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レモングラス・レモンバーベナ・レモンバーム:「レモン3兄弟セット」は誰が長男で次男で三男ですか!?

今回の庭ノートは、数年前にサカタのタネの通信販売で購入したハーブセット「レモン3兄弟」についてで、レモングラスレモンバーベナレモンバームの3兄弟が、いったい誰が長男で、次男で、三男ですか!?というお話です。

サカタのタネの通信販売カタログは小学生のころからの私の愛読書です。祖母がサカタ友の会の会員だったので、定期的にお便りやカタログが届いていたのですが、祖母に借りて熟読し、おもしろい植物や野菜の種を見つけては、祖母が注文する山野草の苗と一緒にたのんでもらっていました。今では私がサカタ友の会の会員です。

そんなサカタのタネ通信販売カタログ「家庭園芸」で数年前に見つけたのが、「レモン3兄弟セット」です。レモングラスレモンバーベナレモンバームのハーブがセットになっているものです。

サカタのタネの通信販売カタログ「家庭園芸」より「レモン3兄弟セット」の写真

サカタのタネの通信販売カタログ「家庭園芸」より「レモン3兄弟セット」

レモンバームはすでに庭にあったのですが、レモングラスは越冬に失敗して枯れてしまい、レモンバーベナは育てていなかったため、この3兄弟を購入することにしました。

この3兄弟の共通点は、レモンの香りがすること、ハーブティーや料理に使えること、です。

  • すぐにブレンドティーがいれられるようにダイニングの近くに置きたい。
  • 蚊が嫌う成分が含まれているため、家と庭の境に置いて虫除けも兼ねたい。
  • 疲れたとき、すぐに葉っぱをちぎってクンクンできるようにしたい。
  • 特にレモングラスとレモンバーベナは耐寒性が弱いので、温室に入れられるようにしたい。

というニーズにより、地植えではなく鉢植えにして、ダイニングから続く縁側のすぐ脇に置くことにしました。

レモングラス、レモンバーベナ、レモンバームのレモン3兄弟の写真

レモングラス、レモンバーベナ、レモンバームのレモン3兄弟

しかし!極めて重大な問題に気づきました。この3兄弟、だれが長男でだれが次男でだれが三男かわからないのです!(どこかに書いてあって私が読み飛ばしていたのでしたら、サカタのタネさん、ごめんなさい!)

カタログを見ると、「内容」のところに「レモングラス・レモンバーベナ・レモンバーム」とあります。この順番か!?と思ったのですが、すぐその下に、「レモングラス、レモンバーム、レモンバーベナのセットです。」と書いてあり、順番が変わっています!どっちやねん!

しばらくは、「まあ3つまとめて3兄弟ってことで」と思うようにしていましたが、毎日目に留まる場所に置いてあるため、「いったい誰が誰なんだ!?」というモヤモヤが強くなっていきました。サカタのタネに問い合わせたら完全に変人扱いでしょう。。。そこで、自分で勝手に長男次男三男を決めることにしました!

長男はレモンバーベナ

  • クマツヅラ科の落葉低木
  • 原産地:アルゼンチン、チリ、ペルー
  • 葉っぱ:メスの形、ライトグリーン
  • 効能:鎮静作用、消化促進作用、リラックス作用など

レモンバーベナは南米原産で、17世紀にヨーロッパに伝わりました。ヨーロッパでは、もともと、ディナーのときのフィンガーボールの水にレモンの香りをつけるために利用されていました。レモンバーベナは、フランス人が好んで飲むハーブティーとしても有名です。ヨーロッパのフィンガーボールに入れるとしたら絶対長男のはずです。葉の色も形も上品で端正。でもちょっと融通がきかず、枝ぶりを整えるのが大変です。感情をあまり表に出さず、水が足りているのかどうかなど、何を考えているのかよくわからないところがあります。

レモンバーベナの写真

レモンバーベナ

次男はレモングラス

  • イネ科の多年草
  • 原産地:インド南部・スリランカあたり
  • 葉っぱ:ススキのような細長い葉
  • 効能:消化促進、抗菌、殺菌、虫除けなど

タイ料理やベトナム料理には必須のハーブですが、タイ料理のトムヤムクンに入れるのは次男しかいないと思います。ワイルド系で、葉もざわっと伸びて快活な印象ですが、意外と打たれ弱くて、水がないとすぐしおれます。耐寒性も3人の中で一番弱く、自分が慣れた土地で本領を発揮するタイプです。葉で人の手を切って傷つけたりしますが、これはあまのじゃくで本当はすごくやさしいです。

