぐ実践に移すことができます。

    ※ちなみに、日本一高低差の大きい市は、静岡県富士宮市で、その高低差は3741メートルです。

    一方で、新幹線で一時間の場所に、中途半端な都会ではなく世界有数の都市である東京があり、質の高い文化や情報を享受できます。さらにそこから世界中の街へ行くことができます。

    自然災害のリスクはありますが、それは日本中世界中、どこにいても起こり得ることです。

    というわけで、田舎と都会の間の静岡県は、バランスがとれていて、豊かに暮らすにはなかなかおすすめな場所です。また、静岡県は民力や気候の面でも平均的な日本の像に最も近い県とされていて、そのような意味でも住みやすいのではないかと思います。

    しかし、だれもがさまざまな事情を抱えていて、どこに住むかを選べる人は少ないのではないかと思います。今住んでいる場所での生活を、どのように自然と調和のとれたものに変えていくか、豊かと思えるものに変えていくか、ということが重要になってくるのでしょうか。

    おすすめの本

    日下部 敬之, きしわだ自然資料館, きしわだ自然友の会(2009)『チリメンモンスターをさがせ!』 偕成社.

    ちりめんじゃこの写真からチリモンをさがす、子ども向けの本ですが、大人も楽しめます。ちりめんじゃこを食べるとき、タコやイカの赤ちゃんをさがしたことを思い出します。海洋生物の多様性を知るための楽しい導入になります。

    最近静岡県で増えているチョウについて。企画展「静岡のチョウ 世界のチョウ」

  • ウラシマソウ(浦島草):晩春の庭に咲く超個性派の性転換植物

    ウラシマソウ(浦島草):晩春の庭に咲く超個性派の性転換植物

    今回の庭ノートは、晩春に我が家の庭に咲く超個性派植物、ウラシマソウ(浦島草)についてです。独特な佇まいでその場を異空間にしてしまう上、性転換植物でもあるという、なんとも魅力的な植物です。

    我が家の庭に咲く花は、季節によってキャラクターが全然違います。大まかにいうと、春に咲く花はふわっとした感じ、夏に咲く花ははつらつとした感じ、秋に咲く花はしっとりとした感じ、冬に咲く花はきりっとした感じです。

    春に咲く花は全体としてふわっとした感じなのですが、時期によってさらにキャラクターを細分化することができます。

    極めて個人的な印象になりますが、春前半に我が家の庭に咲く花は、素人ウケする優等生です。例えば、桃、モクレン、レンギョウ、桜、菜の花、アネモネ、ハナニラ、スイセン、ムスカリ、チューリップ、パンジー、ビオラ、など。

    そして、これまた極めて個人的な印象になりますが、春後半に我が家に咲く花は、玄人ウケする個性派です。

    例えば、クマガイソウ。

    クマガイソウの写真
    クマガイソウ

    例えば、エビネ。

    エビネの写真
    エビネ

    例えば、ホウチャクソウ。

    ホウチャクソウの写真
    ホウチャクソウ

    その中でも、ひときわ異彩を放っている超個性派がウラシマソウです。

    ウラシマソウの写真
    ウラシマソウ

    ウラシマソウ(Arisaema urashima)は、日本原産で、サトイモ科テンナンショウ属の多年草です。肉穂花序(にくすいかじょ)の先端の付属体が細く糸状に伸びていて、その姿を、浦島太郎の釣り竿の釣り糸に見たてて、この和名がついたといわれています。

    英名は「コブラ・リリー・ウラシマ(cobra lily Urashima)」です。

    地下にはサトイモに似た球根があり、春になると芽を伸ばして、傘のような大きな葉を広げます。そして、仏炎苞(ぶつえんほう)といわれる黒褐色の苞を開きます。

    静岡県にある私の庭では、4月下旬から5月上旬にかけて開花します。耐陰性が強く、乾燥を嫌うため、木の陰など、少し薄暗いところに生えています。

    子どもの頃、庭で遊んでいて、偶然このウラシマソウを見つけてしまったときの驚きといったらありません。出会ってはいけないものに出会ってしまったというか、見てはいけないものを見てしまったというか、何か異質なものが存在していてそこだけ時空がゆがむというか。

    しかも、こんな集団に出くわしてしまったら「うわぁぁぁどーしよー」って感じです。

    ウラシマソウの群生の写真
    ウラシマソウの群生

    しかもこのウラシマソウ、性転換するんです!

