庭づくり・庭遊びのアイディア」カテゴリーアーカイブ

コンポストボックスを自作!生ごみ堆肥を作る(1)

堆肥とは、野菜くずや落ち葉、稲わらや家畜のふんなど、農家のくらしの中から出るさまざまな有機物を原料とし、微生物の力を借りて発酵させた資材です。プロの農家は、ユンボを使って一度に何トンもの堆肥を作ったりしますが、家庭では、市販のコンポスト容器、段ボール箱、ペットボトルなどを使って園芸に必要な十分な堆肥を作ることができます。

私は自作のコンポストボックス(堆肥箱)を使っています。大きさ約70cm×70cm×70cmの箱が横に3個つながって並んでいるものです。 コンクリートブロックでコの字型に三方を囲い、手前側はブロックを積み上げずに、岡持ちのように上下にスライドさせる嵌め込み式の木の蓋をつけました。深さ70cmだと、箱の上面からシャベルで堆肥を出し入れするのは大変です。そのため、箱の手前側から簡単に堆肥が取り出せるように、取り外し可能な蓋をつけました。庭で浮かないように全体を茶色に塗り、雨除けに同色のトタン屋根を乗せています。家族に手伝ってもらって作りました。

コンポストボックスの外観の写真

3つの箱にはそれぞれ役割があって、一番右が生ごみや落ち葉など堆肥の材料を入れるもの、真ん中は生ごみが堆肥になりつつある熟成中のもの、一番左は完全に堆肥になったものです。右から投入して、切り返しを兼ねて右から左へと移していき、左から出す、という感じです。できあがった堆肥は、庭にまいたり、家庭菜園の肥料として使ったり、鉢植え用の土づくりに使ったりします。下の写真では一番右の箱は空で、一番左の箱もだいぶ使った後の状態です。

コンポストボックスの中身の写真

私は冬場に生ごみをゆっくり分解させて、1年間かけて堆肥を作っていますが、量や季節にもよりますが、通常は3か月~6か月で完成すると言われています。おそるべき分解力で、野菜くずや落ち葉を毎日入れてもボックスがあふれることはありません。

コンポストボックスに入れるものは季節によって変えています。春は庭木の剪定くずや種のついていない雑草、夏は草刈り機で刈った青草、秋は落ち葉、冬は生ごみです。特に生ごみはすばらしく、自治体のごみ収集車に持って行ってもらうごみの量も減り、自分で作った堆肥を使って植物を育てることもでき、一石二鳥です。

悪臭やハエが発生しないように、生ごみをコンポストボックスに入れるのは冬だけにしています。

台所に直径20㎝ほどのペンキ用バケツを置き、生ごみ用通いバケツにしています。入れるのは野菜くずと果物の皮と卵の殻です。生ごみの水分はできるだけ切るのがポイントなので、タマネギの皮をむいたら直接この中へ、みかんの皮をむいたら直接この中へ、卵の殻も割ったら直接この中へ入れます。肉や魚、調理したものの残りなどは入れません。通いバケツをあまり大きなものにすると、台所回りを清潔に保つのが難しくなるので、このくらいの大きさのバケツがちょうどいいです。

生ごみ用通いバケツの写真

茶がらもコンポストボックスに入れています。直径12㎝ほどの小さなボウルとザルのセットを茶がら専用に台所に置いておき、急須やティーポットからこのザルにあけて放置しておきます。そのうち水が切れるので、カラカラに乾いたら生ごみ用通いバケツにひっくり返します。

ザルにあげた茶がらの写真

そして、バケツがいっぱいになったら庭のコンポストボックスに捨てに行きます。我が家では1日に1回バケツをひっくり返しにいきます。水分が多い、あるいは少ないと感じた時は、落ち葉やワラや米ぬかなどを状況に合わせて入れて調節しています。でも、コンポストボックスに入れるものや配合にあまりこだわりすぎると、何が目的だかわからなくなってしまうので、おおまかなルールだけ決めて、手に入る身近な材料だけを放り込んでいます。

コンポストボックスの中の落ち葉と生ごみの写真

参考文献

コンポストボックスを作るに当たり、私が参考にした本です。それぞれの生活に合った堆肥作りの方法が見つかります。

藤原俊六郎・加藤哲郎(1990)『ベランダ・庭先でコンパクト堆肥』農文協.