レモングラスの写真

レモングラス

三男はレモンバーム

  • シソ科の多年草
  • 原産地:ヨーロッパ南部
  • 葉っぱ:ギザギザのハート形、光沢がある
  • 効能:鎮静、抗うつ、強壮、発汗、消化促進、抗菌、抗ウイルスなど

夏になると白い小さな花を咲かせ、この花によく蜜蜂が集まります。明るくて人懐っこくて誰からも好かれる三男に決まっています。繁殖力が非常に強く、移植にも強くてあらゆる環境に適応でき、どこでもやっていけます。かわいい葉っぱの雰囲気とは裏腹に、3人の中では一番打たれ強く、寒さも少々の水切れもへっちゃら。でも気に入らないことがあるといきなり枯れたりします。

レモンバウムの写真

レモンバウム

というわけで、レモンバーベナ長男レモングラス次男レモンバーム三男です!

レモンバーベナ、レモングラス、レモンバームのレモン3兄弟の写真

レモンバーベナ、レモングラス、レモンバームのレモン3兄弟

そして私が勝手に追加した四男レモンマートル。実は彼が一番大物です。

レモンマートルの写真

レモンマートル

※レモンバーベナ、レモングラス、レモンバーム、レモンマートルは、妊婦など、人によっては摂取に注意が必要です。

ベニシアさんに倣って!テーマのある庭、ブーケガルニの庭を作る

今回の庭ノートは、ブーケガルニに使うハーブだけを植えた「ブーケガルニの庭」についてです。

庭を小さな空間に分けて、それぞれにテーマを設定しています。

これは、私が尊敬するガーデナー、ベニシアさんや黒田健太郎さんが提案されている方法です。

ベニシアさんの庭は、楽しんで考えたテーマごとに小さなコーナーで構成されています。NHKの「猫のしっぽ カエルの手」の「Vol.60 テーマのある庭」で紹介されていました。スパニッシュガーデン、ワインガーデン、フォレストガーデン、コテージガーデン、ジャパニーズガーデンなど、聞いているだけでワクワクするような庭ばかりです。

ベニシア・スタンリー・スミス(2013)『ベニシアの庭づくり ハーブと暮らす12か月』世界文化社

また、黒田健太郎さんは、初めからよくばって庭全体を造ろうとしないで、自分が具体的にイメージできる「自分サイズ」の広さから庭づくりをスタートし、この「小さなシーンづくり」を少しずつ増やしていき、それをつないでいくという方法を提案されています。

黒田健太郎(2012)『健太郎のGarden Book』MUSASHI BOOKS

私も、土壌・日照時間などの条件、目的、手がかけられる時間などを考えて、庭を小さな空間に分けて、それぞれにテーマを持たせるようにしています。

小さな空間に分けてテーマを決めることで、どこに何を植えるか迷いが少なくなりますし、庭も使いやすくなります。また、手入れもしやすくなりますし、庭仕事で他人の助けも借りやすくなります。

ブーケガルニの庭

今回は、ブーケガルニの庭を紹介します。

庭の一角にブーケガルニに使うハーブだけを植えているコーナーがあり、ここをブーケガルニの庭と呼んでいます。

ブーケガルニは、ハーブを生のままあるいは乾燥させて数種類束ねたもので、洋風の煮込み料理の風味づけに使われます。

ブーケガルニの写真

ブーケガルニ

ブーケガルニの庭といっても、1平方メートルほどのとても小さなスペースです。

ブーケガルニの庭の写真

ブーケガルニの庭

メンバーは、ローリエ、スイートマジョラム、イタリアンパセリ、タイム、セージ、パセリ、オレガノ、ローズマリーです。

地中海沿岸地方出身者が多いので、素焼きで統一しています。

ローリエ(月桂樹)は大きくなるので、地植えにせず鉢に植えています。また、ローズマリーも鉢植えにしています。

スイートマジョラム、イタリアンパセリ、タイム、セージ、パセリ、オレガノは、一辺が20センチほどの正方形の素焼きの枠を並べて植えています。

素焼きの枠の写真

素焼きの枠

底がないので、土の上に置けば、鉢と違って水やりの必要がありません。簡単に区画整理ができ、並べ方次第でいろいろな使い方ができます。私が子供のころから祖母が使っていたもので、大のお気に入りなのですが、残念ながらどこで手に入るのかわかりません。

