この花びらの質感、すごすぎませんか!?
ロウバイの花は直径2センチほどの半透明の淡い黄色で、とてつもない透け感なのに、ツルっとして少し硬そうな質感で、本当に蝋細工なのではないか!?と思うほどです。
花が蝋細工に似ているというのが、ロウバイ(蝋梅)という名前の由来の一つだそうです。
この蕾を摘み取って敷居に塗ったら、襖の滑りが良くなって、スコーンと開くのではないか!?というくらいの蝋っぽさです。
しかし、見た目に反して、花びらはとても柔らかいです。
ロウバイの開花は1月頃ですが、毎年、視覚ではなく嗅覚で開花に気づきます。
香りが漂う空間が広く、香りの元を探って追いかけていくとロウバイの木にたどり着くという感じです。
開花時期が寒い季節のため、冷たくて清潔な空気の中を甘い香りが漂い、甘いのに清涼感があるという不思議な感じになります。
しかし不思議なことに、切り花にして室内に生けるとそれほど香りは強くありません。
頂部の長く伸びた枝には花芽はほとんどつきません。
剪定を怠るとすぐにこのような状態になります。
5月頃、長さ3~4センチくらいの実(偽果)がなります。
基本情報
名称 | ロウバイ(蝋梅) |
学名 | Chimonanthus praecox |
科目 | クスノキ目ロウバイ科 |
原産地 | 中国中部。江戸時代に渡来。 |
形態 | 落葉低木 |
草丈・樹高 | 2~4メートル |
花期 | 12月~2月 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
管理 | 11月下旬~12月頃 花芽のない長い枝を切り詰める。 2~3本の枝幹を残し、地ぎわのひこばえを切る。 3月頃(花後) 花が咲き枝が長くなったものは5~6年くらいで強く切り詰める。 |
参考文献
中川重年/著(1991)『フィールド・ガイドシリーズ7 日本の樹木 上』小学館
船越亮二(1993)『失敗しない花木・庭木入門―代表150種の育て方・剪定のコツ』主婦の友社
土橋豊(2022)『人もペットも気をつけたい 園芸有毒植物図鑑』淡交社