    ウラシマソウなどのテンナンショウ属の植物は、一般に性転換することで知られています。性転換は、成長や栄養の状態によって起こり、小型の個体は雄性となり、大型の個体は雄性から雌性に転換していきます。

    ウラシマソウの雌性と雄性の写真
    ウラシマソウの雌性と雄性

    黒褐色の仏炎苞は一見花のように見えますが、本来の花はこの仏炎苞の中の付属体の下についています。

    ウラシマソウに中を見せてもらいました。

    ウラシマソウの雄花と雌花の写真
    ウラシマソウの雄花と雌花

    上の写真の左が雄性、右が雌性です。小型の個体では雄性となって、仏炎苞の内部の内穂花序に雄花群を形成します。大型の個体では雌性となって、肉穂花序に雌花群を形成します。

    雄花から雌花への花粉の受粉はキノコバエの仲間によって行われます。キノコバエは、雄性の仏炎苞の開口部から進入し、雄花群の花粉を体につけて、仏炎苞の下にある隙間から脱出します。

    しかし、雌性の仏炎苞には脱出できる隙間がありません。開口部から進入したキノコバエは、出口を探して雌花群をうろついている間に受粉させられ、脱出できずに死んでしまうこともあるそうです。

    ウラシマソウの付属体が細長く糸状に伸びたもの(浦島太郎の釣り竿の釣り糸)については、なぜこのような構造になっているのか不明だそうですが、一説によると、先端が地面や草などに接していて、これをたどって虫が仏炎苞の中に入ってくるのではないかといわれています。

    だとしたら、これは本当に釣り糸だということになります!

  • モンブランがどれかわからない!モンブランを探してフランス領のサレーヴ山へ行く

    モンブランがどれかわからない!モンブランを探してフランス領のサレーヴ山へ行く

    今回の庭ノートは、スイスのジュネーブからです。モンブランを探してフランス領のサレーヴ山へ行ったお話です。

    ジュネーブはスイスの西部、レマン湖の南西岸にある都市で、フランス語圏に属し、国連ヨーロッパ本部、国際赤十字など、さまざまな国際機関が置かれている街です。

    スイスの国旗の写真

    私は静岡県富士宮市で生まれ育ったため、いつも富士山が身近にあり、日本一高い富士山を基準に自分の居場所を確認する習慣があります。

    1月は富士山がよく見えるって本当!?2017年1月の富士山観測結果+写真集

    そのため、知らない場所へ行ってまず最初にすることは、その土地で一番高い山を探すことです。日本国内を移動したとき、その土地のランドマークになるような山を見つけ、しかもそれが郷土富士だったりするとほっとします。

    「アルプスの少女ハイジ」の22話に、デーテ叔母さんに騙され、クララの遊び相手としてフランクフルトに連れてこられたハイジが、おじいさんやペーターやヤギのユキちゃんと過ごしたアルムの山での生活が恋しくなって、山を探すというシーンがあります。

    ロッテンマイヤーさんから厳しい指導を受け、慣れない都会の生活で息苦しくなったハイジを見て、クララはお屋敷の屋根裏に上がれば山が見えるかもしれないと教えてくれます。しかし屋根裏から見えたのは石の壁と屋根ばかり。ハイジはがっかりしますが、セバスチャンから高い教会の塔があると聞き、お屋敷を飛び出します。

    困難の末、なんとか教会にたどり着いて塔に上るのですが、苦労して上った塔から見えたのはフランクフルトの街並みだけ。ハイジは失望します。どこを見ても建物ばかりで、ハイジが見たかった山や谷や木や草やお花畑はどこにもなかったのです。

    東京で生活したときは、まさにアルプスの少女ハイジ状態でした。ハイジと同じ心境になり、富士山を探すために高い所へ行きました。教会の塔に走って上るのではなく、ビルの40階にエレベーターで昇りましたが。

    建物ばかりでがっかりしましたが、関東平野とはこういうことなのかと驚きもました。唯一の救いは、ハイジと違ってはるか遠くに富士山の頭が見えたことです。自分が富士山の北東にいることが確認できました。