ブーケガルニの庭のメンバー紹介です。

ローリエの写真

ローリエ

ローズマリーの写真

ローズマリー

パセリの写真

パセリ

イタリアンパセリの写真

イタリアンパセリ

セージの写真

セージ

タイムの写真

タイム

オレガノの写真

オレガノ

スイートマジョラムの写真

スイートマジョラム

ブーケガルニを作るときは、好きなものを適当に少しずつ摘んで、タコ糸で束ねます。最もスタンダードな組み合わせは、ローリエパセリタイムです。

私はローリエ以外は乾燥させずに生のまま使っています。ローリエも、若葉ではなく一年以上経った葉を生のまま使うことができますが、乾燥させた方が強くて甘い香りになります。ローリエは葉を摘んで水で洗った後、天日で乾燥させて、乾燥剤を入れた容器に保存しています。

鍋に入れるときはオシャレになんて束ねていられません。タコ糸ぐるぐる巻きです!

ブーケガルニの写真

ブーケガルニ

あるいは、袋に入れて鍋に投入します。

ブーケガルニの写真

ブーケガルニ

ブーケガルニの庭のメンバーは、ブーケガルニ以外にもさまざまな利用方法があります。

ローズマリーは、一枝摘んでそのままバスタブに入れて入浴すると、ウソのように疲労が回復します。個人的には、精神疲労より肉体疲労に効く気がします。

また、スイートマジョラムの生葉は、信じられないくらいイケメンの香りがします。精油では味わえない香りです。個人的には、こちらは精神疲労に効く気がします。

サイモン&ガーファンクル(Simon and Garfunkel)のスカボロー・フェア(Scaborough fair)に「パセリ、セージ、ローズマリー&タイム(Parsley sage rosemary and thyme)」という歌詞があります。この、パセリ、セージ、ローズマリー、タイムのみを植えて、スカボロー・フェアというテーマの庭を作っても楽しいかもしれません。

金運アップ!庭に万両、千両、百両、小判草を植える

金運アップのために、お金の名前がついた植物を庭に植えています。

古くからお金にまつわる縁起木として人気が高いのは、千両万両などですが、「両」がつく植物はなんと一の位から万の位までそろっていて、万両千両百両十両一両とあります。

いずれも常緑の低木で、秋から冬にかけて赤い実がつきます。

万両(マンリョウ):ヤブコウジ科ヤブコウジ属

千両(センリョウ):センリョウ科センリョウ属

百両(ヒャクリョウ):カラタチバナ、ヤブコウジ科ヤブコウジ属

十両(ジュウリョウ):ヤブコウジ、ヤブコウジ科ヤブコウジ属

一両(イチリョウ):アリドオシ、アカネ科アリドオシ属

このうち、千両万両一両(アリドオシ)をそろえて、「千両、万両、有り通し」といった語呂合わせがあります。「千両も万両も一年中有り通し=お金に困らない」ということで、金運に恵まれますようにという縁起かつぎです。

私は「千両万両一両」ではなく、「千両万両百両」を庭に植えています。

千両の写真

千両

万両の写真

万両

百両の写真

百両

木も草も虫も休んでいる冬の寒い庭で、常緑で赤い実のついた千両万両百両を見ると、本当に豊かな気持ちになります。ウインターブルーになる方にはおすすめの植物です。千両はちょっぴり気難しくて環境を選びますが、万両は増えて困るくらい育てやすいです。

しかーし!私が最もおすすめするお金にまつわる植物は「小判草」です!

小判草の穂の写真

小判草

小判草(コバンソウ)は、5月から6月に咲く、イネ科コバンソウ属の一年草で、小判に似た形の小穂をつけます。

小さいころ、妹と「お金草(おかねそう)」と呼んでいました。ウラシマソウと並んで、発見するとドキドキする植物の一つでした。イネ科特有の哀愁があります。

小判草の群生の写真

小判草の群生

高さは10~60センチくらい、穂の大きさは1.5~2センチくらいです。穂は稔ると黄金色になります。

黄金色の小判草の穂の写真

黄金色の小判草の穂

植えたままで黄金色になりますが、青いうちに切ってドライフラワーにすると、とてもきれいな黄金色になります。下の写真は左が今年収穫したもの、右が数年前に収穫してドライフラワーにしたものです。

小判草 ドライフラワーの写真

小判草 ドライフラワー

似た植物に姫小判草(ヒメコバンソウ)があります。

姫小判草の写真

姫小判草

イネ科コバンソウ属の一年草ですが、穂の大きさや穂のつき方が小判草とは異なります。小判草の穂は1.5~2センチですが、姫小判草の穂は4ミリ程度です。

小判草と姫小判草の写真

小判草と姫小判草

小判草姫小判草とも、日本では雑草扱いです。こんなにユニークで縁起のいい植物が雑草だなんて!

