「日本人は花が大好きで、江戸近辺の植木屋たちは冬でも花を栽培し、大量に供給している。花屋は街中を売り歩き、貧しい人々の住む地域でも確実に買い手を見つけることができる。」ーV.F.アルミニヨン
V.F.アルミニヨン/著、大久保 昭男/訳(2000)『イタリア使節の幕末見聞記』講談社学術文庫

「貧しい人々の住む地域でも確実に買い手を見つけることができる」って、幕末の日本人、心が豊かすぎる。


「日本人の国民性のいちじるしい特色は、下級階層でもみな生来の花好きであるということだ。気晴らしにしじゅう好きな植物を少し育てて、無上の楽しみにしている。もしも花を愛する国民性が、人間の文化生活の高さを証明するものとすれば、日本の低い層の人びとは、イギリスの同じ階級の人たちに較べると、ずっと優って見える。」—ロバート・フォーチュン
ロバート・フォーチュン/著、三宅 馨/訳(1997)『幕末日本探訪記』講談社学術文庫

「気晴らしにしじゅう好きな植物を少し育てて、無上の楽しみにしている。」って、豊かすぎませんか!?幕末の日本人、素敵すぎる。

この花びらの配色、センスよすぎませんか!?

花びらの外側は紫に近い濃いピンク色、内側は白に近い薄いピンク色で、両面折り紙のようです。

ニシキモクレンは、シモクレン(紫木蓮)とハクモクレン(白木蓮)の交配種だそうです。

品種にもよると思いますが、モクレンの花は、普通、3月か4月にこのような感じで花だけウワッと咲きます。


花が散った後、葉が出てきますが、7月、緑の葉が生い茂っているころに花が数個咲いたりします。

モクレンというと春の花というイメージが強いため、真夏に緑の葉っぱと同時にピンクのの花がつくのは、不思議な光景です。

真夏に、上を向いた大きな緑の葉と、同じく上を向いた大きなピンクの花を見て、なんだか蓮っぽいなと思い、「木に咲く蓮」で「木蓮」なのだ!と初めて気づきました。
事の由来を、頭で理解するのではなく、実際に感じた時の感動はひとしおです。
モクレンは冬も最高です。
1月にはもふもふの冬芽がつきます。

芽は毛に覆われていてビロードのようです。
モクレンの冬芽は薬(生薬)にもなり、蓄膿症や鼻づまりに効くそうです。
そして、モクレンの葉はかさがあるため、落ち葉になるとざくざくしてたっぷり感があり、虫の布団ぽくなります。

| 名称 | モクレン(木蓮) |
| 学名 | Magnolia liliiflora |
| 科目 | モクレン科 |
| 原産地 | 中国 |
| 形態 | 落葉高木 |
| 草丈・樹高 | 4~5メートル |
| 花期 | 3月~4月 |
| 耐寒性 | 強い |
| 耐暑性 | 強い |
| 管理 |
中川重年/著(1991)『フィールド・ガイドシリーズ7 日本の樹木 上』小学館
船越亮二(1993)『失敗しない花木・庭木入門―代表150種の育て方・剪定のコツ』主婦の友社

この花の縮れ具合、絶妙じゃないですか!?

縮緬のようにも見えますし、火を通したアワビの端っこのようにも見えます。
サルスベリは初夏から秋まで長期間花を咲かせてくれるため、花が少なくなりがちな真夏の庭が明るくしてくれます。

花は何となくブーゲンビリアに似ていて、南の国の雰囲気です。

沖縄に憧れがあるため、ブーゲンビリアを育てたくて何回かチャレンジしましたが、ブーゲンビリアは寒さに弱いため、残念ながら私の庭では越冬できませんでした。
無理をしてブーゲンビリアを育てなくても、私が夏に求める雰囲気はサルスベリが十分醸し出してくれることに気づき、サルスベリへの感謝が増しました。

サルスベリはその名の通り、猿ですら滑り落ちてしまいそうなほどのツルツルの樹皮の持ち主です。

子供のころに「百日紅」は「サルスベリ」って読むんだよ!と言われすぎたせいか、「猿滑り」という漢字の印象が強すぎるせいか、サルスベリは日本的な木、アジア的な木と勝手に思い込んでいました。
そのため、ヨーロッパで見かけたときは本当に驚きました。

サルスベリは中国原産ですが、ヨーロッパでも人気があるそうです。
子供のころに植え付けられたイメージの払拭は難しいものです。
| 名称 | サルスベリ(ヒャクジツコウ)(猿滑)(百日紅) |
| 学名 | Lagerstroemia indica |
| 科目 | ミソハギ科サルスベリ属 |
| 原産地 | 中国、インド。日本には元禄年間に渡来。 |
| 形態 | 落葉小高木 |
| 草丈・樹高 | 5m |
| 花期 | 7~8月 |
| 耐寒性 | 強い |
| 耐暑性 | 強い |
| 管理 | 剪定は11月下旬~3月 花が咲いた枝を付け根から切っていくことを3~4年続けるとコブ状になる。コブ状になったらこのコブを切り取る。 ひこばえは早めにかき取る。 |
中川重年/著(1991)『フィールド・ガイドシリーズ7 日本の樹木 下』小学館
船越亮二(1993)『失敗しない花木・庭木入門―代表150種の育て方・剪定のコツ』主婦の友社

このオリヅルラン、超かっこよくないですか!?