    そんなわけで、初めてジュネーブを訪れて真っ先にしなければならないことは、この辺りで一番高い山を見つけてほっとすること、つまりモンブランを探すことです。

    モンブラン(Mont Blanc)は、フランスとイタリアの国境に位置する、ヨーロッパアルプスの最高峰です。標高4810.9メートルで、富士山よりも高い山です。

    曇っていたり、地元の方に聞いてもわからなかったりで、なぜかモンブランがどれか判明しないまま日にちが経ちました。そんな時、サレーヴ山へ行ってみるといいと教えてもらい、登ってみることにしました。教えてくれたのはセバスチャンではありません。

    サレーヴ山(Mont Salève)は、ジュネーブ市街のどこからでも見える、標高1379メートルの縞々の山です。フランス領にありますが、ジュネーブから国境を越えて簡単に行くことができます。

    私が滞在してした部屋からも見えます。

    滞在していた部屋から見たサレーヴ山の写真
    滞在していた部屋から見たサレーヴ山

    ジュネーブのコルナヴァン駅(Gare de Genève-Cornavin)から8番バスに乗って30分程度、終点のヴェリエ・ドゥアン (Veyrier-Douane)まで行きます。

    バスを降りて、歩いてスイスとフランスの国境を通過します。「Téléphériqu du Salève」の標識に従って、ロープウェイ乗り場まで歩きます。

    サレーヴのロープウェイの看板の写真
    サレーヴのロープウェイの看板

    歩いて10分ほどでロープウェイ乗り場に着きます。ロープウェイに乗って5分ほどで山頂に到着です。

    サレーヴのロープウェイのロープの写真
    サレーヴのロープウェイのロープ

    ロープウェイを降りたら、「パノラマ・デュ・モンブラン(Panorama du Mont-Blanc)」へ急ぎます。標識に、歩いて15分とあります。

    パノラマ・デュ・モンブランへ
    パノラマ・デュ・モンブランへ

    地味に険しい道のりで、本当に15分で着くのか!?という感じです。

    パノラマ・デュ・モンブランへの道の写真
    パノラマ・デュ・モンブランへの道

    ちょうど15分でパノラマ・デュ・モンブランに着きました。しかし、雲がかかっていて、残念ながらモンブランを見ることはできませんでした。がっくし。

    パノラマ・デュ・モンブラン
    パノラマ・デュ・モンブラン

    モンブランは見えませんでしたが、ロープウェイ乗り場の近くからは、ジュネーブ市街とレマン湖が一望できました。下の写真の真ん中あたりにレマン湖が見えます。その左側に広がるのがジュネーブの街です。自分がどこをどう動いていたのかわかり、塔の上の視点を得ることができました。

    サレーヴ山頂から見たレマン湖とジュネーブの街の写真
    サレーヴ山頂から見たレマン湖とジュネーブの街

    その後、モンブランがどれかようやく判明しました。なんと、滞在していた部屋から見えていました。知らないってこわいです。はるか遠く、山々の向こうに見える真っ白い山がモンブランだそうです。

    滞在していた部屋から見たモンブランの写真
    滞在していた部屋から見たモンブラン

    ハイジごめん!屋根裏に上らなくても、教会の塔に上らなくても、サレーヴ山に上らなくても、自分の部屋からモンブラン見えてました。

    自分がモンブランの北西にいることが確認できました。

    おすすめ

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    ハイジが山を探すのは、第22話「遠いアルム」です。

    http://tanaka-arari.com/2017/02/15/mtfuji/

  • 嗅覚と触覚で楽しむ。スイス・ジュネーブの植物園の「香りと感触の庭」

    嗅覚と触覚で楽しむ。スイス・ジュネーブの植物園の「香りと感触の庭」

    今回の庭ノートは、スイスのジュネーブからです。ジュネーブの植物園(Les conservatoire et jardin botaniques de la Ville de Genève)の中にある、「香りと感触の庭(Le jardin des senteurs et du toucher)」についてです。

    ジュネーブはスイスの西部、レマン湖の南西岸にある都市で、フランス語圏に属し、国連ヨーロッパ本部、国際赤十字など、さまざまな国際機関が置かれている街です。

    スイスの国旗の写真

    ジュネーブの植物園は、国連ヨーロッパ本部の隣にあります。とても学術的な植物園で、植物好きにはたまらない空間です。テーマ別にいくつかのエリアに分かれていて、レトロなメリーゴーラウンドがあったり、小動物がいたりして、遊んだりくつろいだりできる庭にもなっています。

