投稿者「田中安良里」のアーカイブ

ガーデニングダイアリー 啓蟄にやることリスト

啓蟄は新暦で3月6日頃から3月20日頃までです。

地中で冬ごもりをしていた生き物たちが地上へ這い出してきます。

クリスマスに咲かないクリスマスローズを観賞する

本当のクリスマスローズ(ニゲル)は12月末に開花しますが、日本では春に開花するオリエンタリスを元とした園芸品種が広く普及していてクリスマスローズと呼ばれています。

私の庭のクリスマスローズは啓蟄の頃から咲き始めます。

花に見える部分は正確にはガクです。

さまざまな色や形が楽しめます。

クリスマスローズの写真

クリスマスローズ

クリスマスローズ

クリスマスローズ

クリスマスローズ

バケツ稲づくりセットを申し込む

3月中旬になると、JAグループが「バケツ稲づくりセット(種もみ・肥料・栽培マニュアル・お名前シール)」を配布し始めるので、ホームページから申し込みます。

JAグループ―身近な食や農を学ぶ―お米作りに挑戦(やってみよう!バケツ稲づくり)

バケツ稲づくりセットの写真

稲穂と秋の空の写真

育てた稲は秋に収穫し、ワラで正月飾りを作ります。

収穫したワラで正月飾りを作る!庭でバケツ稲づくり(2017年1月5日投稿)

活発になったメダカの点呼

啓蟄は、地中で冬ごもりをしていた生き物たちが地上に這い出してくる頃ですが、メダカの動きも突然活発になります。

冬の間は姿が見えず、全滅してしまったかと思ったメダカが姿を現します。

メダカの写真

白いアセビの開花を確認する

我が家では、ピンクの花を咲かせるアセビと白い花を咲かせるアセビが隣り合わせに植えられています。

ピンクのアセビは雨水のころ開花し、白いアセビは少し遅れて啓蟄のころ開花します。

アセビ 白の写真

この時期、紅白のアセビが咲きそろいます。

アセビ 紅白の写真

ヒイラギナンテンの花の香りを嗅ぐ

啓蟄の頃、ヒイラギナンテンの黄色い花が咲きます。

つやのあるとげとげの葉の存在感が大きいため、花はあまり目立ちませんが、とてもいい香りがします。

甘いですが清涼感があり、ジャスミンやマスカットのような、フルーティでさっぱりした香りです。

ヒイラギナンテンの花の写真

水栽培のヒアシンスの花を観賞する

12月末に室内で水栽培を始めたヒアシンスが、啓蟄のころ開花します。

ヒヤシンスの球根の写真

ヒヤシンスの花の写真

ラッパスイセンの花を観賞する

立春のころ咲いていたニホンズイセンは花が終了し、啓蟄の頃からラッパスイセンが咲き始めます。

ラッパスイセンの写真

モクレンの花を観賞する

この時期、モクレンが開花します。

モクレンの写真

花はぽってりと大ぶりで、花びらの外側が紅紫色、内側が淡紫色で、そのコントラストが清楚で美しいです。

モクレンの花

ガーデニングダイアリー 雨水にやることリスト

雨水は新暦で2月19日頃から3月5日頃までです。

雪から雨に変わり、草木が芽吹き始めます。

満開の白梅を観賞する

この時期、庭の白梅の花が満開になります。

ウメの花

東風に吹かれながら菅原道真のことを考えて鑑賞します。

京都の北野天満宮では2月25日に「梅花祭」が開催されます。

メジロを観察する

梅の花の蜜を吸いに来るメジロを観察します。

ありえないウグイス色の色合い、触りたくなるような質感、仲間とくっついているときのもふもふ具合を観察します。

梅の木にとまるメジロの後ろ姿の写真

梅の木に並んでとまるメジロ二羽の写真

かわいいメジロが目白押し!みかんでメジロとヒヨドリを呼ぶ

ツバキの花や実で遊ぶ

ツバキの開花は品種によって異なりますが、私の庭に植えられているツバキの開花は、2月下旬、雨水の頃が中心です。

ヤブツバキの写真

ツバキの花でおままごと用静岡おでんを作ったり、落ちているツバキの実で椿笛を作って遊びます。

おままごと用 椿の静岡おでんの具の写真

おままごと用 椿の静岡おでんの具

ヤブツバキで遊ぶ。おままごと用「椿の花の静岡おでん」と「椿笛」

フキノトウを見つけて食べる

庭でフキノトウを見つけると、「今年も春が来た」と、ほっとした気持ちになります。

フキノトウの写真

ほろ苦い春の風味が体を目覚めさせてくれますが、この苦み成分には、冬の間に滞った新陳代謝を活発化させる働きがあり、香りが食欲を増進させ、消化を助けてくれるそうです。

