月別アーカイブ: 2017年12月

テーマのある庭、サラダバーガーデンを作る

今回の庭ノートは、サラダに使う野菜だけを植えた「サラダバーガーデン」についてです。

庭を小さな空間に分けて、それぞれにテーマを設定しています。

これは、私が尊敬するガーデナー、ベニシアさんや黒田健太郎さんが提案されている方法です。

ベニシアさんの庭は、楽しんで考えたテーマごとに小さなコーナーで構成されています。NHKの「猫のしっぽ カエルの手」の「Vol.60 テーマのある庭」で紹介されていました。スパニッシュガーデン、ワインガーデン、フォレストガーデン、コテージガーデン、ジャパニーズガーデンなど、聞いているだけでワクワクするような庭ばかりです。

ベニシア・スタンリー・スミス(2013)『ベニシアの庭づくり ハーブと暮らす12か月』世界文化社

また、黒田健太郎さんは、初めからよくばって庭全体を造ろうとしないで、自分が具体的にイメージできる「自分サイズ」の広さから庭づくりをスタートし、この「小さなシーンづくり」を少しずつ増やしていき、それをつないでいくという方法を提案されています。

黒田健太郎(2012)『健太郎のGarden Book』MUSASHI BOOKS

私も、土壌・日照時間などの条件、目的、手がかけられる時間などを考えて、庭を小さな空間に分けて、それぞれにテーマを持たせるようにしています。

小さな空間に分けてテーマを決めることで、どこに何を植えるか迷いが少なくなりますし、庭も使いやすくなります。また、手入れもしやすくなりますし、庭仕事で他人の助けも借りやすくなります。

サラダバーガーデン

今回は、サラダバーガーデンを紹介します。

庭の一角にサラダに使う野菜だけを植えているコーナーがあり、ここをサラダバーガーデンと呼んでいます。

設楽清和 監修(2010)『パーマカルチャー菜園入門』家の光協会. の55ページに、「スクエア菜園」というのが紹介されています。

これは、スペースを板や杭で仕切り、30センチ×30センチのスクエアを3×3列に並べた菜園です。1平方メートルのスペースがあっても、区分けされていないと同じ野菜を多量に植えてしまいがちです。9区画に区切ることで、心理的な傾向としてそれぞれ違う野菜を植えたくなり、多様性のある菜園ができあがる、ということです。

また、菜園で作業をする際、人の手が届くのは外側から40~45センチ程度ということで、一つの区画を30センチ×30センチにして、それを3×3列作ることによって、周囲から手が届く、管理のしやすい菜園になる、ということです。

料理によく使う野菜を植えるので、理想としては、ハーブと同じく、家の勝手口の近くに配置できるとよいようです。

私の場合は、スペースの関係で少し違う区画になりました。1区画が60センチ×40センチで、3区画×1列、2区画×1列、4区画×1列となっています。しかし、小さな通路があり、どの区画も無理なく手が届きます。

年や季節によって少し変わりますが、大抵、リーフレタス、サニーレタス、半結球レタス、サンチュ、赤カラシナ、ミズナ、コマツナ、サラダシュンギク、ミニトマトなどを植えています。

サラダバーガーデン(3区画×1列)

サラダバーガーデン(3区画×1列)

赤カラシナの写真

赤カラシナ

ルッコラの写真

ルッコラ

ミズナの写真

ミズナ

サラダシュンギクの写真

サラダシュンギク

ミニトマトの写真

ミニトマト

ここには、生で食べられるものだけを植えるようにしています。

それぞれの区画には、何の野菜かわかるように、写真付きのプランツネームプレートを立てています。

サラダバーガーデンのプレートの写真

サラダバーガーデンのプレート

サラダバーのように、自分が好きな野菜を、食べる都度、食べる量だけとっていきます。

サニーレタスなどは外側の葉から一枚ずつかきとっていき、赤カラシナなどは若芽を摘みとっていくようにしています。

参考文献

設楽清和 監修(2010)『パーマカルチャー菜園入門』家の光協会.

