アカデミック臭漂う空中庭園!国立科学博物館屋上のハーブガーデン

東京上野の国立科学博物館の屋上にはハーブガーデンがあります。

余計な演出がなく、シンプルで美しい空中庭園です。ここには、薬用、食用、染料・香味料用など、約150種類のハーブが植えられていて、所々にベンチが置かれ、座って休憩することができます。飲食も可能です。下のフロアーのアカデミック臭も相まって、絶妙な香りがするハーブガーデンです。

国立科学博物館 レストラン・休憩所

8月に訪れたときには、みなさん展示物を見るのに忙しいのか、強い日差しのせいなのか、誰もいなくて貸し切り状態でした。

国立科学博物館屋上のハーブガーデンの写真

誰もいなかったので、これはチャンスと思い、植えてあるすべてのハーブの香りを片っ端から嗅いでみました。真夏だったので少しバテ気味のハーブもありましたが、屋上という過酷な環境で育っているとは思えないほどみんな生き生きしていました。

そして、約150種類中、私の中でナンバーワンに輝いた香りは「パイナップルセージ」でした。

国立科学博物館ハーブガーデンのパイナップルセージの写真

名前の通り、なにこれ!?というくらいパイナップルの香りがします。夏だったので、トロピカルな香りに惹かれたのかもしれません。また、パイナップルセージが暑い土地出身なので、涼しい土地出身のハーブよりもこの時期元気だったのかもしれません。違う季節に来ていたら別のハーブを選んでいたかもしれませんが、とにかくその時はパイナップルセージがダントツで一位でした。

これを嗅げばいつでもトロピカルワールドに飛んでいけるので、自分の庭にも植えることにしました。

パイナップルセージは、メキシコ原産のシソ科の植物です。宿根サルビアの仲間で、サルビア・エレガンスとも呼ばれています。葉っぱを軽くこするとパイナップルのようなさわやかな甘酸っぱい香りがします。葉っぱはお茶やポプリなどにして楽しめます。

10月から12月ころにかけて、広がった枝の先に、目も覚めるような緋色の細長い花が咲きます。草丈は1mから1.5m、地下茎を伸ばしてそこから芽を出して、一株で60cmくらいの範囲に茂ります。よく茂るので、地植えの場合はある程度のスペースが必要ですが、生育旺盛で病害虫も少なく育てやすいです。凍結や霜には注意が必要ですが、耐寒性もあり、通常は0℃以上あれば冬越しできます。

メヒシバやエノコログサなどが生い茂ってしまい、園芸品種を植えてもなかなかうまく育たなかった場所に植えたところ、パイナップルセージがこんもり成長して地面をおおってくれました。草丈も1mくらいあるので、ほどよい高さで、目隠しとしても使えます。

花は信じられないような赤で、花の少ない晩秋から初冬にかけてよく咲きます。

庭のパイナップルセージの花の写真