フキノトウ

ナバナを収穫して食べる

庭には「種捨て場」と呼んでいる2メートル×1メートルくらいのちょっとした場所があり、家庭菜園で余った、小松菜、水菜などのアブラナ科の野菜の種をばらまいています。

雑草が生い茂る場所で完全に放置なのですが、なぜかそこから出てくる野菜のほうが、家庭菜園で育てている野菜よりうまく成長し、この時期はつぼみを摘み取ってベーコンと一緒に炒めて食べます。

ナバナ

マンサクの開花を確認する

マンサクは春の訪れを告げる花の一つです。

早春に「まず咲く」が転じてマンサクとなったと言われています。

マンサクの葉は、秋にとてもきれいに紅葉しますが、枯れても春に花が咲くまで落ちずに枝についています。

マンサク

ピンクのアセビの開花を確認する

我が家では、ピンクの花を咲かせるアセビと白の花を咲かせるアセビが隣り合わせに植えられています。

まずはピンクのアセビが開花します。

アセビ

白いアセビが咲くのはもう少し後です。

春一番に吹かれる

春一番は立春から春分の間にその年に初めて吹く南寄りの強い風で、雨水の頃吹きます。春一番が吹いた日は気温が上昇しますが、そのまま暖かくなっていくわけではなく、翌日は寒さが戻るので、その寒暖差を楽しみます。

風見鶏の写真

精悍な北風とチャラい南風。春一番と寒の戻りの風

東海地方では春一番なのに、ヨーロッパでは大寒波

2018年は、2月28日に、私の庭がある東海地方に春一番が吹いたそうです。

春一番は立春から春分の間にその年に初めて吹く南寄りの強い風です。

数ある春到来のサインの中でも、春一番ほど「春が来た!」と思うものはなく、毎年この南風を心待ちにしています。

精悍な北風とチャラい南風。春一番と寒の戻りの風

しかし、今スイスにいるため、今年は残念ながら春一番に吹かれることはできませんでした。

それどころか、東海地方で春一番が吹いたまさに同じ日に、ヨーロッパはこの冬一番の大寒波に見舞われたのです。

気温がマイナス10℃近くまで下がり、頭や顔を守るものが必要な寒さで、静岡出身の私にとっては非日常世界でした。

レマン湖の畔も凍りつきました。

やっと少し気温が上がったと思ったら、今度は雪が降り積もり、交通機関に乱れが出ました。

レマン湖の凍った岸の写真

レマン湖の凍った岸

レマン湖の凍った桟橋の写真

レマン湖の凍った桟橋

ジュネーブの雪の写真

ジュネーブの雪

おいしそうに積もったジュネーブの雪の写真

おいしそうに積もったジュネーブの雪

『アナと雪の女王』ごっこをする余裕もありませんでした。「少しも寒くないわ」なんて絶対に言えないです。

ディズニー映画『アナと雪の女王』

原題は『FROZEN』

ガーデニングダイアリー 立春にやることリスト

立春は新暦で2月4日頃から2月18日頃までです。

春の気配が感じられ、旧暦ではお正月です。

金柑を収穫し、甘煮を作る

中国では、旧正月(春節)に、新しい年の吉祥を祈願する縁起物が飾られるそうですが、その中でもポピュラーなものが、富をもたらすと言われる金柑の鉢植え、良い香りが幸せを運ぶと言われる水栽培の水仙、だそうです。

