日本の庭・世界の庭・宇宙の庭」カテゴリーアーカイブ

モンブランを見にフランスのシャモニーへ行く

今回の庭ノートは、フランスのシャモニー=モン=ブラン(Chamonix-Mont-Blanc)からで、2017年4月20日に投稿した、モンブランがどれかわからない!モンブランを探してフランス領のサレーヴ山へ行く の続きです。

昨年ジュネーブに滞在した際、モンブランを探しまくりました。

モンブラン(Mont Blanc)は、フランスとイタリアの国境に位置する、ヨーロッパアルプスの最高峰です。標高4810.9メートルで、富士山よりも高い山です。

私は静岡県富士宮市で生まれ育ったため、いつも富士山が身近にあり、日本一高い富士山を基準に自分の居場所を確認する習慣があります。

そのため、知らない場所へ行ってまず最初にすることは、その土地で一番高い山を探すことです。日本国内を移動したとき、その土地のランドマークになるような山を見つけ、しかもそれが郷土富士だったりするとほっとします。

そんなわけで、昨年、初めてジュネーブを訪れて真っ先にしなければならないことは、この辺りで一番高い山を見つけてほっとすること、つまりモンブランを探すことでした。

ジュネーブ市街からすぐ近くにある標高1379メートルのサレーヴ山(Mont Saleve)に行ってみるといいと言われたのですが、残念ながらそこへ行っても雲がかかっていてモンブランを見ることはできず。。。

その後、滞在していた部屋から、なんとかモンブランを確認することができたのでした。

滞在していた部屋から見たモンブランの写真

滞在していた部屋から見たモンブラン

ちなみに、ジュネーブからは、本物のモンブランの隣に、本物のモンブランより高く見えるモンブランぽい山があり、アメリカ人観光客がモンブランと間違えて写真を撮っていくので、「アメリカンモンブラン」と呼ばれているそうです。

モンブランがどれかわからない!モンブランを探してフランス領のサレーヴ山へ行く

あれから一年。もっと近くへ行かなきゃダメじゃ!と思い、今年はシャモニー=モン=ブランへ行き、ついにヨーロッパアルプスの最高峰、モンブランを間近で見ることができました!

シャモニーのまちから見たモンブラン(Mont Blanc)の写真

シャモニーのまちから見たモンブラン(Mont Blanc)

標高3842mのエギーユ・デュ・ミディ展望台(Aiguille du Midi)へ行くケーブルカーはお休みだったため、標高2525mのブレヴァン展望台(Brevent)へ行きました。

シャモニーからゴンドラに乗って標高2000mのプランプラ(Plan Praz)まで行き、ケーブルカーに乗り換えて標高2525mのブレヴァン(Brevent)を目指します。

プランプラ(Plan Praz)の写真

プランプラ(Plan Praz)

ブレヴァンからのモンブランは、本当にすばらしい眺めでした。

ブレヴァン(Brevent)展望台から見たモンブラン(Mont Blanc)の写真

ブレヴァン(Brevent)展望台から見たモンブラン(Mont Blanc)

左の白い山がモンブランの写真

左の白い山がモンブラン

この辺りで一番高い場所を確認できて大満足でした!

シャモニーではちょうど、UTMB(L’Ultra-trail du Mont-Blanc=リュルトラ・トラーユ・デュ・モン・ブラン)というトレイルランニングのレースが開催されていました。

UTMBのゴールの写真

UTMBのゴール

ヨーロッパアルプスの最高峰モンブランを取り巻く、フランス、スイス、イタリアにまたがる山岳地帯を走る、トレイルランニングの大会です。

最近、国内外のトレイルランニングのレースがNHKでよく放映されているので、日本でも広く知られるようになっているのではないかと思います。

UTMBは、距離171km、累積標高差10,000m 、制限時間46時間30分だそうで、凡人にはちょっと考えられないレースです。

この姉妹レースとして、富士山でもUTMF(ULTRA-TRAIL Mt.FUJI=ウルトラトレイル・マウントフジ)が開催されています。富士山を巡る165kmのトレイルランニングのレースです。