永続的で循環可能な、自然のしくみをいかす家庭菜園について紹介している本で、どれもこれも実践してみたくなるようなアイディアばかりです。ヨシダケイコさんのイラストが本の内容にピッタリで、読んでいるだけでも楽しい本です。

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庭の柚子を収穫し、冬至に柚子湯に入る

2017年の冬至は12月22日でした。

冬至に柚子湯に入ると、一年中風邪をひかないと言われています。

柚子湯に入ると、次のような効果があるそうです。

  • 血行がよくなり、冷え性や疲れなどに効く。
  • 皮に含まれる精油成分がお湯に溶けだして皮膚の角質を覆い、しっとりすべすべの肌になる。
  • 柚子の皮に含まれるクエン酸やビタミンCにより、美白効果がある。
  • 香りでリラックスできる。

我が家でも、毎年、冬至の日には、柚子湯に入って体を温めます。

柚子湯には庭の柚子を使います。

庭の柚子の実の写真

庭の柚子の実

柚子は、料理に使え、お風呂に使え、アゲハチョウも訪れ、本当にありがたい木です。

庭の柚子の木の写真

庭の柚子の木

柚子湯は祖父母に教わった習慣だったので、小さいころから日本のシブい習慣として受けとめてきました。

柚子湯の写真

柚子湯

しかし、よく考えてみると、お風呂に果物浮かべて入るなんて、ものすごくおしゃれじゃないですか!?

もし外国にシトロンバスにつかる習慣を持つ国があったとして、その国の人が「私の国では、老若男女、毎日バスタブにつかる習慣があって、特に冬至の日にはお風呂にシトロンを浮かべるんですよ。」って言ったら、「なんておしゃれな国なんだ!」って思いますよね!?

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パリのシンプル シックなクリスマスツリー

今回の庭ノートはフランスのパリからです。

クリスマス前のパリには屋内外にたくさんのツリーが飾られていますが、「庭ノート」なので、屋外限定で私が素敵だなと思ったツリーを紹介します。

私は過剰な装飾が苦手なので、目に留まるツリーはどうしてもシンプルなものばかりになってしまいますが、パリのシンプル シックなツリーをお楽しみください!

ノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Paris)前のツリーはシルバーとブルーのボールだけ。

ノートルダム大聖堂とツリーの写真

ノートルダム大聖堂とツリー

サン=ジェルマン=デ=プレ教会(Église Saint Germain des Prés)前のツリーは赤と白のリボンだけ。

サン=ジェルマン=デ=プレ教会の写真

サン=ジェルマン=デ=プレ教会

サン=ジェルマン=デ=プレ教会のツリーの写真

サン=ジェルマン=デ=プレ教会のツリー

エッフェル塔(La tour Eiffel)前の歩道のツリーは、雪が積もっているだけ。

エッフェル塔とツリーの写真

エッフェル塔とツリー

そして極めつけは、シテ島( Île de la Cité)の花市で売られている何もついていないモミの木です!

シテ島の花市で売られているモミの木の写真

シテ島の花市で売られているモミの木

エアープランツ(ティランジア)で、T6(ティーシックス)を結成!

ティランジア(Tillandsia)パイナップル科(ブロメリア科)の植物で、エアープランツ(Airplants)とも呼ばれています。

熱帯アメリカに広く分布し、その多くが、木の枝や岩に付着して育つ着生植物です。風を好み、土を必要とせず、乾燥に非常に強く、葉の表面から空気中の水分を吸って育ちます

雨季と乾季がはっきりした地域に自生しているので耐性には優れていますが、本来は水が好きな植物だそうです。

しかし、土だけではなく水もいらないと誤解されがちで、枯らしてしまう人が続出すると言われていて、私も結構枯らしてしまっています。

スイスのジュネーブの植物園(Les conservatoire et jardin botaniques de la Ville de Genève)の温室にエアープランツがたくさん吊るさがっていたのですが、アジア人の私でさえむせかえるような湿度の中で生き生きと育っていて、水がいらないというのは大いなる誤解だと実感しました。

ジュネーブの植物園のエアープランツ

ジュネーブの植物園のエアープランツ

エアープランツには、週1~2回、霧吹きで水分を与え、乾ききってしまったときは、水を張った容器に株を逆さまにして1時間程度沈めて、その後よく水を切るようにします。

このところ、カフェ風インテリアテラリウムが人気で、エアープランツも注目されているようですが、私の記憶では、土がいらなくて机の上に直置きできる植物として1990年代にブームになった気がします。

エアープランツはとても軽量なのでハンギングに向いています。土が不要なので、ワイヤーで吊るしたり、壁にかけたり、ガラス容器に入れたり、自由に飾ることができます。

私は、直径6センチの小さなバケツを横に6個つる下げた雑貨にエアープランツを入れています。一つのバケツに一人ずつ、合計6人。ここに入る6人はその時の厳選メンバーで、いわば、V6六歌仙笑点の大喜利の回答者、おそ松くんみたいなものです!

