投稿者「田中安良里」のアーカイブ

琉球音階のウインドチャイムを作成!沖縄の竹富の風に演奏してもらいました!

私は楽器が好きです。中でも特に好きな楽器は、我が静岡県が全国シェア100%を誇るピアノです。それから、空気の流れ(=風)が関係している楽器です。例えば、パイプオルガンのような風を送り込んで鳴らす楽器、尺八やオーボエのような人間の息を使って鳴らす楽器、2万5000年以上の歴史を持つと言われる”うなり木”、そして、エオリアンハープやウインドチャイムのような風が勝手に演奏してくれる楽器です。

いずれ、名だたる日本の風に演奏してもらいたいと思い、理想の音質と音階を持ったウインドチャイムを自分で作ることにしました!

金属棒をある特定の音が出る長さに切ります。長ければ低い音、短ければ高い音になります。その金属棒を、和音になるように複数本ピックアップして、直径7センチ、厚さ1センチほどの丸い木板に円状に紐で吊るします。また、3センチ四方の正方形の金属板を真ん中に吊るし、さらにその下に、風を受けるための六角形の木板を吊るします。この六角形の木板が風を受けると、正方形の金属板が揺れて、それをとり囲む長短の金属棒に当たって音が鳴ります。

あまりに澄んで響きすぎる音だと、音としては美しいかもしれませんが、耳と脳が疲れてしまいます。自然の中で微かになっているような音を目指しました。また、音が合っていないと気持ちが悪いので442Hzで調律をしましたが、ゆらぎがほしかったのであまり完璧に合わせすぎないようにしました。

父に金属の加工を教わり、素材や太さ、吊るす距離など、試行錯誤の末、理想の音が鳴るウインドチャイムが完成しました!

ドアに吊るしたウインドチャイムの写真

ドアチャイムにもなります。

さまざまな音の組み合わせが可能ですが、まずは琉球音階のウインドチャイムを作りました。琉球音階は、沖縄県及びその周辺地域に伝わる、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドからレとラを除いた、ド・ミ・ファ・ソ・シ・ドの5音で構成される音階です。

富士宮の風もなかなかいい演奏をしてくれて、偶然にも聴いたことがあるような沖縄音楽の旋律になったりします。しかし、せっかくの琉球音階、琉球の風に演奏してもらいたい!と思い、出来上がったウインドチャイムを持って、沖縄の竹富島に行ってきました!

竹富島の石垣と赤い屋根の写真

竹富の風(竹富の人たちは“たきどぅんのかじ”と言うそうです)によるウインドチャイムの演奏は素晴らしかったです。

演奏の動画を撮ってきました。微かな響きですが、自然に調和したやさしい音色です。この動画にはおまけがついていて、日本では沖縄でしか見ることができないシロオビアゲハという蝶も写っています。また、右から左へと青空に飛行機雲が流れます。

沖縄の竹富島の木に吊るしたウインドチャイムの写真

それでは、聴いてください!竹富の風(たきどぅんのかじ)の演奏で、琉球音階による即興曲。

 

沖縄の竹富の風によるウインドチャイム琉球音階の演奏(movファイル)

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こんなところにですか!?シジュウカラが植木鉢に巣を作る

2015年の春、庭に置いてあった使用していない植木鉢に、シジュウカラが巣を作りました。シジュウカラは体長15㎝くらいのスズメ目の鳥です。

庭の隅にスチールのオープンラックを置いて、使用していない植木鉢を保管しています。そこに、底に丸い穴が開いた直径約20センチ、高さ約20センチの黒い植木鉢を、伏せて2つ重ねてあるのですが、3月中旬頃のある日、鉢の丸い穴を出入りするシジュウカラを発見しました。

3月下旬くらいになると、苔のようなものを口にくわえて鉢の中へせっせと運び込むシジュウカラを目撃するようになりました。この鉢が気に入って、巣を作り始めたようです。最初は苔を運んでいましたが、そのうちに白っぽい毛のようなものを運ぶようになりました。運んでいるのはいつも一羽で、すぐ近くの桜の木にとまって、まわりをきょろきょろ見ながららさえずっているシジュウカラがもう一羽いました。

苔を運ぶシジュウカラの写真

地上からわずか80cmほどの高さで、こんなに接近できる所に巣を作るなんて、すぐ近くで様子を見ることができてワクワクでした!