晩夏の富士山の写真

晩夏の富士山

東海地方では春一番なのに、ヨーロッパでは大寒波

2018年は、2月28日に、私の庭がある東海地方に春一番が吹いたそうです。

春一番は立春から春分の間にその年に初めて吹く南寄りの強い風です。

数ある春到来のサインの中でも、春一番ほど「春が来た!」と思うものはなく、毎年この南風を心待ちにしています。

精悍な北風とチャラい南風。春一番と寒の戻りの風

しかし、今スイスにいるため、今年は残念ながら春一番に吹かれることはできませんでした。

それどころか、東海地方で春一番が吹いたまさに同じ日に、ヨーロッパはこの冬一番の大寒波に見舞われたのです。

気温がマイナス10℃近くまで下がり、頭や顔を守るものが必要な寒さで、静岡出身の私にとっては非日常世界でした。

レマン湖の畔も凍りつきました。

やっと少し気温が上がったと思ったら、今度は雪が降り積もり、交通機関に乱れが出ました。

レマン湖の凍った岸の写真

レマン湖の凍った岸

レマン湖の凍った桟橋の写真

レマン湖の凍った桟橋

ジュネーブの雪の写真

ジュネーブの雪

おいしそうに積もったジュネーブの雪の写真

おいしそうに積もったジュネーブの雪

『アナと雪の女王』ごっこをする余裕もありませんでした。「少しも寒くないわ」なんて絶対に言えないです。

ディズニー映画『アナと雪の女王』

原題は『FROZEN』

パリのシンプル シックなクリスマスツリー

今回の庭ノートはフランスのパリからです。

クリスマス前のパリには屋内外にたくさんのツリーが飾られていますが、「庭ノート」なので、屋外限定で私が素敵だなと思ったツリーを紹介します。

私は過剰な装飾が苦手なので、目に留まるツリーはどうしてもシンプルなものばかりになってしまいますが、パリのシンプル シックなツリーをお楽しみください!

ノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Paris)前のツリーはシルバーとブルーのボールだけ。

ノートルダム大聖堂とツリーの写真

ノートルダム大聖堂とツリー

サン=ジェルマン=デ=プレ教会(Église Saint Germain des Prés)前のツリーは赤と白のリボンだけ。

サン=ジェルマン=デ=プレ教会の写真

サン=ジェルマン=デ=プレ教会

サン=ジェルマン=デ=プレ教会のツリーの写真

サン=ジェルマン=デ=プレ教会のツリー

エッフェル塔(La tour Eiffel)前の歩道のツリーは、雪が積もっているだけ。

エッフェル塔とツリーの写真

エッフェル塔とツリー

そして極めつけは、シテ島( Île de la Cité)の花市で売られている何もついていないモミの木です!

シテ島の花市で売られているモミの木の写真

シテ島の花市で売られているモミの木

彼岸花→御石様→タイムスクープハンター→浜名湖花博→ヴェルサイユのプチ・トリアノン

今回の庭ノートは彼岸花のお話ですが、何か連想ゲームみたいなことになってしまい、最終的にヴェルサイユ宮殿で着地です。

お彼岸は、秋分の日を中日として前後三日になりますが、お彼岸になると、私の庭でも、信じられないくらい正確に、彼岸花が突然姿を現します。

庭の彼岸花の写真

庭の彼岸花

狐の嫁入り的な怖さがあり、大好きな植物の一つです。

彼岸花も宇宙ですが、もう一つの注目は、下の写真の彼岸花の隣の石です!

庭の彼岸花と御石様の写真

庭の彼岸花と石

この石は、昔からこの状態で存在しているのですが、何か特別な佇まいがあり、注連縄をかけた方がいいのかなというくらいの雰囲気です!

庭にあるほかの石のように、わざわざ置いたようには見えず、意図せずこうなったものではないかと思っています。

彼岸花が咲くと、もう一気に異次元空間です!

