今回の庭ノートは、ブーケガルニに使うハーブだけを植えた「ブーケガルニの庭」についてです。
庭を小さな空間に分けて、それぞれにテーマを設定しています。
これは、私が尊敬するガーデナー、ベニシアさんや黒田健太郎さんが提案されている方法です。
ベニシアさんの庭は、楽しんで考えたテーマごとに小さなコーナーで構成されています。NHKの「猫のしっぽ カエルの手」の「Vol.60 テーマのある庭」で紹介されていました。スパニッシュガーデン、ワインガーデン、フォレストガーデン、コテージガーデン、ジャパニーズガーデンなど、聞いているだけでワクワクするような庭ばかりです。
ベニシア・スタンリー・スミス(2013)『ベニシアの庭づくり ハーブと暮らす12か月』世界文化社
また、黒田健太郎さんは、初めからよくばって庭全体を造ろうとしないで、自分が具体的にイメージできる「自分サイズ」の広さから庭づくりをスタートし、この「小さなシーンづくり」を少しずつ増やしていき、それをつないでいくという方法を提案されています。
黒田健太郎(2012)『健太郎のGarden Book』MUSASHI BOOKS
私も、土壌・日照時間などの条件、目的、手がかけられる時間などを考えて、庭を小さな空間に分けて、それぞれにテーマを持たせるようにしています。
小さな空間に分けてテーマを決めることで、どこに何を植えるか迷いが少なくなりますし、庭も使いやすくなります。また、手入れもしやすくなりますし、庭仕事で他人の助けも借りやすくなります。
ブーケガルニの庭
今回は、ブーケガルニの庭を紹介します。
庭の一角にブーケガルニに使うハーブだけを植えているコーナーがあり、ここをブーケガルニの庭と呼んでいます。
ブーケガルニは、ハーブを生のままあるいは乾燥させて数種類束ねたもので、洋風の煮込み料理の風味づけに使われます。
ブーケガルニの庭といっても、1平方メートルほどのとても小さなスペースです。
メンバーは、ローリエ、スイートマジョラム、イタリアンパセリ、タイム、セージ、パセリ、オレガノ、ローズマリーです。
地中海沿岸地方出身者が多いので、素焼きで統一しています。
ローリエ(月桂樹)は大きくなるので、地植えにせず鉢に植えています。また、ローズマリーも鉢植えにしています。
スイートマジョラム、イタリアンパセリ、タイム、セージ、パセリ、オレガノは、一辺が20センチほどの正方形の素焼きの枠を並べて植えています。
底がないので、土の上に置けば、鉢と違って水やりの必要がありません。簡単に区画整理ができ、並べ方次第でいろいろな使い方ができます。私が子供のころから祖母が使っていたもので、大のお気に入りなのですが、残念ながらどこで手に入るのかわかりません。
ブーケガルニの庭のメンバー紹介です。
ブーケガルニを作るときは、好きなものを適当に少しずつ摘んで、タコ糸で束ねます。最もスタンダードな組み合わせは、ローリエ、パセリ、タイムです。
私はローリエ以外は乾燥させずに生のまま使っています。ローリエも、若葉ではなく一年以上経った葉を生のまま使うことができますが、乾燥させた方が強くて甘い香りになります。ローリエは葉を摘んで水で洗った後、天日で乾燥させて、乾燥剤を入れた容器に保存しています。
鍋に入れるときはオシャレになんて束ねていられません。タコ糸ぐるぐる巻きです!
あるいは、袋に入れて鍋に投入します。
ブーケガルニの庭のメンバーは、ブーケガルニ以外にもさまざまな利用方法があります。
ローズマリーは、一枝摘んでそのままバスタブに入れて入浴すると、ウソのように疲労が回復します。個人的には、精神疲労より肉体疲労に効く気がします。
また、スイートマジョラムの生葉は、信じられないくらいイケメンの香りがします。精油では味わえない香りです。個人的には、こちらは精神疲労に効く気がします。
サイモン&ガーファンクル(Simon and Garfunkel)のスカボロー・フェア(Scaborough fair)に「パセリ、セージ、ローズマリー&タイム(Parsley sage rosemary and thyme)」という歌詞があります。この、パセリ、セージ、ローズマリー、タイムのみを植えて、スカボロー・フェアというテーマの庭を作っても楽しいかもしれません。