今回の庭ノートは、庭のソテツの葉で、沖縄で教わったソテツの虫かごを作ったお話です。
ソテツは、現在生きている植物の中で、イチョウと並んで最も原始的な植物の一つです。幹の頂の部分から羽状の葉を茂らせる独特な姿は南国を彷彿とさせますが、私にとっては、南国というよりジュラシックなイメージです。古風で、裸子植物特有の生命力を感じるため、お気に入りの植物の一つです。
ソテツは「蘇鉄」と書きますが、枯れかかったときに幹に鉄くぎを打ち込んだり、鉄類を根元に与えると蘇るという言い伝えに由来します。鉄で蘇るなんてかっこいいです。
日本では、よく、公園や官公庁や学校、ロータリーの真ん中などに植えられています。
静岡県にある私の庭でもソテツを地植えにしていますが、防寒対策をしなくても元気に育ってくれています。
葉は、多数の線状の小葉から成り、葉先は鋭く尖っていて、刺さると痛いです。
初夏に新芽が伸びてくる頃はとてもきれいで、新芽のカールがジュラシックな感じで、芸術品のようです。
古くなって垂れ下がった葉は、付け根から切り落として樹形を整え、新しく出てくる葉と世代交代させます。
この切り落とした葉を使って、沖縄で教わったソテツの虫かごを作りました。
ソテツの線状の葉が短いと編むのが大変なので、適当な長さがある部分を選んで、長さ20センチくらいに切ります。
気分を盛り上げるために琉球畳の上で作ります。
葉の最初の2本を軸にします。
次の葉から編み込んでいきます。
右の葉を右側の軸の上から左側の軸の下へ、左の葉を左側の軸の上から右側の軸の下へ。この繰り返しです。ほつれないように、最初はきつめに編みます。
編み続けると、軸にしていた2本の長さが足りなくなるので、別にとっておいた小葉を継ぎ足して軸にしていきます。
最後まで編み切ります。編み終わりの処理の仕方は自由だそうです。
完成です。
基本的な編み方をもとに、いろいろアレンジできます。
遊びに来ていた甥っ子と一緒に作り、二人ではまってしまい、十数体作りました。
葉に独特の光沢とハリがあるので、とても清潔で網目が美しいです。
私は虫は入れずにインテリアにしています。
虫かごですが、これ自体が虫みたいです。