大切にしたい石なので、『タイムスクープハンター』のまねをして、数年前からこの石を「御石様(おいしさま)」と呼んでいます。

庭の彼岸花と御石様の写真

庭の彼岸花と御石様

タイムスクープハンターは、NHKのドキュメンタリー・ドラマ風歴史教養番組です。

要潤演じる未来から来た「時空ジャーナリスト」が、時を遡って取材をするという設定で、さまざまな時代の日本社会を題材に、庶民の生き様や風俗などをリアルに再現し紹介するという番組です。

私が特にすばらしいと思うのは、

  • 有名な大事件や歴史上の人物ではなく、歴史の教科書に載らないような出来事や庶民を対象としていること
  • 徹底的な時代考証がされているところ
  • 時代や身分に応じた日本語を再現していて、現代人の私には現代語に訳した字幕を見ないと理解できない場合があること
  • かつらを使用していないので、髪形、特に「さかやき」が全員一緒ではないところ
  • 登場人物の服装がリアルで、時代や身分によって、極端にみすぼらしかったり汚かったりするところ
  • 時代や身分によって、お歯黒や白塗り化粧をしているところ

です。

御石様」と呼ばれる石は、タイムスクープハンター』テレビシリーズ シーズン5 第14回「村を守れ!投石バトル」に、村の守り神として登場します。

タイムスクープハンター season5 [DVD]

「御石様」は劇場版「タイムスクープハンター安土城最後の1日」にも登場します。テレビシリーズの「村を守れ!投石バトル」が、劇場版の前日譚になっていて、村のご神体「御石様」を織田兵に奪われた村人たちが登場します。

劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日

我が家の彼岸花&御石様もすばらしいのですが、私には「彼岸花」と聞くと必ず思い出す、忘れられない庭があります。

2004年に開催された浜名湖花博にあった、有限会社飯田庭園さんの「水車小屋のある庭」です。

2004年浜名湖花博の水車小屋のある庭の写真

2004年浜名湖花博の「水車小屋のある庭」

水&稲&案山子&彼岸花!なんてすばらしい組み合わせでしょう!ノスタルジーの真骨頂です!

これがリアル田んぼ&彼岸花ではなく、「庭」であるところがポイントなんです!

ヴェルサイユ宮殿(Palais de Versailles)にあるマーリー・アントワネットMarie-Antoinette)の庭、プチ・トリアノン(le Petit Trianon)の庭に共通する何かを感じます。

プチ・トリアノンは、ヴェルサイユ宮殿の中にある離宮の一つですが、マーリー・アントワネットは、そこの庭園の中に田舎の村里を模した小さな集落を作り、を作り、なんと農夫まで配置してしまったのです!

数年前に訪れたときの少し古い写真になってしまいますが、こんな感じです!

ヴェルサイユ宮殿内のマリー・アントワネットのプチ・トリアノンの庭

ヴェルサイユ宮殿内のマリー・アントワネットのプチ・トリアノンの庭

ヴェルサイユ宮殿内のマリー・アントワネットのプチ・トリアノンの庭

ヴェルサイユ宮殿内のマリー・アントワネットのプチ・トリアノンの庭

マリー・アントワネット様、おそるべしです!

プチ・トリアノンについては、語ると長くなってしまうので、今回はやめておきます。

ところで、我が家には、白い彼岸花も咲きます。

庭の白い彼岸花の写真

庭の白い彼岸花

フランス イヴォワールの「五感の庭」その2(Le Jardin des Cinq Sens – Yvoire)

今回の庭ノートは、フランスイヴォワールにある「五感の庭(Le Jardin des Cinq Sens」に行ったお話で、前回の続きです。

前回の記事: フランス イヴォワールの「五感の庭」その1

「五感の庭」の10区画を順番にみていきます。

1.Prairie alpine(高山草原)

高山植物が植えられている区画ですが、下の写真の岩は氷河漂礫(氷河によって運ばれてきた岩)だそうです!我が家で応用するなら、富士山の溶岩を置いてコケモモを植える、でしょうか!?

