防虫・防臭にはローズゼラニウム!生ごみ堆肥を作る(2)

コンポストボックスに生ごみを入れていて気をつけなければならないのは、ハエと悪臭です。生ごみを入れるのは冬だけと決めているので、ハエも悪臭もそれほど気になりませんが、それでも何かもうひと工夫してみたいと思いました。

対策として最初に試したことは、すぐ近くにホワイトガーデンを作ることでした。白い花を咲かせる植物だけを集めた花壇です。白い花は強い芳香を放つといわれています。昼間に活動する虫を誘引するには目立つ色の花を咲かせると効果的です。でも、夜に活動する虫を誘引するには、色がカラフルでも暗闇で意味がありません。そこで、闇に映える白と強い香りで勝負しているそうです。

コンポストボックスの近くにホワイトガーデンを作ったら天然の芳香剤になるかも!と思いましたが、私が生ごみを捨てたい冬に咲いてくれる白い花はほとんどありません。結局、そこは白い花を楽しむための花壇になりました。

ホワイトガーデンの写真

次にトライしたのは、ショウガ科の月桃という植物です。シェルジンジャーやサンニンとも呼ばれ、日本では沖縄に分布している植物です。生の葉を置くだけで防虫効果があり、生ゴミの近くに置くと子バエの発生も減るといわれていて、沖縄の庭によく植えられています。

こんなに有用で、しかも大好きな沖縄の植物!と思い、月桃の花が咲くところまで想像して植えました。しかし、さすがの静岡でも越冬は難しく、冬には地上部は枯れてしまいます。夏になるとまた復活してくれるのですが、私が生ごみを捨てたい冬に葉が調達できないので、コンポストボックスの防虫用としてはあきらめ、別な場所に植え替えました。

月桃の写真

結局、コンポストボックスの隣にはローズゼラニウムを植えています。

ゼラニウムはよくヨーロッパの街で窓際にプランターなどで植えられている植物です。ヨーロッパでは厄除けのために、窓辺に赤いゼラニウムを飾る習慣が古くからあるそうです。また、茎や葉や花から出る香りが虫の忌避する匂いだと考えられていて、開け放たれた窓の外に飾ると、虫が入ってこないと思われています。

ゼラニウムに虫よけ効果があると言われていることは知っていましたが、コンポストボックスの隣に植えてみようと決心したのは、天敵昆虫と組み合わせるハエ防除対策として、ローズゼラニウムが有効であるという栃木県酪農試験場の記事を見つけたからです。

IPM を考慮したハエの計画防除技術の確立 – 栃木県

ローズゼラニウムは、名前の通りバラを思わせる芳香を持っているので、悪臭対策にもなります。でもこのローズゼラニウム、バラより安く簡単に手に入るからでしょう、”貧乏人のバラ”という不名誉な別名もあるようです。私にしてみたら、バラよりもバラ的な香りがするすばらしい植物です。

ローズゼラニウムの花の写真

おすすめの本

コンポストボックスを作るに当たり、私が参考にした本です。それぞれの生活に合った堆肥作りの方法が見つかります。

藤原俊六郎・加藤哲郎(1990)『ベランダ・庭先でコンパクト堆肥』農文協.

都会でできる堆肥づくりについて紹介した本です。実は都会は堆肥材料の宝の山だそうです。都会でトライするならこの本がおすすめです。

後藤逸男 監修(2012)『イラスト 基本からわかる 堆肥の作り方・使い方』家の光協会.

緑肥についても書かれていて、庭でトライするならこの本がおすすめです。シンプルでわかりやすい構成で、こんなときどうするんだろうという疑問がわいた時、逆引き的に使えます。

加藤哲郎(1995)『大判図解家庭園芸 用土と肥料の選び方・使い方』農文協.

やや専門的な内容で、堆肥の使い方に重点が置かれた本です。植物の特性や自分の育て方の特徴に合わせて、用土や肥料を選べるようになります。

コンポストボックスを自作!生ごみ堆肥を作る(1)