班入りの葉がさわやかで美しく、清潔感があって、エアリーで立体感があって、インテリイケメンのヘアースタイルみたいだな…と思っていつも眺めています。
「何言ってんだ?こいつ」と思った方のために、私がChatGPTで描かせたイメージ図をお見せします。

この髪の感じに似ていませんか!?というお話です。
ChatGPT、たった2回の指示で、ものの数十秒でこの絵を描いてきました。
オリヅルランは、丈夫で栽培が容易なことから、観葉植物としてとても人気があります。
ある程度成長すると、細長い花茎をのばして花穂をつけます。

1センチくらいの白い花が複数個所でまばらに咲きます。

オリヅルランは乾燥に非常に強いですが、水分が不足すると、水の蒸発を防ぐためか、葉が半分に折りたたまれます。

水のやりすぎで根腐れをおこしてしまうというのは、観葉植物を育てる際によくある失敗の一つですが、オリヅルランは水不足をわかりやすく知らせてくれるので、水のやりすぎを防げてありがたいです。
ランナーでよく増えるため、ランナーについた子株をはずして別の鉢に植え、室内のあちらこちらに置いています。

庭植えにしてグラウンドカバーにすることもできるようですが、寒さにやや弱いので、私の庭がある地域では屋外で冬を越すことはできません。
必然的に屋内で鉢植えで育てることになるのですが、草丈が高くならず、ランナーで子株が垂れ下がってくるため、やや高めのところに置くか、ハンギングで育てています。
そして、イケメンな雰囲気を味わうためには、上からではなく、斜め下か横から観賞するのがおすすめです。

それにしても、かっこいいです。
| 名称 | オリヅルラン(折鶴蘭) |
| 学名 | Chlorophytum comosum |
| 科目 | キジカクシ科オリヅルラン属 |
| 原産地 | 南アフリカ |
| 形態 | 常緑多年草 |
| 草丈・樹高 | 5~30センチ |
| 花期 | |
| 耐寒性 | やや弱い |
| 耐暑性 | 強い |
| 管理 |

「スノーフレーク」は、春に白いスズランのような白い花を咲かせ、「スズランスイセン」とも呼ばれています。

花の大きさは1.5センチくらいで、釣り鐘型の小さい花なのですが、よく見ると、ものすごく凝ったつくりになっています。
それぞれの花びらの先に、緑の斑点がついているんです!

このデザイン、天才的すぎませんか!?
おしゃれなランプシェードみたいです。

ムスカリと花期が一緒なので、隣同士に植えておくと、スノーフレークの白とムスカリの紫のコントラストが効いて、お互いがよく映えます。
スノーフレークの草丈が30センチ程度、ムスカリの草丈が10センチ程度なので、観賞したい側から見て、ムスカリを手前、スノーフレークを奥に植えると、ちょうどよい雰囲気になります。

植えっぱなしですが、毎年よく咲いてくれています。
ちなみに、名前や佇まいが似ていてスノーフレークとよく混同される植物に、スノードロップがあります。
地域にもよると思いますが、私の庭では、スノードロップは2月の立春のころに咲き、スノーフレークは4月の清明のころに咲き、花期が全然違います。

| 名称 | スノーフレーク(スズランスイセン) |
| 学名 | Leucojum aestivum |
| 科目 | ヒガンバナ科 |
| 原産地 | ヨーロッパ南部 |
| 形態 | 球根 |
| 草丈・樹高 | 20~45cm |
| 花期 | 3月~4月 |
| 耐寒性 | 強い |
| 耐暑性 | 休眠中 |
| 管理 |
肥土邦彦/著, 植原直樹/写真(1995)『フィールド・ガイドシリーズ14 園芸植物 庭の花・花屋さんの花』小学館

この花びらの質感、すごすぎませんか!?