Prairie alpine (高山草原)の写真

Prairie alpine (高山草原)

2.Sous-bois(下草)

木の下の日陰に、およそ50種類のシダが植えられています。きっと珍しい品種もあったのだと思いますが、シダ類は、温帯・亜熱帯で水が豊富にある日本では見慣れた存在であるため、何となくさらっと通ってしまいました。

Sous-bois(下草)の写真

Sous-bois(下草)

3.Tissage(織物)

ルネッサンスのタペストリーに触発された庭だそうです。チェス盤のように区切られた中に、人間と関係の深い2種類の植物、白いオールドローズオート麦が植えられています。人間と植物との古くからのつながりについて思いを巡らせる、メッセージ性の強い庭です。

Tissage(織物)の写真

Tissage(織物)

4.Cloître(修道院)

この庭、ほしいです!

修道院の庭は私の憧れの庭です。私にとって修道院の庭とは、回廊に囲われて、中央に噴水井戸があって、きちんと区画整理された中に野菜薬草が植えられていて、ところどころにベンチがあり、瞑想ができるようになっていて、場合によってはブドウ園があってワインを作っていて、さらにさらに場合によってはを飼っていてバターを作っているところです。

「五感の庭」のこの区画には薬草のみが植えられていました。効用によって植物がまとめられていましたが、個人的な理由で、腸に効く薬草が気になりました。

Cloître(修道院)の写真

Cloître(修道院)

5.Le jardin du goût(味覚の庭)

食べられる植物をで楽しむ味覚の庭です。

残念ながら勝手に採って食べてたりすることはできず、食べられる植物について目で学びます。

Le jardin du goût(味覚の庭)の写真

Le jardin du goût(味覚の庭)

6.Le jardin de l’odorat(嗅覚の庭)

香りのよい植物をで楽しむ嗅覚の庭です。

私の庭にも、パイナップルセージ、オレンジミント、ローズゼラニウムなどを植えていますが、ここには、コーラ、ゴム、カレーなどの香りがするおもしろい植物がありました。

Le jardin de l'odorat(嗅覚の庭)  の写真

Le jardin de l’odorat(嗅覚の庭)

7.Le jardin du toucher(触覚の庭)

おもしろい手触りの植物をで楽しむ触覚の庭です。

私の庭にも、ラムズイヤーやラグラスなど、もふもふ系の植物を植えていますが、この庭はチクチク系の植物もたくさんありました。手触りがいいものだけを集めないところがすばらしいです!

Le jardin du toucher(触覚の庭)の写真

Le jardin du toucher(触覚の庭)

8.Le jardin de la vue(視覚の庭)

色合いの美しい植物をで楽しむ視覚の庭です。

同じピンク系の花でも色合いが微妙に違い、ピンクって何種類あるんだろうと思わせる庭でした。視覚の庭が一番作るのが難しかったのではないかと思います。

Le jardin de la vue(視覚の庭)  の写真

Le jardin de la vue(視覚の庭)

9.Le jardin de l’ouïe(聴覚の庭)

噴水の水の音や鳥のさえずり、風の音をで楽しむ聴覚の庭です。

噴水と水辺の植物がありますが、フェンスで囲まれていて中に入れないようになっています。鳥は上から入れます。目を閉じて、水や風や鳥の音に耳を澄ませます。

Le jardin de l'ouïe(聴覚の庭)の写真

Le jardin de l’ouïe(聴覚の庭)

 

人の声が気になりますが、人もまた自然の産物です!

10.Bordures(縁)

敷地の縁にあり、通り道でもありますが、とても落ち着いた場所です。

Bordures(縁)の写真

Bordures(縁)

ベンチに座っていていたら、もふもふの烏骨鶏!?が生垣から出てきました!

烏骨鶏!?の写真

烏骨鶏!?

ボーダーガーデンの隅には、おしゃれな鳥の家もあります。

鳥の家の写真

鳥の家

感じたこと

視覚に訴える華やかな庭が好きな方にとっては、ぱっとしない印象かもしれません。しかし、五感重視、コンセプト重視の私にとっては、とても勉強になり、心温まるすばらしい庭でした!

この五感へのこだわりは、さすがフランスです!私の庭にも取り入れたいアイディアがたくさんありました!