    ジュネーブの植物園のマップの写真
    ジュネーブの植物園のマップ
    ジュネーブの植物園のメリーゴーラウンドの写真
    ジュネーブの植物園のメリーゴーラウンド

    植物園の北東の端に「香りと感触の庭(Le jardin des senteurs et du toucher)」があります。嗅覚と触覚で楽しむ庭です。もっと適切な日本語訳があるかもしれませんが、日本語での通称が見つからなかったので、とりあえず私は「香りと感触の庭」と呼んでいます。

    「香りと感触の庭(Le jardin des senteurs et du toucher)」は、下の写真の道をまっすぐ歩いていった突き当たり右手です。

    ジュネーブの植物園の香りと感触の庭への道の写真
    ジュネーブの植物園の香りと感触の庭への道

    とても静かでおだやかな庭です。

    ジュネーブの植物園の香りと感触の庭の写真
    ジュネーブの植物園の香りと感触の庭
    ジュネーブの植物園の香りと感触の庭の写真
    ジュネーブの植物園の香りと感触の庭

    ここでは、植物の香りを嗅いだり、触って感触を確かめたりすることができ、視覚障害者、体の不自由な方、子どもたちも、楽しんだり学んだりすることができます。

    視覚障害者が庭の全体像を把握するための触図や、点字の説明もあります。

    ジュネーブの植物園の香りと感触の庭の触図の写真
    ジュネーブの植物園の香りと感触の庭の触図
    ジュネーブの植物園の香りと感触の庭の点字の説明の写真
    ジュネーブの植物園の香りと感触の庭の点字の説明

    花壇は石とコンクリートで作られていて、地面よりも数十センチ高くなっています。花壇のへりに奥行きがあるので、ここに腰掛けて植物に触れたり香りを嗅いだりすることができます。

    ジュネーブの植物園の香りと感触の庭の写真
    ジュネーブの植物園の香りと感触の庭

    4月上旬のこの時期にあった植物の中で、一番感触がよかたのは、ラムズイヤー(Stachys byzantina)です。ラムズイヤーは英語で「子羊の耳」という意味です。その名の通り、ふわふわでなめらかで、私の個人的な感覚になりますが、ウール特有のヌメリ感まであります。

    ジュネーブの植物園のラムズイヤー(Stachys byzantina)の写真
    ジュネーブの植物園のラムズイヤー(Stachys byzantina)

    そして4月上旬のこの時期、一番存在感があったのは、ヤマブキ(Kerria japonica)です。そんなに香りは強くないのですが、ほのかにバラの香りといいますか、バラ科を思わせる香りがします。

    ジュネーブの植物園のヤマブキ(Kerria japonica)の写真
    ジュネーブの植物園のヤマブキ(Kerria japonica)

    日本原産の花が美しく咲いていてうれしく思いました。私の庭にあるヤマブキは八重ではなく一重で、花が咲くのはもう少し遅い時期です。「花はヨーロッパに行くとみんな八重になって縮れて帰ってくる」と知人が言っていたのを思い出しました。

    目で楽しむだけという庭が多い中で、香りを嗅いだり、触って感触を楽しんだりできる庭は、だれにとってもうれしいものだと思います。

    五感をフル活用する庭づくりを目指す私にとって、とても勉強になる庭でした。

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  • 逆に意味が深すぎる!?スイス・ジュネーブの植物園、禅の庭の「知足の蹲踞」のありえない置き方

    逆に意味が深すぎる!?スイス・ジュネーブの植物園、禅の庭の「知足の蹲踞」のありえない置き方

    今回の庭ノートは、スイスのジュネーブからです。ジュネーブの植物園(Les conservatoire et jardin botaniques de la Ville de Genève)の中にある禅の庭(Le Jardin Zen)で、ありえない置き方をされていた「知足の蹲踞(つくばい)」についてです。

    ジュネーブはスイスの西部、レマン湖の南西岸にある都市で、フランス語圏に属し、国連ヨーロッパ本部、国際赤十字など、さまざまな国際機関が置かれている街です。

    スイスの国旗の写真

    ジュネーブの植物園は、国連ヨーロッパ本部の隣にあります。とても学術的な植物園で、植物好きにはたまらない空間です。テーマ別にいくつかのエリアに分かれていて、すばらしい温室もあります。