4月上旬になると、シジュウカラの出入りを見かけなくなり、シーンと静まり返った状態が続きました。ずっと張り付いて見ていたわけではないので、巣作りが完成したのか、中で何が起こっているのか、全く分からない状態でしたが、きっと卵を産んで抱えていたのだと思います。

しかし、4月中旬になると、鉢の中からピィピィとかすかな声が聞こえてくるようになりました。卵が無事かえったようです。

4月下旬になると、頻繁に青虫を運ぶシジュウカラを目撃するようになりました。中にはきっとすごくかわいいヒナがいるのだと。青虫を加えて穴から伏せた植木鉢の中に入り、ヒナにエサを与えたあと、また穴から出て飛び立っていきます。ピィピィというヒナの声や、近くの桜の木でさえずるもう一羽のシジュウカラの声も聞こえます。

ヒナにエサを与えて鉢の穴から頭を出すシジュウカラの写真

ヒナにエサを運ぶシジュウカラの動画(movファイル)

 

巣立ちの瞬間は目撃できませんでしたが、5月の中旬ころ、鉢の中から鳴き声が聞こえなくなり、気配が全くなくなったので、おそるおそる鉢を持ち上げてみると、驚きの内容物でした。

巣立った後のシジュウカラの巣の写真

中はふかふかというより、かなり密度の高い固めの苔のクッションになっていて、伏せてあった鉢を持ち上げても型崩れすることはありません。苔もお椀型のような敷き詰め方ではなく、底面積いっぱいに苔が敷き詰められていて、高さが15㎝くらいで、見事な円柱の台になっていました。この上にヒナが乗っていたようです。

今後、庭のどこかで出会うシジュウカラがこの巣の出身者かもしれません。

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アカデミック臭漂う空中庭園!国立科学博物館屋上のハーブガーデン

東京上野の国立科学博物館の屋上にはハーブガーデンがあります。

余計な演出がなく、シンプルで美しい空中庭園です。ここには、薬用、食用、染料・香味料用など、約150種類のハーブが植えられていて、所々にベンチが置かれ、座って休憩することができます。飲食も可能です。下のフロアーのアカデミック臭も相まって、絶妙な香りがするハーブガーデンです。

国立科学博物館 レストラン・休憩所

8月に訪れたときには、みなさん展示物を見るのに忙しいのか、強い日差しのせいなのか、誰もいなくて貸し切り状態でした。

国立科学博物館屋上のハーブガーデンの写真

誰もいなかったので、これはチャンスと思い、植えてあるすべてのハーブの香りを片っ端から嗅いでみました。真夏だったので少しバテ気味のハーブもありましたが、屋上という過酷な環境で育っているとは思えないほどみんな生き生きしていました。

そして、約150種類中、私の中でナンバーワンに輝いた香りは「パイナップルセージ」でした。

国立科学博物館ハーブガーデンのパイナップルセージの写真

名前の通り、なにこれ!?というくらいパイナップルの香りがします。夏だったので、トロピカルな香りに惹かれたのかもしれません。また、パイナップルセージが暑い土地出身なので、涼しい土地出身のハーブよりもこの時期元気だったのかもしれません。違う季節に来ていたら別のハーブを選んでいたかもしれませんが、とにかくその時はパイナップルセージがダントツで一位でした。

これを嗅げばいつでもトロピカルワールドに飛んでいけるので、自分の庭にも植えることにしました。

パイナップルセージは、メキシコ原産のシソ科の植物です。宿根サルビアの仲間で、サルビア・エレガンスとも呼ばれています。葉っぱを軽くこするとパイナップルのようなさわやかな甘酸っぱい香りがします。葉っぱはお茶やポプリなどにして楽しめます。

10月から12月ころにかけて、広がった枝の先に、目も覚めるような緋色の細長い花が咲きます。草丈は1mから1.5m、地下茎を伸ばしてそこから芽を出して、一株で60cmくらいの範囲に茂ります。よく茂るので、地植えの場合はある程度のスペースが必要ですが、生育旺盛で病害虫も少なく育てやすいです。凍結や霜には注意が必要ですが、耐寒性もあり、通常は0℃以上あれば冬越しできます。

メヒシバやエノコログサなどが生い茂ってしまい、園芸品種を植えてもなかなかうまく育たなかった場所に植えたところ、パイナップルセージがこんもり成長して地面をおおってくれました。草丈も1mくらいあるので、ほどよい高さで、目隠しとしても使えます。