一方で、日本の自然の多彩さにも改めて気づきました。五感を使って自らアプローチしなくても、庭にただいるだけで五感を刺激するものが向こうからやってくるのです。

あらゆる種類の雨や風、時には台風、鳥だけではなくセミなどの虫の鳴き声、とんでもないスピードで成長する植物、何種類あるかわからない緑色、どこからともなくやってくる花の香りや実の香り、その辺に生えている薬味の味。

耳を澄まさなくても、鼻を近づけなくても、目で違いを見極めなくても、いろいろなものが向こうから勝手にやってきます。ありがたい環境ですが、情報量が多すぎて五感がマヒすることがあるようにも思います。時には一つの感覚だけに集中すると新しい発見があるかもしれないと思いました。

フランス イヴォワールの「五感の庭」その1(Le Jardin des Cinq Sens – Yvoire)

フランス イヴォワールの「五感の庭」その1(Le Jardin des Cinq Sens – Yvoire)

今回の庭ノートは、フランスイヴォワールにある「五感の庭」に行ったお話です。

イヴォワール(YVOIRE)はレマン湖畔にあるフランスの村で、フランスの最も美し村Les Plus Beaux Villages de France)の一つです。

木のバルコニーを持つ石造りの家々が並び、バルコニーには色鮮やかな花が咲き誇ります。お店にはデザイン性の高いすてきな看板がぶるさがり、歩いているだけで楽しい村です。

イヴォワールの写真

イヴォワール

私の目的地は、イヴォワール城のとなりにある「五感の庭」です。

中世の四角い主塔を持つイヴォワール城は、17世紀以来イヴォワール男爵の居城で、内部は見学できません。

イヴォワール城の写真

イヴォワール城

しかし、となりにある「五感の庭(Le Jardin des Cinq Sens」は一般公開されて います。

五感の庭の写真

五感の庭

庭の名前の通り、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感で体験できるつくりになっています。

庭のコンセプトや美しい写真は、五感の庭(Le Jardin des Cinq Sens)のホームページに載っていて、庭の360°パノラマビューもありますので、ここでは私が「おおっ!」と思ったこと、自分の庭に応用したいと思ったことについてお話します。

まず、庭の広さが絶妙です。決して狭くはないのですが、広すぎもせず、1時間あれば十分見て回れます。しかし、五感を使って一つ一つの植物と丁寧に向き合っていたら、1日中いられます。庭は広ければいいというものではないことを改めて実感しました。

庭は10区画に仕切られていて、それぞれの区画は、シデの生垣リンゴの棚で囲われています。

囲う」のは庭の鉄則です。そもそもガーデンとはGar(=囲む)Eden(=エデン・楽園)です。徹底的に囲って外界をシャットアウトし、非日常空間を演出する手法はディズニーランドでも用いられています。

迷路のようで、向こう側に何があるのかワクワクします。

シデの生垣の写真

シデの生垣

それに、リンゴの実が木になっている姿は、ミカンが特産の温暖な静岡県出身の私にとって非常に珍しい光景で、これだけでテンションが上がります。「リンゴって木になっているんですか!?」状態です。

リンゴの棚の写真

リンゴの棚

次に、庭の10区画を順番にみていきたいと思います。

フランス イヴォワールの「五感の庭」その2

フランス イヴォワールの「五感の庭」その2(Le Jardin des Cinq Sens – Yvoire)

野菜っぽいのにオシャレ!スイスの庭でサトイモの葉っぱの力を見直す

夏のスイスの庭で、サトイモを発見!

スイスの庭に植えられたサトイモ科の植物の写真

スイスの庭に植えられたサトイモ科の植物

正確にはコロカシア(=サトイモ科の多年草。食用のサトイモもこの仲間。)と言うべきでしょうか。

サトイモ科の種類についてあまり詳しくないので、これが一体何という名前なのかわからないのですが、私には「八つ頭」にしか見えません!

さらに一歩引いて見ると、サトイモ in ヨーロッパという感じです!

