庭の維持には手間がかかります。
いくら庭いじりが好きと言っても、庭に手がかけられる時間には限りがありますし、泊りがけで外出することも多く、そんな時は家族に植物の世話を託さなければなりません。
管理が楽なように人工的な庭にしてしまうという方法もありますが、小さいながらも、いろいろな植物や虫が暮らす多様性に富んだ庭にしたいため、それは避けたいところです。
そのため、できるだけ手間をかけずに、自然の力で勝手に循環してくれる庭を作るのが目標でもあります。
私の庭には、全く手をかけずに、勝手に循環している場所があります。
幅150センチ、奥行き100センチくらいの、とても小さなコーナーです。
このコーナーは私が作ったわけではなく、祖母から庭を引き継いだ時にはすでにこの状態でした。
何もしなくても、勝手に花が咲き、一年中緑が絶えないという、楽ちんすぎるコーナーです。
植えてある植物は、ツルニチニチソウ、ヤブラン、ツワブキです。ヤブランで縁取りした中に、ツワブキとツルニチニチソウがごちゃっと植えてあります。
地植えなので水やりの必要がありません。また、どれも多年草なので植えっぱなしでよく、非常に丈夫なので、静岡県の環境では、暑さや寒さ、多湿や乾燥で枯れることもありません。
とれも常緑なので、一年中、緑が絶えず、さらに、春から夏にかけてツルニチニチソウ、夏から秋にかけてヤブラン、秋から冬にかけてツワブキ、と、花がリレーで咲きます。
もちろん、株が込み合ってきたら植えなおす必要がありますが、これは数年に一度やればよい作業です。
ツルニチニチソウが咲く春から夏
ツルニチニチソウはキョウチクトウ科の植物で、春から夏にかけて、ニチニチソウに似た紫の花を咲かせます。ツル性植物で、葉は光沢があり、グランドカバーとしてよく利用されます。
ヤブランが咲く夏から秋
ヤブランはキジカクシ科の植物で、夏から秋に、紫の小さな花を穂状に咲かせます。葉は細長く、先端が垂れ下がるので、バランスよくこんもりまとまります。
ツワブキが咲く秋から冬
ツワブキはキク科の植物で、秋から冬にかけて、キクに似た黄色い花を咲かせます。つやのある、フキのような大きな丸い葉を持ちます。