小判草は増殖力がハンパなく、すぐに小判ざっくざくになります。お金もこんなスピードで増えるようにという願いを込めて、雑草などと思わずに大切に放置しています。

ウラシマソウ(浦島草):晩春の庭に咲く超個性派の性転換植物

ありえない質感!美しすぎる白い花、私の庭の四大美女

今回の庭ノートは、庭に咲く、美しすぎる白い花についてです。

私の庭には、ツツジ、シャクナゲ、コデマリ、オルレア、シャクヤク、カサブランカなど、美しい白い花がたくさん咲きます。

カサブランカの写真

カサブランカ

ほかの色の花もそれぞれ素敵ですが、白い花は特別美人が多いような気がします。

その中でも、二度見するほど美しい、私にとって特別な花があり、中国四大美女にならって、私の庭の四大美女と呼んでいます。

ちなみに、中国四大美女とは、西施王昭君貂蝉楊貴妃の四人です。

西施(春秋時代):彼女が川で洗濯をする姿に見とれて魚たちは泳ぐのを忘れてしまったと言われる沈魚美人

王昭君(漢):琵琶をかき鳴らす彼女の姿と悲しい調べに魅入られて雁が次々に落ちてきたと言われる落雁美人

貂蝉(後漢):天下を憂いて物思いに耽る姿のあまりの美しさに、月が恥じて雲に隠れてしまったと言われる閉月美人

楊貴妃(唐):彼女が後宮を散歩すると庭の花が妃の美貌と体から発する芳香に気圧されてしぼんでしまったと言われる羞花美人

「虞や虞や 汝を奈何せん」の虞美人(秦末)が入っていない!?と思いますが、三国志で有名な貂蝉を抜いて虞美人を入れることもあるそうです。

魚が泳ぐのを忘れたり、雁が落ちてきたリ、月が隠れたり、花がしぼんだり、って、すごすぎです。

でも、私の庭に咲く白い花も負けていません!この世のものとは思えない美貌です。

ありえない質感なのですが、私の写真技術ではそれがお伝えできないのが残念です。本物を見れば、絶対触りたくなります!

クチナシ

クチナシの写真

クチナシ

この人、どうしたらいいんでしょう!ため息しか出ないです。花びらが外側にカールした感じが絶妙です。初夏の嵐の前のちょっと薄暗い不安な日がよく似合います。

フヨウ

フヨウの写真

フヨウ

何なんですか、この透け感!花の中央のほんのり黄緑がかった色合いも絶妙です。花びらと花びらの重なり方も計算しつくされていて、回転してそのまま吸い込まれる感じです。

シュウメイギク

シュウメイギクの写真

シュウメイギク

可憐すぎます!肉厚な花びらと、あえて花びらの形が一枚一枚違うところが絶妙です。計算ずくの不揃い!?よく見るとパールが入っていてキラキラ光っています。

ツバキ

ツバキの写真

ツバキ

このなめらかさ、何なんでしょう!品種がわからないのですが、ほかのツバキにはない質感です。一枚一枚の花びらが繊細でしっとりしているにもかかわらず、ありえない枚数重なっていて、贅沢仕様です。

ご紹介した私の庭の四大美女の写真、ベストショットではないので、もっといい写真が撮れたら、随時差し替えようと思います。

ウラシマソウ(浦島草):晩春の庭に咲く超個性派の性転換植物

今回の庭ノートは、晩春に我が家の庭に咲く超個性派植物、ウラシマソウ(浦島草)についてです。独特な佇まいでその場を異空間にしてしまう上、性転換植物でもあるという、なんとも魅力的な植物です。

我が家の庭に咲く花は、季節によってキャラクターが全然違います。大まかにいうと、春に咲く花はふわっとした感じ、夏に咲く花ははつらつとした感じ、秋に咲く花はしっとりとした感じ、冬に咲く花はきりっとした感じです。