都会でできる堆肥づくりについて紹介した本です。実は都会は堆肥材料の宝の山だそうです。都会でトライするならこの本がおすすめです。


後藤逸男 監修(2012)『イラスト 基本からわかる 堆肥の作り方・使い方』家の光協会.

緑肥についても書かれていて、庭でトライするならこの本がおすすめです。シンプルでわかりやすい構成で、こんなときどうするんだろうという疑問がわいた時、逆引き的に使えます。


加藤哲郎(1995)『大判図解家庭園芸 用土と肥料の選び方・使い方』農文協.

やや専門的な内容で、堆肥の使い方に重点が置かれた本です。植物の特性や自分の育て方の特徴に合わせて、用土や肥料を選べるようになります。



防虫・防臭にはローズゼラニウム!生ごみ堆肥を作る(2)

琉球音階のウインドチャイムを作成!沖縄の竹富の風に演奏してもらいました!

私は楽器が好きです。中でも特に好きな楽器は、我が静岡県が全国シェア100%を誇るピアノです。それから、空気の流れ(=風)が関係している楽器です。例えば、パイプオルガンのような風を送り込んで鳴らす楽器、尺八やオーボエのような人間の息を使って鳴らす楽器、2万5000年以上の歴史を持つと言われる”うなり木”、そして、エオリアンハープやウインドチャイムのような風が勝手に演奏してくれる楽器です。

いずれ、名だたる日本の風に演奏してもらいたいと思い、理想の音質と音階を持ったウインドチャイムを自分で作ることにしました!

金属棒をある特定の音が出る長さに切ります。長ければ低い音、短ければ高い音になります。その金属棒を、和音になるように複数本ピックアップして、直径7センチ、厚さ1センチほどの丸い木板に円状に紐で吊るします。また、3センチ四方の正方形の金属板を真ん中に吊るし、さらにその下に、風を受けるための六角形の木板を吊るします。この六角形の木板が風を受けると、正方形の金属板が揺れて、それをとり囲む長短の金属棒に当たって音が鳴ります。

あまりに澄んで響きすぎる音だと、音としては美しいかもしれませんが、耳と脳が疲れてしまいます。自然の中で微かになっているような音を目指しました。また、音が合っていないと気持ちが悪いので442Hzで調律をしましたが、ゆらぎがほしかったのであまり完璧に合わせすぎないようにしました。

父に金属の加工を教わり、素材や太さ、吊るす距離など、試行錯誤の末、理想の音が鳴るウインドチャイムが完成しました!

ドアに吊るしたウインドチャイムの写真

ドアチャイムにもなります。

さまざまな音の組み合わせが可能ですが、まずは琉球音階のウインドチャイムを作りました。琉球音階は、沖縄県及びその周辺地域に伝わる、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドからレとラを除いた、ド・ミ・ファ・ソ・シ・ドの5音で構成される音階です。

富士宮の風もなかなかいい演奏をしてくれて、偶然にも聴いたことがあるような沖縄音楽の旋律になったりします。しかし、せっかくの琉球音階、琉球の風に演奏してもらいたい!と思い、出来上がったウインドチャイムを持って、沖縄の竹富島に行ってきました!

竹富島の石垣と赤い屋根の写真

竹富の風(竹富の人たちは“たきどぅんのかじ”と言うそうです)によるウインドチャイムの演奏は素晴らしかったです。

演奏の動画を撮ってきました。微かな響きですが、自然に調和したやさしい音色です。この動画にはおまけがついていて、日本では沖縄でしか見ることができないシロオビアゲハという蝶も写っています。また、右から左へと青空に飛行機雲が流れます。

沖縄の竹富島の木に吊るしたウインドチャイムの写真

それでは、聴いてください!竹富の風(たきどぅんのかじ)の演奏で、琉球音階による即興曲。

 

沖縄の竹富の風によるウインドチャイム琉球音階の演奏(movファイル)