花は信じられないような赤で、花の少ない晩秋から初冬にかけてよく咲きます。

庭のパイナップルセージの花の写真

収穫したワラで正月飾りを作る!庭でバケツ稲づくり

一斗缶を使って庭で稲を育てています。

縦24㎝×横24㎝の一斗缶の中に、水とよく混ぜて泥になった土を入れ、稲の苗を植えます。それを4つ並べて田の字にして、文字通り「田」にしています。

5月の田植え後の一斗缶稲の写真

24 ㎝×24㎝×4個=2304㎠=0.2304㎡=0.069696坪=0.00023232反、ということになるでしょうか。一反(300坪)の水田でとれる米の量が一石で、一石は大人一人が一年に食べる米の量に相当するということです。100万石への道は遠いです。

田んぼを一反持っていて、自分が食べる米を自分で作ることができたらすばらしいなと思いますが、食べる米を作るのはプロに任せて、とりあえず私は、この0.00023232反で、稲の成長サイクルを見守りながら一年を過ごしています。

一斗缶は約18リットル、縦24㎝、横24㎝、高さ35㎝です。稲を植えるには、土は20cmほどの深さが必要です。その上に5㎝くらい水をはるので、枠の高さが25㎝ある入れ物なら育てられます。一斗缶をそのまま使ってもいいのですが、土や水を入れると結構重くなるので、上を10cmほど切って高さ25センチにしました。中ぼしなどで水をこぼす必要がある時も、缶を傾ければ簡単に水をこぼすことができます。

稲は、JAグループが配布しているバケツ稲づくりのセットを使っています。毎年3月下旬くらいになると、JAグループがバケツ稲づくりのセットを配布します。必要事項を記載した紙に返信用切手を同封して郵送すると、種もみと肥料が入ったセットを送ってくれます。

JAのバケツ稲づくりセットの写真

バケツ稲づくりセットの申し込み方法や、育て方などは、JAグループのホームページで確認できます。

JAグループ―身近な食や農を学ぶ―お米作りに挑戦(やってみよう!バケツ稲づくり)

JAではポリバケツで育てる方法を案内していますが、『パーマカルチャー菜園入門』という本の136ページに、木枠に防水シートを敷いたり、セメントなどをこねる建築用のトロ船を利用する一坪田んぼの作り方が載っています。この本は、永続的で循環可能な、自然のしくみをいかす家庭菜園について紹介している本で、どれもこれも実践してみたくなるようなアイディアばかりです。また、ヨシダケイコさんのイラストが本の内容にピッタリで、読んでいるだけでも楽しい本です。

設楽清和 監修(2010)『パーマカルチャー菜園入門』家の光協会.

5月に植えた苗は、7月になると気持ちがいいくらい成長します。風が吹くとざわざわと揺れて、緑が鮮やかです。

7月の一斗缶稲の写真

夏場に水をためておくと気になるのが蚊のことですが、ボウフラはわいていません。ボウフラにとってよい生育環境ではないのか、金属の作用のせいなのか、よくわかりませんが、何らかの理由により蚊の発生を防げているようです。

秋にはちゃんと米が実ります。ちっちゃくても、日本の秋っていう感じです。

稲穂と秋の空の写真

収穫したワラを使って、正月飾りを作りました。

正月飾りの写真

正月飾り(紙垂あり)の写真

一斗缶一個から収穫したワラで、このしめ縄が一つ作れました。直径20㎝くらいの小さなお飾りです。ワラは、ぬらして木槌でたたいてやわらかくします。ワラ約20本の束を3束作り、縄をなって、しめ縄を作ります。その両端を合わせて留めてリース状にし、松、竹、南天、万両、金柑など、庭にあった縁起のいい植物をとって飾りました。

ワラの扱いについては、こちらの本を参考にしました。

宮崎清 編・水上みのり 絵(2006)『わら加工の絵本』農文協.

最近店頭で販売されている正月飾りはメイド・イン・ジャパンではない物が多いので、素人仕事ですが、自前のワラと、庭にある植物で作ることができて大満足でした!

収穫した稲穂のほうは、正月料理の飾りにしました。

黄金の俵と爆ぜさせた稲穂の写真

えびのすり身などが入った具を薄切り食パンで包み、米俵の形にして蒸したあと、黄金色に揚げます。黒い盆に、この黄金の俵を5つ積み上げて、バケツ稲で作った稲穂を爆ぜさせたものを飾りました。

収穫後の田んぼは、レンゲ畑にする予定です。