ティランジア(Tillandsia)6人組ということでT6(ティーシックス)と呼んでいます。

T6(ティランジア6人組)の写真

T6(ティランジア6人組)

現在のメンバー紹介です。

マグヌシアーナの写真

マグヌシアーナ

ブッツィーの写真

ブッツィー

ブラキカウロス

ブラキカウロス

カプト メドゥーサエの写真

カプト メドゥーサエ

イオナンタ イオナンタの写真

イオナンタ イオナンタ

ブルボーサの写真

ブルボーサ

状況をみてメンバーの入れ替えがあります!

こちらのトレイの中にいる十数人は、T6の控えのみなさんです。

T6の控えのみなさん

T6の控えのみなさん

ところで、静岡県にある 熱川バナナワニ園 の温室は、日本一のエアープランツ(ティランジア)のコレクションを誇り、日本ブロメリア協会の事務局にもなっているそうです!私は静岡県民なのに行ったことがなく、詳細が語れなくてすみません!

参考文献

藤川史雄『エアプランツとその仲間たち ブロメリアハンドブック』(2013)双葉社

「ブロメリア図鑑」と「ブロメリアの育て方」の二章で構成されています。ほとんどの写真が花が咲いた状態の写真で、「葉っぱだけでもかわいいのに、うまくいけばこんなに美しい花が咲くなんて!」と、育てるモチベーションが一気に上がる本です。

照井江里子(監修)『テラリウム』(2016)日東書院

苔、エアプランツ、多肉植物を中心としたテラリウムが紹介されています。風を好むエアープランツは、吊るすタイプの容器と相性がよく、すぐにまねできる小さなハンギングテラリウムがいろいろ載っています。過剰なデコレーションがなく、シンプルでセンスのいいテラリウムばかりです。

カラスウリの種は金運アップのお守りに!果肉はしもやけの薬に!

カラスウリは、本州、四国、九州、朝鮮、中国に分布するツル性多年草です。

山林などの大きな樹木にからみついて茎が伸びます。

我が家のカラスウリも、桜の木にからみついて枝の先端のほうまでたどり着き、3メートルは超えています。

桜の木にからみつくカラスウリの写真

桜の木にからみつくカラスウリ

桜の木にからみつくカラスウリの写真

桜の木にからみつくカラスウリ

カラスウリは、8月から9月にかけて、白いレースのような繊細な花を咲かせます。夕方暗くなってから開花し、夜明けとともにしぼんでしまうので、人目にはつきにくいです。

雌雄異株で、雄花は雄株に、雌花は雌株につきます。夕顔別当とも呼ばれるエビガラスズメという蛾が花粉の媒介をします。

実は、雌花の咲く雌株にのみにつきます。果実は5〜7センチの楕円形で、卵のような形をしています。熟す前は、縦じま模様の緑色をしていて、いかにも「ウリ」という感じです。

緑色のカラスウリの果実の写真

緑色のカラスウリの果実

熟すと、朱赤やオレンジに色が変わります。

赤くなったカラスウリの果実の写真

赤くなったカラスウリの果実

実を半分に切るとこんな感じです。

半分に切ったカラスウリの果実の写真

半分に切ったカラスウリの果実

この果肉が重要なのです!

カラスウリの実はしもやけの薬になると言われていて、果汁と果肉をすり込むようにして患部に塗って使います。

よく「必要な家に、必要な薬草が生える」といいますが、私は小さいころからしもやけに悩まされてきたので、本当にそうかもしれないと思ってしまいます。

さらに、が重要です!

カラスウリの種は、とても面白い形をしていて、打ち出の小槌にそっくりなのです!

