今回の庭ノートは、庭で採った菜種から菜種油を搾り、それを燃料として灯りをともしたお話です。
2017年6月20日の記事で、庭で梅の実を収穫し、梅シロップと梅酒を作り、庭の梅でここまでできれば、ターシャ3級でしょう!と自負したお話をしました。
「ターシャ〇級」とは、庭仕事や手作りの暮らしにについての、我が家独自の評価基準です。
ターシャ3級!? 庭で梅の実を収穫して、梅シロップと梅酒を作る
2005年にNHKで放送された「喜びは創りだすもの~ターシャ・テューダー四季の庭~」で、ターシャは庭のリンゴの木からリンゴを収穫して、150年前の古いしぼり器を使って、約一時間半かけてバケツ半分の量のリンゴジュースを作ります。
驚くのはここからで、そのリンゴジュースで一服したあと、蜜蜂の巣からとった蜜蝋を火にかけて溶かし、木綿のひもに含ませて、表面が冷えて固まったらその上にまた蜜蝋をつけるという作業を何度も繰り返し、1年分のろうそく約1000本を作るのです!
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昇級のためには、ジュースのあとに灯りを作らなくてはなりません!
ちょうど庭に菜種がなっていたので、菜種から油を搾り、その油で灯りをともしてみることにしました!
「りんごジュース→ろうそくの灯り」ではなく「梅ジュース→油の灯り」です!
菜種は作っているわけではなく、庭で勝手にできてしまっています。
庭には「種捨て場」と呼んでいる2メートル×1メートルくらいのちょっとした場所があり、家庭菜園で余ったアブラナ科の野菜の種をばらまいています。小松菜、水菜、赤からし菜などです。
雑草が生い茂る場所で完全に放置なのですが、なぜかそこから出てくる野菜のほうが、家庭菜園で育てている野菜よりうまく成長します。
春には、種田山頭火の「何が何やらみんな咲いている」状態です。
小松菜も放置してこんなに巨大化します。
種捨て場の使い方
- 家庭菜園で余ったアブラナ科の種を捨てる。発芽率が落ちるので、この種をとっておき、来年の家庭菜園に使うのはリスキーです。
- そのまま放置し、運よく芽が出てきたら、葉を適当に摘みとって食べる。例えば、小松菜は油揚げと煮びたしに、水菜は豚しゃぶ鍋に、赤からし菜はサラダにしたりします。
- さらにそのまま放置し、とうが立ってきたら、つぼみを適当に摘みとって食べる。例えば、菜花としてベーコンと一緒に炒めて食べたりします。
- さらにそのまま放置し、花を楽しむ。諸葛菜(ムラサキハナナ)の種もばらまいておけば、黄色と紫のコントラストを楽しむことができます。
今まではここまでしかやっていませんでしたが、今年は昇級のため、次のステージにいきます。「 5. さらにそのまま放置し、菜種を採って油を作り、灯りをともす。」です。
自家製搾油器で菜種油を搾る
油の搾り方は、下記の本を参考にしました。
鈴木修武(編集)宮崎秀人(イラスト)(2006)『油の絵本』農文協.
アブラナ科の植物を放置してできた実から種を採ります。
菜種100グラムを120℃に設定したフライパンで炒ります。
少し冷ましてから細かくくだきます。
くだいた菜種に10パーセントの水を加えてかき混ぜます。
電子レンジで1分間加熱します。
自家製の搾油器で油を搾ります。自家製搾油器は、以前、椿油と茶油を搾るときに使ったものです。渾身の力をこめて、豆ジャッキを回します。
菜種油がとれました!
この油を器に入れ、ティッシュペーパーを丸めて芯を作って油に浸します。
いよいよ点火です!
灯りがともりました!ほんとに油でした!なんか時代劇みたいです!
2ミリリットルの菜種油で、10分間ほど燃え続けました。
これでターシャ2級です!