ロウバイの花は直径2センチほどの半透明の淡い黄色で、とてつもない透け感なのに、ツルっとして少し硬そうな質感で、本当に蝋細工なのではないか!?と思うほどです。
花が蝋細工に似ているというのが、ロウバイ(蝋梅)という名前の由来の一つだそうです。

この蕾を摘み取って敷居に塗ったら、襖の滑りが良くなって、スコーンと開くのではないか!?というくらいの蝋っぽさです。

しかし、見た目に反して、花びらはとても柔らかいです。

ロウバイの開花は1月頃ですが、毎年、視覚ではなく嗅覚で開花に気づきます。
香りが漂う空間が広く、香りの元を探って追いかけていくとロウバイの木にたどり着くという感じです。

開花時期が寒い季節のため、冷たくて清潔な空気の中を甘い香りが漂い、甘いのに清涼感があるという不思議な感じになります。

しかし不思議なことに、切り花にして室内に生けるとそれほど香りは強くありません。

頂部の長く伸びた枝には花芽はほとんどつきません。
剪定を怠るとすぐにこのような状態になります。

5月頃、長さ3~4センチくらいの実(偽果)がなります。

| 名称 | ロウバイ(蝋梅) |
| 学名 | Chimonanthus praecox |
| 科目 | クスノキ目ロウバイ科 |
| 原産地 | 中国中部。江戸時代に渡来。 |
| 形態 | 落葉低木 |
| 草丈・樹高 | 2~4メートル |
| 花期 | 12月~2月 |
| 耐寒性 | 強い |
| 耐暑性 | 強い |
| 管理 | 11月下旬~12月頃 花芽のない長い枝を切り詰める。 2~3本の枝幹を残し、地ぎわのひこばえを切る。 3月頃(花後) 花が咲き枝が長くなったものは5~6年くらいで強く切り詰める。 |
中川重年/著(1991)『フィールド・ガイドシリーズ7 日本の樹木 上』小学館
船越亮二(1993)『失敗しない花木・庭木入門―代表150種の育て方・剪定のコツ』主婦の友社
土橋豊(2022)『人もペットも気をつけたい 園芸有毒植物図鑑』淡交社

雷雨の翌日、枯れたタラノキにキノコがびっしり生えているのを発見しました。

キノコのことはよくわからないのですが、ヒラタケと思われます。

私が子どものころは、ヒラタケが「シメジ」という名前で売られていましたが、「ブナシメジ」に取って代わられ、最近全く見かけなくなりました。
お味噌汁の具としてはなかなかよかった記憶があります。
食べてみたい衝動に駆られましたが、ヒラタケは毒キノコのツキヨダケとの区別が難しいといわれているため、ここは命を懸ける場所ではないと思いやめておきました。

シイタケを栽培している方から、キノコは雷が鳴ったり榾木を水中に落としたりしてびっくりさせると一斉に出てくると聞いたことがあります。
本当にびっくりして出てくるのだとしたらキノコかわいすぎと思いましたが、どうやら本当にびっくりして出てきているようなのです。
ナショナルジオグラフィックに次のような記事があります。
「キノコにとって、落雷は自分たちを簡単に全滅させる非常に深刻な脅威となる。キノコは死ぬ前に自分を再生しておかねばならないと感じ、稲妻を察知すると自動的に成長を加速させて子実体の数を増やすのだろう」
落雷でキノコの収穫量が増加
キノコの世界、奥深いです。


庭でミニトマトを収穫していたら、クロメンガタスズメの幼虫に出会ってしまいました。
私は蝶は大好きですが、蛾は嫌いなので、出会ってしまって微妙な感じでした。

このイモムシ、体長10センチくらいで、人間の指と同じくらいの太さがあります。
体の色は鮮やかなグリーンで、蛍光っぽい黄色と青のストライプが一定間隔で斜めに入っています。

目に留まってからイモムシだと認識するまでに結構時間がかかりました。
擬態していて気づかなかったのではなく、むしろ目立っていたのですが、あまりにも人工的な配色で、生き物と気づきませんでした。
人は、自分の概念にないものは視覚に入っても認識できないのだと改めて実感しました。
この幼虫、ザ・イモムシという感じで、私の中では『不思議の国のアリス』に出てくる、きのこの上で水パイプをふかすいもむしのイメージです。

幼虫の尾角にはとげとげがあり、「?」マークのように曲がっています。

ちなみに、成虫は背中に人面模様があり、めっちゃ怖いです。
クロメンガタスズメは熱帯起源の蛾で、日本では九州以南にしかいなかったようですが、2000年以降、北上を続けているそうです。
静岡でも、私が子供の頃はこのようなイモムシは見かけませんでした。

母が、屋内の洗面所の洗面ボウルにコクワガタのメスがいるのを発見しました。
どこから入ってきたかは謎です。

自ら洗面ボウルに入っていったのか、落ちてしまったのか、わかりません。
洗面ボウルから出ようとしても、滑って登れないようです。
這い上がろうと右前足を必死で伸ばしている姿が健気です。

母によって洗面ボウルから救出され、庭のカエデの木に放されました。

我が家では、なぜこんなところにクワガタが!?という現象がたまに起きます。
玄関前の階段にヒラタクワガタがいたり、

窓ガラスと網戸の間にコクワガタがいたり。

家族の間では、我が家のご先祖はお盆に馬ではなくクワガタに乗って帰ってくる、ということになっています。