果実から取り出したばかりのカラスウリの種の写真

果実から取り出したばかりのカラスウリの種

果実から取り出したばかりの種は、黒くてつやがあります。

大きさは10ミリ×5ミリくらいで、中央に帯状のものが巻かれたような形になっています。

シルエット的に、大黒さんにも似ている気がします。

カラスウリの種の写真

カラスウリの種

時間が経つと、種は黄褐色になります。

黄褐色になったカラスウリの種の写真

黄褐色になったカラスウリの種

カラスウリの種打ち出の小槌に似ているため、昔から、お財布に入れるとお金がたまると言われています。

宝尽くしの懐紙に包んで、お正月に配ろうと思います!

宝尽くしの懐紙にカラスウリの種を包む写真

宝尽くしの懐紙にカラスウリの種を包む

参考文献

日本の薬草 (小学館のフィールド・ガイドシリーズ (16))

カラスウリについては228ページに載っています。

日本の野草〈夏〉 (フィールド・ガイド)

カラスウリについては47ページに載っています。

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鉢を好きな色に塗り替えて寄せ植えを作る。

植物を鉢に植えると水の管理が大変なので、できるだけ地植えにするようにしていますが、冬の間は水の管理が夏ほど大変ではないため、鉢で寄せ植えも楽しむようにしています。

寄せ植えは、こなれた感じにするのが本当に難しく、黒田健太郎さんの『12ヶ月の寄せ植えレシピ』を参考にしています。

黒田健太郎『12ヶ月の寄せ植えレシピ』(2011)グラフィック社

この本の116ページに、「ホーンテッド・キャッスルのゴシックバスケット」という寄せ植えが載っています。レンガの壁の前に、白いアイアンプランターが置かれ、その中に、パンジー、ビオラ、ビート、ヘデラ、ワイヤープランツなどが植えられたものです。ダークな紫をベースに、白のアクセントを加えた、とてもシックな寄せ植えです。

黒田健太郎さんの「ホーンテッド・キャッスルのゴシックバスケット」とは全然雰囲気は違いますが、我が家にも似たような壁があることに気づき、紫と白のパンジーとビオラで寄せ植えを作りました。

バンジー・ビオラの寄せ植えの写真

バンジー・ビオラの寄せ植え

この白い鉢、どこで手に入れたのですかと聞かれるのですが、これは、テラコッタの鉢を自分で白く塗ったものです。

テラコッタ鉢の写真

テラコッタ鉢

この鉢は、27×14×13センチほどのイタリア製テラコッタ鉢です。大きさ、形ともに完璧で、我が家では、レンガ調の外壁の前の小さなスペースに、ぴったり3つ収まります。

しかし、赤茶色のレンガ調のタイルの前に置くと、茶色のトーンが違って何かしっくりこないため、白に塗り替えることにしました。

塗り替えには、オールドビレッジのバターミルクペイントを使いました。

オールドビレッジ バターミルクペイント-CORNER CUPBOARD YELLOWISH WHITE 200ML 13-25

白く塗ったテラコッタ鉢の写真

白く塗ったテラコッタ鉢

静岡は温暖なので、雪が積もって庭仕事が強制終了となる土地とは違い、やろうと思えば一年中庭いじりが楽しめますが、それでも、冬の間はやらなければならない作業は激減します。

この間は、落ち葉を掃いてコンポストボックスに入れたり、庭グッズの整理や手入れをしたり、来年の計画を立てたり、砂利を敷いたり区画整理をしたり、緑が生い茂っていてはなかなかできない作業をします。

鉢の塗り替えも冬の間に行う作業の一つです。

大きさ、形、色ともにちょうどよい鉢が手に入らない場合、冬の間にせっせと色を塗り替えます。

参考文献・参考商品

黒田健太郎『12ヶ月の寄せ植えレシピ』(2011)グラフィック社

本のタイトル通り、本当に「レシピ」になっていて、寄せ植えに使う材料、作り方の手順、完成図が載っています。鉢だけでなく、ウッドプランター、バケツ、アイアンラック、バスケットなど、さまざまな材料を使った寄せ植えが、美しい写真と詳しい解説で紹介されています。眺めているだけでも楽しい本です。

オールドビレッジ バターミルクペイント-CORNER CUPBOARD YELLOWISH WHITE 200ML 13-25

初心者でも塗りやすく、あとかたづけも楽ちんです。サイズも200mlから展開されているので、少しだけ使いたい場合にも便利です。自然な感じに仕上がります。