春に咲く花は全体としてふわっとした感じなのですが、時期によってさらにキャラクターを細分化することができます。

極めて個人的な印象になりますが、春前半に我が家の庭に咲く花は、素人ウケする優等生です。例えば、桃、モクレン、レンギョウ、桜、菜の花、アネモネ、ハナニラ、スイセン、ムスカリ、チューリップ、パンジー、ビオラ、など。

そして、これまた極めて個人的な印象になりますが、春後半に我が家に咲く花は、玄人ウケする個性派です。

例えば、クマガイソウ。

クマガイソウの写真

クマガイソウ

例えば、エビネ。

エビネの写真

エビネ

例えば、ホウチャクソウ。

ホウチャクソウの写真

ホウチャクソウ

その中でも、ひときわ異彩を放っている超個性派がウラシマソウです。

ウラシマソウの写真

ウラシマソウ

ウラシマソウ(Arisaema urashima)は、日本原産で、サトイモ科テンナンショウ属の多年草です。肉穂花序(にくすいかじょ)の先端の付属体が細く糸状に伸びていて、その姿を、浦島太郎の釣り竿の釣り糸に見たてて、この和名がついたといわれています。

英名は「コブラ・リリー・ウラシマ(cobra lily Urashima)」です。

地下にはサトイモに似た球根があり、春になると芽を伸ばして、傘のような大きな葉を広げます。そして、仏炎苞(ぶつえんほう)といわれる黒褐色の苞を開きます。

静岡県にある私の庭では、4月下旬から5月上旬にかけて開花します。耐陰性が強く、乾燥を嫌うため、木の陰など、少し薄暗いところに生えています。

子どもの頃、庭で遊んでいて、偶然このウラシマソウを見つけてしまったときの驚きといったらありません。出会ってはいけないものに出会ってしまったというか、見てはいけないものを見てしまったというか、何か異質なものが存在していてそこだけ時空がゆがむというか。

しかも、こんな集団に出くわしてしまったら「うわぁぁぁどーしよー」って感じです。

ウラシマソウの群生の写真

ウラシマソウの群生

しかもこのウラシマソウ、性転換するんです!

ウラシマソウなどのテンナンショウ属の植物は、一般に性転換することで知られています。性転換は、成長や栄養の状態によって起こり、小型の個体は雄性となり、大型の個体は雄性から雌性に転換していきます。

ウラシマソウの雌性と雄性の写真

ウラシマソウの雌性と雄性

黒褐色の仏炎苞は一見花のように見えますが、本来の花はこの仏炎苞の中の付属体の下についています。

ウラシマソウに中を見せてもらいました。

ウラシマソウの雄花と雌花の写真

ウラシマソウの雄花と雌花

上の写真の左が雄性、右が雌性です。小型の個体では雄性となって、仏炎苞の内部の内穂花序に雄花群を形成します。大型の個体では雌性となって、肉穂花序に雌花群を形成します。

雄花から雌花への花粉の受粉はキノコバエの仲間によって行われます。キノコバエは、雄性の仏炎苞の開口部から進入し、雄花群の花粉を体につけて、仏炎苞の下にある隙間から脱出します。

しかし、雌性の仏炎苞には脱出できる隙間がありません。開口部から進入したキノコバエは、出口を探して雌花群をうろついている間に受粉させられ、脱出できずに死んでしまうこともあるそうです。

ウラシマソウの付属体が細長く糸状に伸びたもの(浦島太郎の釣り竿の釣り糸)については、なぜこのような構造になっているのか不明だそうですが、一説によると、先端が地面や草などに接していて、これをたどって虫が仏炎苞の中に入ってくるのではないかといわれています。

だとしたら、これは本当に釣り糸だということになります!

オリオン座のベテルギウス(平家星)が超新星爆発!?平家はいつ滅びるのか

オリオン座のα星「ベテルギウス」がまもなくなくなるといわれています。2010年に新聞などで報道されましたが、私は、2011年6月28日にNHK BSプレミアムで放送されたコズミックフロント「爆発直前!?赤い巨星・ベテルギウス」で詳細を知りました。

NHK コズミックフロント「爆発直前!? 赤い巨星・ベテルギウス」

なぜ今この話かというと、3月下旬から4月上旬にかけて、庭の源平枝垂れ桃が咲いて、オリオン座を思い出すことが多くなるからです。そして、なぜ源平枝垂れ桃を見てオリオン座を思い出すかというと、私にとってオリオン座は「源平座」だからです。