スイスの庭に植えられたサトイモ科の植物の写真

スイスの庭に植えられたサトイモ科の植物

サトイモは、水盤で栽培するグリーンインテリアとしても利用されていますし、都会の人にとっては違和感ない光景かもしれませんが、田舎で育った私にとっては、花壇に野菜が混じっているようにしか見えません!

私にとって、サトイモのあるべき姿とは、畑に並ぶこの姿なのです!

我が家の家庭菜園のサトイモの写真

我が家の家庭菜園のサトイモ

たくましくて、かわいいです!

もしサトイモ科の植物を観賞用に使うとしたら、アンスリウムやアローカシア・アマゾニカやモンステラくらいまでいかないと、オシャレな夏の雰囲気は出ないと思っていました。

例えば、夏に東京ディズニーランドに行ったときに見つけたこんな植え込みみたいにです。

東京ディズニーランドに植えてあったアローカシア・アマゾニカやアンスリウムの写真

東京ディズニーランドに植えてあったアローカシア・アマゾニカやアンスリウム

東京ディズニーランドに植えてあったモンステラの写真

東京ディズニーランドに植えてあったモンステラ

しかし、目が慣れてくると、なんでしょう、このスイスのサトイモ、なんかすごくシックです!

スイスの庭に植えられたサトイモ科の植物の写真

スイスの庭に植えられたサトイモ科の植物

夏の雰囲気、南の雰囲気なのに、やりすぎていなくて、気品が漂っています。

ここにモンステラやアローカシア・アマゾニカを持ってきたら、きっと南に行きすぎなのです!

「サトイモの葉っぱの上の雫がきれい」なんてたまに言ってはいますが、結局はその地下にある「里芋」しか見ていなかったと反省しました。

サトイモの地上部の底力を思い知りました。

【号外】オシャレすぎる!フランスの電車(SNCF)のカラフルな座席

パリ在住歴15年の私のピアノの先生が、2017年8月30日の庭ノートの記事「勇気をもって椅子の色をバラバラに!ジュネーブのペルル・デュ・ラック公園」を読んでくださり、「全く同感です!」と、こんなステキな写真を送ってくださいました!

フランスの電車(SNCF)のカラフルな座席です!

フランスの電車(SNCF)のカラフルな座席の写真

フランスの電車(SNCF)のカラフルな座席

そうなんです!これなんです!!

同系色のグラデーションとかじゃなくて、この、あえてバラバラのオシャレ感!

さすがフランスの色彩感覚です!

勇気をもって椅子の色をバラバラに!ジュネーブのペルル・デュ・ラック公園

勇気をもって椅子の色をバラバラに!ジュネーブのペルル・デュ・ラック公園

今回の庭ノートは、ジュネーブのペルル・デュ・ラック公園についてです。

ジュネーブはスイスの西部、レマン湖の南西岸にある都市で、フランス語圏に属し、国連ヨーロッパ本部、国際赤十字など、さまざまな国際機関が置かれている街です。

ペルル・デュ・ラック公園(Parc de La Perle du Lac)は、レマン湖の湖畔にあります。モンブランが望める美しい庭に加え、おいしいレストラン(Restaurant La Perle Du Lac)や品のいい科学史博物館(Musée d’histoire des sciences)まである素敵な公園です。

その科学史博物館の隣の広場に、フランスのフェルモブ社(Fermob)のビストロシリーズのガーデンファニチャーが置いてあったのですが、あえて色が全部バラバラで、すごくおしゃれだったのです!

オレンジ黄緑のテーブルやチェアーをランダムに置くなんて、私にはありえない組み合わせです。

ジュネーブの科学史博物館の隣の広場の写真

ジュネーブの科学史博物館の隣の広場

フェルモブ社のビストロシリーズのテーブルとチェアーは私のお気に入りのガーデンファニチャーです。スチール製でプラスチックのように劣化せず、折りたたんでコンパクトに収納できます。

私も自分の庭で、庭仕事の休憩の時に使っています。私が使っているのはです。

庭で使っているフェルモブ社のガーデンファニチャーの写真

庭で使っているフェルモブ社のガーデンファニチャー

フェルモブ社のガーデンチェアーはいろいろなところで見かけますが、パリのチュイルリー公園リュクサンブール公園のガーデンチェアーもグリーン系で統一されていますし、カフェでもならすべてで統一されていることが多いと思います。