黄色でハッピーになる!旧正月と立春を金柑と水仙で祝う

金柑は、中国のように鉢植えを飾るのではなく、実を収穫して甘煮にして食べています。

金柑の木の写真

金柑の実の写真

鍋の中の金柑の甘煮の写真

スイセンの香りを嗅ぐ

和水仙の香りは、甘いのに甘ったるすぎず、清涼感があるのに涼しすぎず、絶妙なバランスの香りです。

水仙の花の写真

庭で栽培しているとそれほどには感じませんが、室内で水栽培すると、その香りのよさに驚き、嗅ぐと幸せな気持ちになります。

水仙の水栽培の写真

白梅の開花を見る

私の庭では、立春のころ白梅が開花します。

庭の梅の花が咲くと、春の訪れを実感してほっとします。

福寿草を見つける

フクジュソウは春を告げる花の代表です。

お正月の花として新暦の年末に売られていますが、静岡にある私の庭で自然に育てた場合、立春を過ぎなければ花は咲きません。

フクジュソウの写真

フクジュソウ

スノードロップの花を見つける

スノードロップは、ヨーロッパでは春を告げる花として、古くから親しまれています。

オランダの知人にもらった球根を大切に植えっぱなしにしています。

花は白で、3枚ずつの長い外花被と短い内花被を持つ六弁花です。

おしゃれなランプシェードのように見えます。

スノードロップの写真

スノードロップ

ちなみに、名前や佇まいが似ていてスノードロップとよく混同される植物に、スノーフレークがあります。

スノーフレークは、春に白いスズランのような花を咲かせます。

私の庭では、スノードロップは2月に咲きますが、スノーフレークは4月に咲き、花期が全く違います。

私が小さいころから庭にある植物ですが、祖母が「スズランスイセン」と呼んでいたため、実は最近まで、この花が「スノーフレーク」という名前とは知りませんでした。

スノーフレークの写真

スノーフレーク

もぐらの穴の観察

この時期、庭のあちらこちらにモグラの穴が開きます。

植えてあったものを破壊したり、敷いてあったレンガをひっくり返したり、「よりによってここ!?」と思うことが多々ありますが、よーく見ると土がもふもふで、耕運機よりいい仕事してます。

もぐらの穴の写真

ウインターブルーを解消!冬芽の観察

冬芽とは

落葉樹は秋に葉を落とし、休眠状態で冬を過ごしますが、春にふたたび芽吹いて活動を開始するために準備されたものが冬芽です。

色も形もさまざまで、特に葉が落ちたあとの葉痕は顔のように見えることもあり、ファンが多いようです。

観察にはルーペを使った方がよいですが、肉眼でも結構楽しめます。

冬芽探しは、屋外をうろうろしている間に日光を浴びることができ、発見すれば春が着実に近づいていることを実感できウインターブルーになる人には特におすすめです!

私の庭の冬芽ベスト4を紹介します。

サンショウの冬芽

サンショウの冬芽の写真

サンショウの冬芽

私の庭で一番おもしろい冬芽です。コブみたいなのが側芽、白いハート型の部分が葉痕です。この写真だとよく見えないかもしれませんが、葉痕が顔のように見え、最高にかわいいです!葉痕の両側にトゲがあり、手を広げているみたいで、私は「太陽の塔」と呼んでいます。

ヤマボウシの冬芽

ヤマボウシの冬芽の写真

ヤマボウシの冬芽

私の庭で一番かわいい冬芽です。ぷっくりと膨らんだ感じや、先端が尖がっている感じがとてもいいです。

ニシキギの冬芽

ニシキギの冬芽の写真

ニシキギの冬芽

私の庭で一番かっこいい冬芽です。ニシキギは、冬芽を観察するというよりも、ユニークな枝をまるごと観察します。板状の翼が節ごとに十字対生につく、すごすぎる枝です。初めてこの枝を見たときは、「ハナイカダ」を見たときと同じくらい興奮しました。

モクレンの冬芽

モクレンの冬芽の写真

モクレンの冬芽

私の庭で一番美しい冬芽です。芽は毛に覆われていてビロードのようです。モクレンの冬芽は薬(生薬)にもなり、蓄膿症や鼻づまりに効くそうです。

参考文献

広沢毅 著、林将之 写真(2010)『冬芽ハンドブック』文一総合出版

とにかく薄くて軽いです!新書サイズなのでフィールドに持っていけます。でも内容は充実していて、これ一冊で十分冬芽観察を楽しめます。200種類の冬芽が紹介されています。

