自家製ミニ搾油器を作り、庭のツバキの実とチャの実を拾って、それぞれ、椿油と茶油をしぼってみました。いい油がとれました。
2017年3月20日の記事で、椿笛の話をしましたが、この笛を作るためにツバキの種を削って中身をかき出していたら、かなり油っぽくて、はからずも手や爪が潤いました。「これって、椿油じゃない!?」と当たり前のことに気づき、庭に落ちているツバキの種を拾って、椿油をしぼってみることにしました。
油のしぼり方についてはこちらの本を参考にしました。
鈴木修武(編集)宮崎秀人(イラスト)(2006)『油の絵本』農文協.
私の家には油をしぼるための機械がありません。市販の油しぼり器も売られていますが、そんなに大量にしぼるわけではないので、自家製ミニ搾油器をあるもので作ることにしました。
ホームセンターなどに売っている手のひらに乗るくらいの小さなジャッキを使います。そのジャッキに合う大きさの枠を作りました。
椿油をしぼる
1.庭のツバキの種を拾い、洗って汚れを落として乾かします。
2.プライヤーなどで、殻を割り、中身を取り出します。
3.中身をさらに細かく砕き、ホットプレートを120℃にあたため、木べらでまぜながら5分くらい炒ります。熱を加えると、種の中の酵素の働きがとまり、たんぱく質がかたまって油が出やすくなるそうです。このときの温度が高すぎると、逆に酸化が進んでしまうそうです。
4.ミキサーに数回かけてさらに細かくし、 ステンレスの網を張った入れ物に詰めます。入れ物は、直径8センチ、高さ5センチくらいの空き缶を使いました。空き缶の側面には、しぼった油が出てくるための小さな穴をあけておきます。通常はこの状態で搾油してよいようですが、油が出やすいように缶のまま少し蒸しました。
5.自家製ミニ搾油器に、ツバキの種の中身を炒って砕いて蒸したものが入った缶を乗せます。その上に、ひとまわり小さい空き缶を乗せ、その中に空き缶に入る大きさの丸い木を、ふたとして何枚か重ねて入れます。その上にジャッキを乗せます。缶の側面にあけた穴の下に、油を受ける小さな容器を置きます。ジャッキを回し、圧力をかけて、渾身の力を込めてしぼります!
6.油が滴り落ちてきました! しぼった油を容器から瓶に移します。とれた油はほんのわずかですが、大満足です!手につけたり、ツゲの櫛や尺八の手入れに使おうと思います。
7.ツバキの種の殻としぼりかすは、コンポストボックスに入れて肥料にしました。たくさんの量のしぼりかすをまとめておいておくと、酸化熱で自然発火することがあるので注意が必要です。すぐにコンポストボックスに入れて土に返しました。
茶油をしぼる
椿油がうまくできたので、庭に落ちていたお茶の実でも油をしぼってみることにしました!
チャは、ツバキと同じ、ツバキ科ツバキ属です。
チャの種はヤブツバキの種よりも小さくて丸いです。
椿油と全く同じ方法でしぼってみたところ、こちらもいい油がとれました!
左が茶油、右が椿油です。茶油はお茶の葉を蒸したときの匂いがします。使ってみた感じですが、椿油はまったりしていて、茶油はさらっとしています。
油がどんなに貴重なものか、身にしみてわかりました。
参考文献・おすすめグッズ
鈴木修武(編集)宮崎秀人(イラスト)(2006)『油の絵本』農文協.
この「つくってあそぼう」シリーズ、本当にすばらしい絵本です。薄い本ですが、内容がとても充実していて、自力で何かしてみたいと思ったときの大きな助けになります。私が今回トライした椿油以外にも、菜種油、えごま油、オリーブ油などの作り方が載っています。
この豆ジャッキの活躍により、椿油と茶油をしぼることができました。
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