夏至の頃、庭に咲いているドクダミを摘みとって乾燥させ、半夏生の頃、同じドクダミ科のハンゲショウをながめながら、どくだみ茶を飲んでいます。
私が住む東海地方は、平年、6月8日ころに梅雨入りし、7月21日ころに梅雨が明けます。
湿度が高く、気圧の変化が激しいこの時期は、体調不良が起こりやすく、越すのがとても大変な季節です。また、雨が多いので庭仕事も思うようにできません。梅雨明けの盛夏に必要な水を貯える大切な時期だとわかっていても、少し憂うつな季節です。
しかし、そんな梅雨時の中でも、夏至から半夏生までは私にとって少し特別な季節です。狐の嫁入り的な怖さがあり、気になって仕方のない季節です。
夏至は、北半球では、一年で一番昼が長く、夜が短くなる時期です。例年6月21日頃です。そして、夏至から数えて11日目を半夏生(はんげしょう)といいます。例年7月2日頃です。
半夏生は農作業の大事な節目で、かつては、畑仕事を終えたり、田植えを終えたりする目安でした。半夏生の語源はいくつかあるようですが、一説によると、ハンゲショウという名前の植物の葉が白く染まる頃だからといわれています。
ハンゲショウは、高さ60センチほどのドクダミ科の多年草です。半夏生の頃だけ、上にある葉の半分が白くなり、半分化粧をしているかのようになります。
夏至の時期、日本は梅雨の真っただ中ですが、ヨーロッパ、特に冬が長い北欧では、明るく開放的な季節の到来を祝い、各地で夏至祭りが行われます。様々な風習があり、地域によっては薬草摘みをする習慣があるそうです。夏至には、草木には強い生命力があると考えられているからです。
日本と北欧では夏至の雰囲気はまるで違いますが、私もこの時期、薬草であるドクダミを摘んで、どくだみ茶を作るようにしています。私にとっては冬至における柚子湯みたいなものです。
ドクダミは繁殖力がすごく、独特なにおいがあるため、厄介者扱いされていますが、スペードの葉っぱと白い十字の花が美しく、群生しているととてもきれいです。
ドクダミは漢方では十薬といわれ、美肌、血圧調整、排毒、むくみ、肩こり、冷え性、蓄膿症予防、利尿作用、膀胱炎予防、動脈硬化予防など、たくさんの効能があるそうです。よく「必要な家に、必要な薬草が生える」といいますが、ドクダミを見ていると、そうかもしれないと思ってしまします。
ちなみに、高カリウム血症の副作用があるため、人によっては摂取に注意が必要だそうです。
乾燥どくだみの作り方
静岡県富士宮市の私の庭の気候での、乾燥どくだみの作り方です。
フライパンで炒ることを考えると、一回に作りやすい量はドクダミ50本分くらいだと思います。乾燥のさせ方にもよりますが、ドクダミ50本から約50gの乾燥どくだみが作れます。
材料
- ドクダミ 50本
- 輪ゴム 10個
- ハンガーピンチ
1.夏至の頃(6月21日頃)、花が咲いたドクダミを50本摘みとります。
2.きれいに水で洗い、ドクダミ5本を一束にして輪ゴムで結び、ハンガーピンチに吊るします。
3.パリパリになるまで乾燥させます。天気がよければ数日で乾きますが、梅雨時は湿気が多く乾きが悪いため、通常10日くらいかかり、ちょうど半夏生の頃(7月2日頃)に完成します。
4.乾燥させたドクダミをはさみで3センチほどに切り、フライパンで弱火で炒ります。
5.炒ったドクダミを乾燥剤と一緒に保存袋に入れて保存します。
どくだみ茶のいれ方
作った乾燥どくだみでどくだみ茶をいれます。
濃さなどは好みがあるかもしれませんが、私がいれやすくて飲みやすいと思っている量を紹介します。
材料(ティーカップ3杯分)
- 乾燥どくだみ 10グラム
- 水 500ミリリットル
- お茶パック
- 琺瑯鍋または土瓶(鉄や銅の鍋は避ける)
1.作った乾燥どくだみ10グラムをお茶パックに入れます。
2.琺瑯の鍋に乾燥どくだみを入れたお茶パックと水500ミリリットルを入れ、火にかけます。
3.沸騰したら、弱火で約20分煮て、半分の量(約250ミリリットル)になるまで煮詰めます。
4.ティーカップに注ぎます。
よく、どくだみ茶はクセがあって飲みにくいといいますが、そんなことはないです!爽健美茶が飲める人は余裕でいけます!個人的には、爽健美茶よりも飲みやすいくらいです。