鈴木庸夫、高橋冬、安延尚文 (2014)『樹皮と冬芽: 四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社

各樹木ごとに樹皮と冬芽がセットで載っている樹皮冬芽図鑑です。巻末に「樹皮を利用する文化」という章があり、ヒノキの樹皮で建物の屋根をふく技法、檜皮葺(ひわだぶき)の紹介などもあります。ちなみに富士山本宮浅間大社本殿の屋根も檜皮葺です。

星野義延 監修(2011)『紅葉・落ち葉・冬芽の大研究』PHP

図鑑ではなく、葉っぱのひみつをさぐるための観察ガイドです。冬芽だけでなく、紅葉・落ち葉についても載っています。子供向けの本なので、解説がとてもわかりやすいです。

来年の自分のために!ガーデニングダイアリーをつける

庭はタイミングが命

庭はとにかくタイミングが命で、植物を買うにも花を見るにも種をまくにも収穫するにも、その時期を逃すと一年待つしかありません。

例えば、私は春にスノードロップの花を見るのをよく忘れます。シイタケのほだ木の購入もよくタイミングを逃しますし、夏に蜩の鳴き声を心から満喫するのも忘れ、秋に「夏の私のバカ!」と思ったりします。

忘れる程度の願望だったのではないかとか、人はないものねだりをするものなので季節が変わって興味が失せたのではないかと言われればそれまでですが、庭でやることは多様すぎて、興味があってもなんか忘れちゃうんです。

ガーデニングダイアリー

そのようなわけで、記録するのが一番なので、2010年頃から簡単なガーデニングダイアリーをつけています。庭や植物のことを記入する専用のダイアリーです。来年の自分への申し送り事項みたいなものです。

日本は縦に長く、北と南、太平洋側と日本海側では気候も全く違います。たとえ同じ町内だったとしても、土地によって環境が異なるため、去年の自分が残した記録がどんな本よりも一番の参考になります。

ガーデニングダイアリーは、ノートにつけたりルーズリーフにつけたりと、いろいろ試しましたが、入力や検索が楽なので今ではOneNoteにつけています。

気づいたことがあれば毎日記録しますが、桜の花も一日だけ咲いているわけではなく、ある期間の中で咲くわけで、一定のくくりの中で記録をしていった方が、見返すときに使いやすいと思います。

一年を分けるとき、12ヶ月、月の上・中・下旬、52週、七十二候など、いろいろな分け方があると思いますが、どのように分割すると記録しやすいかは、庭の広さや、植えている植物、庭に関われる時間などによって異なると思います。私の場合、二週間をひとまとまりにするくらいがちょうどよいので、今は、二十四節気でざっくりメモすることにしています。

私が好きなガーデニングダイアリー

人のガーデニングダイアリーを見ると、自分が見落としていた作業やアクティビティに気づいて、こんな作業もある、あんな観察もある、と、とても参考になります。しかも、私も丁寧に生活しよう!と心を入れ替えたりします。

ここでは、私が好きなガーデニングダイアリーをご紹介します。

私の自然流栽培の師匠がつけていた日誌

私が以前研修をさせていただいていた、野菜の自然流栽培(無農薬、有機肥料栽培、アイガモ米)の師匠がつけていた日誌です。本当にすばらしい日誌でした。

野菜一品種につき、ルーズリーフ一枚を使い、B5サイズのバインダーに綴じてあるものでした。いつ種を買って、まいたか、いつ植え替えをし、いつ肥料をやり、いつ収穫をしたか、といった成長の記録や作業内容が細かく記録されていました。

プロのノートですので、「今年もルコウソウの種まくの忘れちゃったよ」とか言っている私とは全然レベルが違うのですが、つけ方を教わり、メモ魔の私は興奮してすぐにまねをしました。