バラバラの色でそろえているのは写真でしか見たことがなかったため、「本当にやっている人がいる!」と軽い衝撃を受けました。

日本のように風景がごちゃごちゃしていないので、このバラバラの配色がとてもよく合っていました。

ペルル・デュ・ラック公園の中には、「真珠の庭(Le Jardin de La Perle)」と呼ばれる庭があります。レマン湖に向かって緩やかな傾斜になっていて、花と芝生がきれいです。

晴れた日には、レマン湖のはるか向こうにモンブランが見えます。芝生に座って、モンブランとレマン湖を行き交う船を眺めることができます。

こちらも植物の配色が絶妙で、さらに春と夏では雰囲気が全く違います。

ペルル・デュ・ラック公園の真珠の庭から見たレマン湖とモンブラン (春)の写真

ペルル・デュ・ラック公園の真珠の庭から見たレマン湖とモンブラン (春)

ペルル・デュ・ラック公園の真珠の庭(春)の写真

ペルル・デュ・ラック公園の真珠の庭(春)

ペルル・デュ・ラック公園の真珠の庭から見たレマン湖(夏)の写真

ペルル・デュ・ラック公園の真珠の庭から見たレマン湖(夏)

ペルル・デュ・ラック公園の真珠の庭(夏)の写真

ペルル・デュ・ラック公園の真珠の庭(夏)

春はピンクと赤、夏は黄色が基調になっていて、どちらも差し色の白が効いていて、葉の形や質感が異なる植物が組み合わさり、とても洗練された雰囲気です。

私は配色センスがなく、色が多いと疲れるので、どうしても無印良品みたいなことになってしまいます。もう少し自分の庭がカラフルになるように努力してもいいなと思いました。

【号外】オシャレすぎる!フランスの電車のカラフルな座席

海水から塩を作る!駿河湾 土肥沖で汲んだ海水を煮つめて塩とにがりを採る

今回の庭ノートは、駿河湾 土肥沖から汲んできた海水を煮つめて、にがりを作ったお話です。

戸田塩(へだしお)って知っていらっしゃいますか?

戸田(へだ)西伊豆にある地名です。現在は沼津市に合併されていますが、昔は静岡県田方郡戸田村でした。西伊豆はどこも素晴らしい所ばかりですが、戸田は子供のころから毎年夏に訪れていることもあって、私にとって非常に思い入れの深い場所です。

特に駿河湾戸田港を隔てている御浜岬(みはまみさき)がすばらしく、この岬の港側が砂地で海水浴場になっています。岬には松林が広がっていますが、岬の駿河湾側は、湾内とはいえ外海的な雰囲気で、全く違った海の様子が味わえます。なんとも絶妙なサイズの海水浴場で、桃源郷的な何かを持っている場所です。

そして、戸田には、海水を釜で沸かして塩を採るという伝統的な方法で製塩した戸田塩(へだしお)があります!とってもおいしい塩です!

戸田塩の会のホームページ

この戸田塩の作業小屋の塩焚き釜を見て、自分で塩を作ってみたくなったという次第です。

海水には、塩(塩化ナトリウム)のほかに、塩化マグネシウム硫酸マグネシウム硫酸カルシウム塩化カリウムなどが含まれています。塩を作るには、塩化ナトリウムを、それ以外の成分や水と分ければいいということになります。

塩の作り方は、下記の本を参考にしました。

高梨浩樹 編、沢田としき 絵(2006)『塩の絵本』農文協.

1.海水を汲んでゴミや砂をとりのぞく

まずは海水を調達するところからです。その辺の海岸で汲んで来ようと思いましたが、『塩の絵本』には「市街地近くの汚れた湾内や河口付近は、さけよう。防波堤の外側や岩場など、できるだけ、水のきれいな場所でくもう」とあります。

こうなったら、沖に出て海水を汲んでくるしかない!と思っていたところ、海水を欲しがっていることを知った私のヨット師匠2人が、伊豆の土肥沖でとてもきれいな海水を汲んできてくれました!