    ジュネーブの植物園のマップの写真
    ジュネーブの植物園のマップ
    ジュネーブの植物園の温室の写真
    ジュネーブの植物園の温室

    植物園の一角に、禅の庭(Le  Jardin Zen)があります。詳細はわからないので間違った情報だったら申し訳ないのですが、2015年5月13日~10月18日に行われた「Plantes & Spiritualités」展で作られた庭が、そのまま維持されているようです。

    禅の庭の入り口の看板の写真
    禅の庭の入り口の看板

    「瞑想の場所」ということですが、私にとっては「迷走の場所」でした。

    赤い鳥居をくぐると枯山水があり、その向こうに五重塔のような東屋があります。池や石灯籠、ちょっとした竹藪もあります。

    ジュネーブの植物園の鳥居
    ジュネーブの植物園の鳥居
    ジュネーブの植物園の石庭の写真
    ジュネーブの植物園の石庭
    ジュネーブの植物園の池と石灯籠の写真
    ジュネーブの植物園の池と石灯籠

    水、石、灯籠、砂利、生垣、竹といった日本庭園の要素がとにかくに詰め込まれている感じで、私にとっては組み合わせが斬新すぎて落ち着かない空間でした。何か事情や経緯があってこのような形になったのかもしれませんし、とてもきれいに作られた庭なのですが、違和感満載でした。

    極めつけはこの蹲踞です!マンホールの蓋の上に無造作に置いてあって、しかも砂利が入っています!これは、石庭で有名な京都・龍安寺の茶室「蔵六庵」の露地にある「知足の蹲踞」ですよね!?

    ジュネーブの植物園の「知足の蹲踞」の写真
    ジュネーブの植物園の「知足の蹲踞」

    この写真を妹に送ったところ、偶然にも、ちょうど同じ時に妹が京都の龍安寺に行っていて、本物の「知足の蹲踞」の写真を送り返してくれました。

    こちらが正解の写真です。

    京都の龍安寺の「知足の蹲踞」の写真
    京都の龍安寺の「知足の蹲踞」

    蹲踞は茶室に入る前に手や口を清めるための手水鉢のことです。

    この蹲踞は一見「五・隹・疋・矢」の文字に読めますが、水をためておくための中央の四角い穴を漢字部首の「口」と見ると、「吾唯足知」(ワレタダタルヲシル)と読めます。「知足のものは貧しといえども富めり、不知足のものは富めりといえども貧し」という禅の格言を謎解き風に図案化したものだそうです。

    龍安寺の石庭の15個の石は、一度にすべての石を見ることができない配置になっているということで有名です。庭のどの位置から眺めても、15個の石のうち1個は他の石に隠れて見ることができません。15という数は十五夜=満月=完全を意味するとされています。物事は完成した時点から崩壊が始まるという思想のもと、わざと不完全な配置にしたといわれています。

    「知足の蹲踞」は、石庭の石を一度に14個しか見ることがきないことを、不満に思わず満足する心を持ちなさいという戒めの意味が込められているともいわれています。

    まさか、このジュネーブの植物園の「知足の蹲踞」、実はすごい深い意味があって、「マンホールの蓋の上に無造作に置かれ、水ではなく砂利を入れられたとしても、自分はすでに満ち足りた存在です。足りない部分にばかり目が行くと、それが苦しみの根源になるのです。あなたも足るを知りなさい。これでいいと思えれば、その時点で迷いや苦しみから解放されるのです。」という戒めのために、あえてこのような置き方がされているのでしょうか!?

    蹲踞の写真を見て最初は爆笑していた妹と、ひとしきり議論になりました。

    「でもこれ、実は足るを知る例なんじゃない!?」

    「だったら逆に深すぎる」

    「こんなでも満たされているということを身をもって教えてくれているのだとしたら」

    「笑えなくなってきた。でも置き方間違いだから」

    「1周回ったね」

    「でも『私、本当はこんなんじゃない!』って言わない的な教えだったら」

    「切なすぎるね」

    「龍安寺の人がこれ見たら、これで足りてるんですって言うのかな」

    「違うことも含めてあっているって言いそうだよ」

    「禅おそるべし」

    「禅ZEN。やっぱ置き方おかしいから」

    「2周したね」

    というような感じで、「いや、待てよ?」が半端なく、5周くらいしました。

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