ドイツ・BRUNNEN(ブルンネン)社のガーデン日めくりカレンダー

日めくりカレンダーですが、中身は、ドイツのひげのおじさんのガーデニングダイアリーです。ガーデニング作業や日々の生活の知恵について書かれています。

2010年に妹がプレゼントしてくれて存在を知りました。

ドイツ・BRUNNEN(ブルンネン)社のガーデン日めくりカレンダー
ドイツ・BRUNNEN(ブルンネン)社のガーデン日めくりカレンダー

私はドイツ語が全く読めないのですが、イラストを見ているだけでもほっこりします。どうしても気になるものは、インターネットの翻訳にかけて、なんとなく内容をつかむようにしています。

ドイツ・BRUNNEN(ブルンネン)社のガーデン日めくりカレンダー
ドイツ・BRUNNEN(ブルンネン)社のガーデン日めくりカレンダー

ベニシアの庭づくりノート

ベニシア・スタンリー・スミス(2015)『ベニシアの庭づくりノート』世界文化社

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ベニシアの庭づくりノート [ ベニシア・スタンリー・スミス ]
価格:1,760円(税込、送料無料) (2024/1/21時点)


ベニシアさんは、一週間単位でガーデニング作業をメモされているようです。見開き1ページで1週間。左側のページは、ガーデニング作業を忘れないよう書き留めたベニシアさんのメモ。右側のページはノートになっていて、自分の庭の記録が書き込めます。何回も何回も読み返してしまう、不思議なノートです。

くらしのこよみ

うつくしいくらしかた研究所「くらしのこよみ」

「二十四節気」と「七十二候」に沿って更新される、iPhone、iPad、アンドロイドで利用可能な暦アプリケーションです。とにかく写真が美しく、異世界へ連れていかれたような感覚になります。

https://tanaka-arari.com/postslist-garden/gardening-diary/

テーマのある庭、サラダバーガーデンを作る

今回の庭ノートは、サラダに使う野菜だけを植えた「サラダバーガーデン」についてです。

庭を小さな空間に分けて、それぞれにテーマを設定しています。

これは、私が尊敬するガーデナー、ベニシアさんや黒田健太郎さんが提案されている方法です。

ベニシアさんの庭は、楽しんで考えたテーマごとに小さなコーナーで構成されています。NHKの「猫のしっぽ カエルの手」の「Vol.60 テーマのある庭」で紹介されていました。スパニッシュガーデン、ワインガーデン、フォレストガーデン、コテージガーデン、ジャパニーズガーデンなど、聞いているだけでワクワクするような庭ばかりです。

ベニシア・スタンリー・スミス(2013)『ベニシアの庭づくり ハーブと暮らす12か月』世界文化社

また、黒田健太郎さんは、初めからよくばって庭全体を造ろうとしないで、自分が具体的にイメージできる「自分サイズ」の広さから庭づくりをスタートし、この「小さなシーンづくり」を少しずつ増やしていき、それをつないでいくという方法を提案されています。

黒田健太郎(2012)『健太郎のGarden Book』MUSASHI BOOKS

私も、土壌・日照時間などの条件、目的、手がかけられる時間などを考えて、庭を小さな空間に分けて、それぞれにテーマを持たせるようにしています。

小さな空間に分けてテーマを決めることで、どこに何を植えるか迷いが少なくなりますし、庭も使いやすくなります。また、手入れもしやすくなりますし、庭仕事で他人の助けも借りやすくなります。

サラダバーガーデン

今回は、サラダバーガーデンを紹介します。

庭の一角にサラダに使う野菜だけを植えているコーナーがあり、ここをサラダバーガーデンと呼んでいます。

設楽清和 監修(2010)『パーマカルチャー菜園入門』家の光協会. の55ページに、「スクエア菜園」というのが紹介されています。

これは、スペースを板や杭で仕切り、30センチ×30センチのスクエアを3×3列に並べた菜園です。1平方メートルのスペースがあっても、区分けされていないと同じ野菜を多量に植えてしまいがちです。9区画に区切ることで、心理的な傾向としてそれぞれ違う野菜を植えたくなり、多様性のある菜園ができあがる、ということです。

また、菜園で作業をする際、人の手が届くのは外側から40~45センチ程度ということで、一つの区画を30センチ×30センチにして、それを3×3列作ることによって、周囲から手が届く、管理のしやすい菜園になる、ということです。

