今回の庭ノートは、フランスのイヴォワールにある「五感の庭」に行ったお話です。
イヴォワール(YVOIRE)はレマン湖畔にあるフランスの村で、フランスの最も美し村(Les Plus Beaux Villages de France)の一つです。
木のバルコニーを持つ石造りの家々が並び、バルコニーには色鮮やかな花が咲き誇ります。お店にはデザイン性の高いすてきな看板がぶるさがり、歩いているだけで楽しい村です。
私の目的地は、イヴォワール城のとなりにある「五感の庭」です。
中世の四角い主塔を持つイヴォワール城は、17世紀以来イヴォワール男爵の居城で、内部は見学できません。
しかし、となりにある「五感の庭(Le Jardin des Cinq Sens)」は一般公開されて います。
庭の名前の通り、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感で体験できるつくりになっています。
庭のコンセプトや美しい写真は、五感の庭(Le Jardin des Cinq Sens)のホームページに載っていて、庭の360°パノラマビューもありますので、ここでは私が「おおっ!」と思ったこと、自分の庭に応用したいと思ったことについてお話します。
まず、庭の広さが絶妙です。決して狭くはないのですが、広すぎもせず、1時間あれば十分見て回れます。しかし、五感を使って一つ一つの植物と丁寧に向き合っていたら、1日中いられます。庭は広ければいいというものではないことを改めて実感しました。
庭は10区画に仕切られていて、それぞれの区画は、シデの生垣とリンゴの棚で囲われています。
「囲う」のは庭の鉄則です。そもそもガーデンとはGar(=囲む)Eden(=エデン・楽園)です。徹底的に囲って外界をシャットアウトし、非日常空間を演出する手法はディズニーランドでも用いられています。
迷路のようで、向こう側に何があるのかワクワクします。
それに、リンゴの実が木になっている姿は、ミカンが特産の温暖な静岡県出身の私にとって非常に珍しい光景で、これだけでテンションが上がります。「リンゴって木になっているんですか!?」状態です。
次に、庭の10区画を順番にみていきたいと思います。