しかも証拠写真まで撮ってきてくれました!感謝です!

駿河湾を走るヨットから望む富士山の写真

駿河湾を走るヨットから望む富士山

駿河湾の海水を汲む様子の動画

駿河湾の海水を汲む様子の写真

駿河湾の海水を汲む様子

今回は海水4リットルを使います。

駿河湾の海水の写真

駿河湾の海水

まずは、海水をろ過してゴミや砂をとりのぞきますが、さすがヨットで土肥沖まで行って汲んできてもらった海水です!とてもきれいで、目で確認できるようなゴミや砂は全くありません!

一緒に作業をしていた妹と、「これ、きれいすぎて漉す必要なくない?」と話していたところ、ろ紙に5ミリくらいの物体が引っかかりました。

なんと、クラゲの赤ちゃんでした!

海水をろ過してゴミや砂をとりのぞく」ではなく「海水をろ過してクラゲをとりのぞく」という工程になりました。

海水をろ過してクラゲをとりのぞく写真

海水をろ過してクラゲをとりのぞく

このクラゲの赤ちゃんは小さな水槽に移して飼うことにしました。救出作業に思いがけない時間をとられました。

2.荒炊きをして石こう(硫酸カルシウム)をとりのぞく

次に、海水を琺瑯の鍋に入れて、10分の1の量になるまで強火で煮つめます。今回は4リットルの海水なので、400ミリリットルになるまで煮つめます。

荒炊きの写真

荒炊き

10分の1の量まで煮つまったら、ろ過して、石こう(硫酸カルシウム)をとりのぞきます。石こうは鍋にもこびりついて、内側がざらざらになりますが、洗えばとれます。

3.本炊きをして煮つめる

石こうをとりのぞいた海水を、土鍋に移します。はじめの海水の40分の1の量になるまで煮つめます。4リットルの海水だったので、100ミリリットルになるまで煮つめます。

本炊きの写真

本炊き

煮つまって、塩の結晶が見えてきました。

煮つまって塩の結晶が見えてくる写真

煮つまって塩の結晶が見えてくる

4.脱水して塩とにがりをわける

海水が100ミリリットルになったらろ過します。ろ紙に残ったのが、下に落ちたのがにがりです。

ろ過して塩とにがりを分ける写真

ろ過して塩とにがりを分ける

をさらし布に包んでしぼり、さらににがりをとりのぞきます。

塩をさらし布に包んでしぼる写真

塩をさらし布に包んでしぼる

塩をドライヤーで乾燥させます。

塩をドライヤーで乾燥させる写真

塩をドライヤーで乾燥させる

戸田塩は、クラシック音楽をきかせながら1週間ゆっくりと水を切り、熟成させるそうです。私の塩は、母と妹と私の、しょうもないありあわせのを聞かせて乾燥させました。

5.塩ができあがる!

できあがった塩の写真

できあがった塩

4リットルの海水から80グラムの塩ができました!完成度の高い、非常に美しい塩です!

海水のろ過から塩の完成まで、所要時間は約2時間でした。

さっそく試食です!

深い!そして複雑です!なんというか、NaClじゃないです!NaCl以外の何ものかがいろいろ含まれている感じです!

おまけ:副産物のにがりで豆腐を作る

にがりは豆乳豆腐に変える凝固剤で、主成分は塩化マグネシウムです。

できあがったにがりの写真

できあがったにがり

副産物のにがり豆腐を作ってみました。にがりの濃度がわからなかったので、極めて適当な作り方です。ジップロックの耐熱容器に、無調整豆乳600ミリリットル、自作のにがり大さじ1杯を入れてかき混ぜ、ラップをして20分ほど蒸しただけです。

豆乳ににがりを入れて蒸す写真

豆乳ににがりを入れて蒸す

少しゆるめに仕上がりましたが、とてもおいしい寄せ豆腐でした!

自家製のにがりで作った寄せ豆腐の写真

自家製のにがりで作った寄せ豆腐

本当に固まることが確認できました。