料理によく使う野菜を植えるので、理想としては、ハーブと同じく、家の勝手口の近くに配置できるとよいようです。

私の場合は、スペースの関係で少し違う区画になりました。1区画が60センチ×40センチで、3区画×1列、2区画×1列、4区画×1列となっています。しかし、小さな通路があり、どの区画も無理なく手が届きます。

年や季節によって少し変わりますが、大抵、リーフレタス、サニーレタス、半結球レタス、サンチュ、赤カラシナ、ミズナ、コマツナ、サラダシュンギク、ミニトマトなどを植えています。

サラダバーガーデン(3区画×1列)

サラダバーガーデン(3区画×1列)

赤カラシナの写真

赤カラシナ

ルッコラの写真

ルッコラ

ミズナの写真

ミズナ

サラダシュンギクの写真

サラダシュンギク

ミニトマトの写真

ミニトマト

ここには、生で食べられるものだけを植えるようにしています。

それぞれの区画には、何の野菜かわかるように、写真付きのプランツネームプレートを立てています。

サラダバーガーデンのプレートの写真

サラダバーガーデンのプレート

サラダバーのように、自分が好きな野菜を、食べる都度、食べる量だけとっていきます。

サニーレタスなどは外側の葉から一枚ずつかきとっていき、赤カラシナなどは若芽を摘みとっていくようにしています。

参考文献

設楽清和 監修(2010)『パーマカルチャー菜園入門』家の光協会.

永続的で循環可能な、自然のしくみをいかす家庭菜園について紹介している本で、どれもこれも実践してみたくなるようなアイディアばかりです。ヨシダケイコさんのイラストが本の内容にピッタリで、読んでいるだけでも楽しい本です。

ベニシアさんに倣って!テーマのある庭、ブーケガルニの庭を作る

自分だけの秋の七草を!テーマのある庭、秋の七草の庭を作る

庭の柚子を収穫し、冬至に柚子湯に入る

2017年の冬至は12月22日でした。

冬至に柚子湯に入ると、一年中風邪をひかないと言われています。

柚子湯に入ると、次のような効果があるそうです。

  • 血行がよくなり、冷え性や疲れなどに効く。
  • 皮に含まれる精油成分がお湯に溶けだして皮膚の角質を覆い、しっとりすべすべの肌になる。
  • 柚子の皮に含まれるクエン酸やビタミンCにより、美白効果がある。
  • 香りでリラックスできる。

我が家でも、毎年、冬至の日には、柚子湯に入って体を温めます。

柚子湯には庭の柚子を使います。

庭の柚子の実の写真

庭の柚子の実

柚子は、料理に使え、お風呂に使え、アゲハチョウも訪れ、本当にありがたい木です。

庭の柚子の木の写真

庭の柚子の木

柚子湯は祖父母に教わった習慣だったので、小さいころから日本のシブい習慣として受けとめてきました。

柚子湯の写真

柚子湯

しかし、よく考えてみると、お風呂に果物浮かべて入るなんて、ものすごくおしゃれじゃないですか!?

もし外国にシトロンバスにつかる習慣を持つ国があったとして、その国の人が「私の国では、老若男女、毎日バスタブにつかる習慣があって、特に冬至の日にはお風呂にシトロンを浮かべるんですよ。」って言ったら、「なんておしゃれな国なんだ!」って思いますよね!?

どくだみ茶:夏至にドクダミを摘みとり、乾燥させ、半夏生にどくだみ茶を飲む

 

パリのシンプル シックなクリスマスツリー

今回の庭ノートはフランスのパリからです。

クリスマス前のパリには屋内外にたくさんのツリーが飾られていますが、「庭ノート」なので、屋外限定で私が素敵だなと思ったツリーを紹介します。

私は過剰な装飾が苦手なので、目に留まるツリーはどうしてもシンプルなものばかりになってしまいますが、パリのシンプル シックなツリーをお楽しみください!

ノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Paris)前のツリーはシルバーとブルーのボールだけ。

ノートルダム大聖堂とツリーの写真

ノートルダム大聖堂とツリー

サン=ジェルマン=デ=プレ教会(Église Saint Germain des Prés)前のツリーは赤と白のリボンだけ。

サン=ジェルマン=デ=プレ教会の写真

サン=ジェルマン=デ=プレ教会

サン=ジェルマン=デ=プレ教会のツリーの写真

サン=ジェルマン=デ=プレ教会のツリー

エッフェル塔(La tour Eiffel)前の歩道のツリーは、雪が積もっているだけ。

エッフェル塔とツリーの写真

エッフェル塔とツリー

そして極めつけは、シテ島( Île de la Cité)の花市で売られている何もついていないモミの木です!

