黄色でハッピーになる!旧正月と立春を金柑と水仙で祝う

2017年1月28日は旧正月でした。私は旧暦と新暦の両方で暮らしています。

子供のころから、桃の節句や七夕などの季節の行事は旧暦でお祝いしています。新暦の桃の節句には桃が咲いていませんし、新暦の七夕には梅雨で星が見られません。旧暦でないと、季節の行事に必要なアイテムをそろえるのが難しいのです。

旧正月はその年によって新暦の何日になるか違いますが、だいたい新暦の1月下旬から2月中旬のどこかなので、私は、立春と合わせて、この期間をふわっとお祝いすることにしています。旧正月は旧暦の1月1日またはそれから始まる数日間で、立春は二十四節気における第一節です。

中国では、旧正月(春節)に、新しい年の吉祥を祈願する縁起物が飾られるそうですが、その中でもポピュラーなものが、富をもたらすと言われる金柑の鉢植え、良い香りが幸せを運ぶと言われる水栽培の水仙、だそうです。

私は金柑と水仙を和風にアレンジして取り入れています。

金柑は、この時期、3センチくらいの実がたくさんなって、見ているだけで明るく豊かな気持ちになります。

金柑の木の写真

中国のように鉢植えを飾るのではなく、実を収穫して甘煮にして食べています。直径12センチの琺瑯のお鍋に、ヘタと種をとった金柑を20個入れ、砂糖75gとはちみつ25gと水100ccを加えて、アクをとりながら20分煮るだけです。

鍋の中の金柑の甘煮の写真

白湯に入れたり、ヨーグルトに入れたり、トーストにのせたり、いろいろな方法で楽しむことができる優れものですが、高温でシブくいれた緑茶のお茶請けとしてそのまま食べるのが私のおすすめです。お茶(日本茶)+みかん(柑橘類)のことを、私は静岡セットと呼んでいます。この静岡セット、緑茶のカテキン+柑橘のビタミンCで、風邪予防にもなります。

金柑の甘煮と緑茶の写真

水仙は、中国の品種ではなく、和水仙を水栽培にしています。

和水仙は庭のあちらこちらに咲いていますが、増えてあまり球根が密集すると、葉だけが茂り、花が咲かなくなります。そのため、何年かに一度掘り起こして植えなおしています。

群生する水仙の写真

その掘り起こした球根を水栽培にして部屋の中で育てています。陶器やガラスの器に石を敷いて、その上に球根を置いて水を少しはるだけです。水栽培というと、ヒヤシンスやクロッカスが思い浮かびますが、清楚で品があって格が高い和水仙もおすすめです。

水仙の水栽培の写真

和水仙の香りは、甘いのに甘ったるすぎず、清涼感があるのに涼しすぎず、絶妙なバランスの香りです。嗅ぐと幸せな気持ちになります。

新暦の1月2月は一段と寒さが増し、少し鬱々とした気分になりがちです。金柑と水仙の黄色を見て香りをかぐと気分が晴れます。黄色には気持ちを明るくしてくれる効果があるそうです。節分の豆まきや柊鰯も大事ですが、邪気除けの後は、黄色で明るい気持ちを取り込むのもよいのではないかと思います。

水仙の花の写真

おすすめの本とアプリケーション

月読君

月の満ち欠けと日本の旧暦カレンダーを表示するアプリケーションです。昔は旧暦カレンダーを見て手帳に月齢を書き写していましたが、今ではこのスマートフォン用の便利なアプリを使っています。

くらしのこよみ

二十四節気と七十二候に沿って更新される暦アプリケーションです。自然の変化を表す七十二候の言葉をベースに、写真、絵、俳句、読みものなどで構成されています。巻物仕立てになっていて、作りも美しいです。

松村賢治(2010)『旧暦と暮らす』文芸春秋.

2002年にビジネス社から出た単行本の文庫版です。世の中が、今ほど二十四節気や七十二候にフォーカスを当てていなかったころ、いち早く旧暦で暮らすことを提唱した本です。やはり旧暦の方がアジアのくらしに合っているかも・・・と、旧暦で暮らしてみたくなる一冊です。

ヨハンナ・パウンガー/トーマス・ホッペ(1997)『月の癒し』飛鳥新社.

私が意識的に月の暦で暮らすきっかけになった本です。月の満ち欠けに順じた暮らし方については、真偽のほどはわからず、なかなか評価が難しい本ですが、オーストリアのチロル地方の農家に伝わる知恵として読むとおもしろいです。体を大切にして丁寧に暮らそうという気持ちにさせてくれる読み物です。

どくだみ茶:夏至にドクダミを摘みとり、乾燥させ、半夏生にどくだみ茶を飲む