ナウシカの蟲笛(うなり笛)を作成!ダンゴ虫を森へ帰す

精悍な北風とチャラい南風。春一番と寒の戻りの風

収穫したワラで正月飾りを作る!庭でバケツ稲づくり

一斗缶を使って庭で稲を育てています。

縦24㎝×横24㎝の一斗缶の中に、水とよく混ぜて泥になった土を入れ、稲の苗を植えます。それを4つ並べて田の字にして、文字通り「田」にしています。

5月の田植え後の一斗缶稲の写真

24 ㎝×24㎝×4個=2304㎠=0.2304㎡=0.069696坪=0.00023232反、ということになるでしょうか。一反(300坪)の水田でとれる米の量が一石で、一石は大人一人が一年に食べる米の量に相当するということです。100万石への道は遠いです。

田んぼを一反持っていて、自分が食べる米を自分で作ることができたらすばらしいなと思いますが、食べる米を作るのはプロに任せて、とりあえず私は、この0.00023232反で、稲の成長サイクルを見守りながら一年を過ごしています。

一斗缶は約18リットル、縦24㎝、横24㎝、高さ35㎝です。稲を植えるには、土は20cmほどの深さが必要です。その上に5㎝くらい水をはるので、枠の高さが25㎝ある入れ物なら育てられます。一斗缶をそのまま使ってもいいのですが、土や水を入れると結構重くなるので、上を10cmほど切って高さ25センチにしました。中ぼしなどで水をこぼす必要がある時も、缶を傾ければ簡単に水をこぼすことができます。

稲は、JAグループが配布しているバケツ稲づくりのセットを使っています。毎年3月下旬くらいになると、JAグループがバケツ稲づくりのセットを配布します。必要事項を記載した紙に返信用切手を同封して郵送すると、種もみと肥料が入ったセットを送ってくれます。

JAのバケツ稲づくりセットの写真

バケツ稲づくりセットの申し込み方法や、育て方などは、JAグループのホームページで確認できます。

JAグループ―身近な食や農を学ぶ―お米作りに挑戦(やってみよう!バケツ稲づくり)

JAではポリバケツで育てる方法を案内していますが、『パーマカルチャー菜園入門』という本の136ページに、木枠に防水シートを敷いたり、セメントなどをこねる建築用のトロ船を利用する一坪田んぼの作り方が載っています。この本は、永続的で循環可能な、自然のしくみをいかす家庭菜園について紹介している本で、どれもこれも実践してみたくなるようなアイディアばかりです。また、ヨシダケイコさんのイラストが本の内容にピッタリで、読んでいるだけでも楽しい本です。

設楽清和 監修(2010)『パーマカルチャー菜園入門』家の光協会.

5月に植えた苗は、7月になると気持ちがいいくらい成長します。風が吹くとざわざわと揺れて、緑が鮮やかです。

7月の一斗缶稲の写真

夏場に水をためておくと気になるのが蚊のことですが、ボウフラはわいていません。ボウフラにとってよい生育環境ではないのか、金属の作用のせいなのか、よくわかりませんが、何らかの理由により蚊の発生を防げているようです。

秋にはちゃんと米が実ります。ちっちゃくても、日本の秋っていう感じです。

稲穂と秋の空の写真

収穫したワラを使って、正月飾りを作りました。

正月飾りの写真

正月飾り(紙垂あり)の写真

一斗缶一個から収穫したワラで、このしめ縄が一つ作れました。直径20㎝くらいの小さなお飾りです。ワラは、ぬらして木槌でたたいてやわらかくします。ワラ約20本の束を3束作り、縄をなって、しめ縄を作ります。その両端を合わせて留めてリース状にし、松、竹、南天、万両、金柑など、庭にあった縁起のいい植物をとって飾りました。

ワラの扱いについては、こちらの本を参考にしました。

宮崎清 編・水上みのり 絵(2006)『わら加工の絵本』農文協.

最近店頭で販売されている正月飾りはメイド・イン・ジャパンではない物が多いので、素人仕事ですが、自前のワラと、庭にある植物で作ることができて大満足でした!

収穫した稲穂のほうは、正月料理の飾りにしました。

黄金の俵と爆ぜさせた稲穂の写真

えびのすり身などが入った具を薄切り食パンで包み、米俵の形にして蒸したあと、黄金色に揚げます。黒い盆に、この黄金の俵を5つ積み上げて、バケツ稲で作った稲穂を爆ぜさせたものを飾りました。

収穫後の田んぼは、レンゲ畑にする予定です。