シテ島の花市で売られているモミの木の写真

シテ島の花市で売られているモミの木

エアープランツ(ティランジア)で、T6(ティーシックス)を結成!

ティランジア(Tillandsia)パイナップル科(ブロメリア科)の植物で、エアープランツ(Airplants)とも呼ばれています。

熱帯アメリカに広く分布し、その多くが、木の枝や岩に付着して育つ着生植物です。風を好み、土を必要とせず、乾燥に非常に強く、葉の表面から空気中の水分を吸って育ちます

雨季と乾季がはっきりした地域に自生しているので耐性には優れていますが、本来は水が好きな植物だそうです。

しかし、土だけではなく水もいらないと誤解されがちで、枯らしてしまう人が続出すると言われていて、私も結構枯らしてしまっています。

スイスのジュネーブの植物園(Les conservatoire et jardin botaniques de la Ville de Genève)の温室にエアープランツがたくさん吊るさがっていたのですが、アジア人の私でさえむせかえるような湿度の中で生き生きと育っていて、水がいらないというのは大いなる誤解だと実感しました。

ジュネーブの植物園のエアープランツ

ジュネーブの植物園のエアープランツ

エアープランツには、週1~2回、霧吹きで水分を与え、乾ききってしまったときは、水を張った容器に株を逆さまにして1時間程度沈めて、その後よく水を切るようにします。

このところ、カフェ風インテリアテラリウムが人気で、エアープランツも注目されているようですが、私の記憶では、土がいらなくて机の上に直置きできる植物として1990年代にブームになった気がします。

エアープランツはとても軽量なのでハンギングに向いています。土が不要なので、ワイヤーで吊るしたり、壁にかけたり、ガラス容器に入れたり、自由に飾ることができます。

私は、直径6センチの小さなバケツを横に6個つる下げた雑貨にエアープランツを入れています。一つのバケツに一人ずつ、合計6人。ここに入る6人はその時の厳選メンバーで、いわば、V6六歌仙笑点の大喜利の回答者、おそ松くんみたいなものです!

ティランジア(Tillandsia)6人組ということでT6(ティーシックス)と呼んでいます。

T6(ティランジア6人組)の写真

T6(ティランジア6人組)

現在のメンバー紹介です。

マグヌシアーナの写真

マグヌシアーナ

ブッツィーの写真

ブッツィー

ブラキカウロス

ブラキカウロス

カプト メドゥーサエの写真

カプト メドゥーサエ

イオナンタ イオナンタの写真

イオナンタ イオナンタ

ブルボーサの写真

ブルボーサ

状況をみてメンバーの入れ替えがあります!

こちらのトレイの中にいる十数人は、T6の控えのみなさんです。

T6の控えのみなさん

T6の控えのみなさん

ところで、静岡県にある 熱川バナナワニ園 の温室は、日本一のエアープランツ(ティランジア)のコレクションを誇り、日本ブロメリア協会の事務局にもなっているそうです!私は静岡県民なのに行ったことがなく、詳細が語れなくてすみません!

参考文献

藤川史雄『エアプランツとその仲間たち ブロメリアハンドブック』(2013)双葉社

「ブロメリア図鑑」と「ブロメリアの育て方」の二章で構成されています。ほとんどの写真が花が咲いた状態の写真で、「葉っぱだけでもかわいいのに、うまくいけばこんなに美しい花が咲くなんて!」と、育てるモチベーションが一気に上がる本です。

照井江里子(監修)『テラリウム』(2016)日東書院

苔、エアプランツ、多肉植物を中心としたテラリウムが紹介されています。風を好むエアープランツは、吊るすタイプの容器と相性がよく、すぐにまねできる小さなハンギングテラリウムがいろいろ載っています。過剰なデコレーションがなく、シンプルでセンスのいいテラリウムばかりです。