源平枝垂れ桃は1本の木で、赤、白、ピンク、赤と白のまだらなど、数種類の色の花が咲きます。「源平」は、源氏が白旗、平氏が赤旗を用いたことから「紅白」という意味でよく使われます。

源平枝垂れ桃の写真

源平枝垂れ桃

源平枝垂れ桃の花の写真

源平枝垂れ桃の花

オリオン座のベテルギウスとリゲルは、和名で平家星(へいけぼし)、源氏星(げんじぼし)といわれています。岐阜県揖斐郡の山村で、赤色のベテルギウスを平家の赤旗、青白色のリゲルを源氏の白旗に見たてたのが由来のようです。

子供のころにそのことを知って以来、私はオリオン座のことを勝手に源平座としてきました。1等星のα星(ベテルギウス)が平家星、β星(リゲル)が源氏星、そして、その二つがはさむ5つの2等星(γ星、δ星、ε星、ζ星、κ星)が富士川です。私にとってベテルギウスは、こん棒を持つオリオンの右わきの下ではなく、平家なのです。

オリオン座の写真

オリオン座のベテルギウス(平家星)とリゲル(源氏星)

そしてここへきて、その平家が滅びるというのです!オリオン座を源平座としてきた私にとっては大事件です。

過去の超新星爆発で有名なのは、現在の「かに星雲」です。かに星雲は地球からおよそ7000光年離れた超新星残骸ですが、この星雲の元となった超新星爆発が1054年に出現したことが、藤原定家の『明月記』などの文献にも記録されています。超新星が出現したとき時は金星くらいの明るさになり、23日間にわたって昼間でも肉眼で見え、夜間はその後2年間も見えていたそうです。

ベテルギウスが爆発したらどうなるのでしょう!?2011年6月28日にNHK BSプレミアムで放送されたコズミックフロント「爆発直前!?赤い巨星・ベテルギウス」の内容をピックアップしてみます。

ベテルギウスの大きさは太陽の1000倍で、近年の観測で、巨大なコブを持ち、ガスを猛烈な勢いで吹き出す荒ぶる巨星だということがわかったそうです。一生の99.9%がすでに終わっていて、最後に大爆発するといわれています。

地球からベテルギウスまでの距離は、わずか640光年。超新星爆発が至近距離で起こるのは、10万年に一回あるかないかの現象で、かつてない天体ショーになるといわれています。

明日起こるかもしれない星の大爆発を待ち構えているのが岐阜県飛騨市のスーパーカミオカンデです。超新星爆発の直前には大量のニュートリノが放出されることが知られていて、世界のどこよりも早く爆発の兆候をとらえることができるそうです。爆発の兆候が見られたら、全世界の望遠鏡がベテルギウスに向けられます。

爆発したら、地球からはどのように見えるのかというと、まず、温度が急上昇するため、色が赤から青に変わります。3時間後、満月のおよそ100倍の明るさで輝き、昼間でも青空の中で明るくきらめきます。この明るさは3か月間続くそうです。4か月経つと温度が下がり、色は青からオレンジになり、さらに下がって赤くなります。4年後には肉眼で見えなくなり、オリオン座はベテルギウスを失います。

この爆発が地球環境に影響を及ぼすことはなさそうということでしたので、安心して観察できそうです。

2012年に起こるかもしれないという話がありましたが、2017年の今現在も起きていません。明日かもしれないし、数万年後かもしれません。ちなみに、現在地球上から見えるベテルギウスは640年前の姿なので、ひょっとすると実際のベテルギウスはすでに超新星爆発を起こして消滅していて、この宇宙にはもう存在していない可能性もあるってことですよね?

平家最後の時はいつ訪れるのでしょうか。。。

おすすめの本

NHK-DVD「コズミック フロント」DVD-BOX(DVD5枚+特典CD付)

NHK コズミック フロントのDVDです。放送された番組の中で特に人気があった回が収録されています。「爆発直前!?赤い巨星・ベテルギウス」は収録されていません。2012年にこのDVDが出て以降は番組のDVD化はされていないようです。

林完次(2010)『宙の名前 新訂版』角川書店.

天文学的な解説ではなく、月や星をはじめとする夜の空に関する言葉を、イメージ写真とともに紹介した歳時記風天体図鑑です。私が持っているのは1995年発行の光琳社出版のものです。1995年当時、今までにない新しいタイプの本だなと思った記憶があります。「源氏星」「平家星」に関する記述もあります。